女性たちの葛藤、コンプレックスでいちばん多いのが、「オーガズムを感じたことがない」「イクという感覚がわからない」というもの。それに対して、男たちはかなりの確率で、自分が女性をオーガズムに導いていると信じている。つまり、いかに演技をしている女性が多いかということだ。
「私も演技します。演技というと言葉が悪いけど、せっかく彼が一生懸命やってくれているのに、オーガズムを得られなかったとは言えなくて。いつも最後に「イクー」って言って、それを合図に彼が終わるというパターになっているんだけど、実はちょっと虚しいんですよね」
(三十歳)
「私もよくイッふりをします。イカない女って、なんだか性的に未熟な感じがして嫌だから。だけと、本当はイッたことがありません。イクという感覚がよく分からない。気持ちはいいけれど、我を失うほどの感じじゃないし」(二十八歳)
「本当は私、挿入ってあまり好きじゃないんです。キスしたり、抱きしめたりして、そのまま眠ってしまうのがいちばんいい。だけど、彼がそれじゃすまないから、セックスはしますけど、いつも『早く終わってくれないかなあ』って思っている。早く終わらせたいために、イッたふりをします」(三十五歳)
オーガズムとは何か。セックスについて書いてある本を見れば、オーガズムの医学的な定義は、必ず説明されている。
そもそも、性的反応はどういう経緯をたどるのか。これは五段階に分かれていて、欲求――覚醒――安定――オーガズム――消散という経緯をたどる。
女性の場合、性的欲求を感じるところから始まり、刺激に敏感になる。安定期ではさらに覚醒が増し、ますます敏感になる。
クリトリスは、包皮の下で収縮を始める。膣の入り口近くは充血し、子宮は上に持ち上げられて、膣の中はテント状になる。そしてオーガズムに達すると、女性の体は弓なりになり、筋肉が緊張する。
続いて膣と子宮壁が、下腹部の筋肉と肛門と一緒に、リズミカルに収縮する。それが三秒から十秒ほど続く。手や足、顔をなどの体の他の部分で不随意筋(自分が意識して動かせない筋肉)の収縮が起こることもある。
それが収まると、またすぐに安定期の状態まで戻る。だから、女性は何度でもオーガズムを得られると言われているわけだ。
ただし、この性的反応のあり方にとらわれる必要はない。この医学的な性的反応を気にしすぎると、「あ、私は今、覚醒期なんだわ、ここから安定期に入るのね」と頭の隅で考えてしまいがちだから。自分が気持ちいいと感じることが、何よりも大事なのではないか。
挿入されるイッキに冷める「性の不一致酒井あゆみノンフィクション著の中でも多くの女性が口を開いている。
ただ、多くの女性たちが言う「挿入が気持ちよくない」というのは、もったいない気がしてならない。ひとつには、やはり心理的な壁を打ち破れないということが原因になっていないだろうか。
「私、セックスに集中できないんです。集中しようと思うんだけど、実際には頭の中で、明日の仕事を考えたり、お腹のぜい肉を引っ込めなきゃと思っていたりするんですよね」
三十代半ばのキャリアウーマンの言葉だ。
心のどこかで、セックスをいけないことだととらえたり、相手に心を開けなかったりすると、なかなか集中はできない。集中するということは、あらゆることがどうでもよくなって、自分の感覚だけが気になること、そして物理的刺激と精神的興奮に身を委ねること。
自分の体も心もすべて、相手に明け渡してしまうくらいの気持ちにならないと、オーガズムは得られない。
風吹あんな
一九九八年生まれ。AV監督。
OL、主婦、ホステス、写真集、グラビアモデルを経て、一九九四年「宇宙企画」よりデビュー後に、己の性癖を追求し自ら進んで「シネマジック」専属ハードSM女優となり、一九九五年「私にビデオを撮らせてよ!」で監督デビュー。現在に至るまで数百本の作品を手掛け、主に「レズビアン物」と「SM物」という、男女のセックスの分野に興味を持ち得意としている。二〇〇一年より女性向けAVレーベルを立ち上げ「男のオナニー物」を手掛ける。
著書に『セックスプレイヤー』がある。
膣と子宮を二つ持つ
バイセクシャルAV監督
あんな❤いちおう男性からフェラチオが上手だと言われるんですよ。ただし、抜かせるフェラチオと勃起させるフェラチオというジャンルがあるらしく、私は勃起させるフェラチオらしいんです。だから、長くフェラチオさせられるんだけど、いっこうに相手がイカないんです。
そうすると、女として自信を無くしていくんですよ。上手だと言ってくれても、社交辞令的なものなのかと思ってしまって。一時間近くやらされて、あごは痛いし、それで嫌いになっちゃって。自信がなくなっちゃってるんですよね。
うさぎ◆それはあるかも。イカせないといけないという先入観があって。
あんな❤自分のフェラチオで相手が思わずイッてしまったら勝ち、っていうのがあるんだけど、それがないんですよ。かといって、男にしてみると、抜かせるフェラチオが出来る子のフェラチオで長く楽しもうとは思わないらしいんですよ。
うさぎ◆どう違うんでしょう?
あんな❤抜かせるのって単純で、ピストンと定期的な動き。気持ちいいのを持続させるというのとは違って。それは男性に言われて、これがそうかというのがわかってきたんだけど。男性に言わせると、その子のフェラチオを長く楽しみたくない時には抜かせるフェラチオにすることもある、その子のセックスがあまりよくないらしく、フェラチオさせて出すだけ、とか。フェラチを長く楽しもうとするのは、相手が好意的であることの証拠だと、のちにわかってきたんですが、以前に仕込まれたものが長すぎて、嫌いになっちゃった。
うさぎ◆それはあるかもしれない。相手がイカないと、自分に不備があったのではないかと思ってしまって。それはフェラチに限らず。
あんな❤私は、セックスで相手が思わずイッてしまったという経験は、ほとんどないんですよ。相手がコントロールが出来る人たちなので、何時間でも一日中でもてきてしまうし、三こすり半で出そうと思えば出せる。それだと、私でなくてもいいんじゃないかってことなるので、女としての自信がなくなっていくんですよ。それでも自信が保てるのは、その人たちが飽きずにやってくれるから。夢ですよね、「きみの体で思わずイッちゃったよ」っていうの。
うさぎ◆そうですよー。
あんな❤でも、そういう男が相手だと、満足いくセックスが貰えなくなっちゃう。それは自分の中の二律背反なんだけど、どこで自分の心に妥協するか。コンプレックスと満足と両方を、上手くバランスを取っていかないと。
向かって左あんな❤右うさぎ◆さん
オーガズムに達している演技をするのは、彼への思いやりかもしれない。だがそうしていることで、自分自身がどんどんオーガズムから離れていってしまうこともある。
相手も、「彼女はすぐにオーガズムに達するんだ」と信じているわけだから、それ以上のテクニックを磨こうとは考えない。ひょっとしたら、女性自身、演技に気を取られて、本当に感じているはずのオーガズムを感じ取られなくなる危険性もある。
演技をつくのがいいとかいけないとかいう以前に、「もっとふたりでセックスを楽しもう」という気持ちをもち、話し合った方がいいのではないだろうか。
アメリカに長く在住する女友だちに言わせると、男女が出会ってセックスする関係になったとき、必ず「どういうセックスをしたいか」と話し合うそうだ。いかにもアメリカ的という感じだし、日本人のメンタリティからいうと、
深い関係になりかけている大事な時期に、セックスについて話すのは難しいかもしれない。だが、付き合っていくうちにき、話し合うチャンスが必ずやってくるはずだ。正直に言うのが遅くなればなるほど、彼は傷つく。
「今までのは、すべて演技だったのか」と感じるから。
「私まだオーガズムを得たことがないの。でも、あなたなら、きっと得られるような気がする。どうしたらいいと思う?」 と。
どうしたら得られるようになるか、彼も一緒に考え、試してくれるはずだ。それができないような相手なら、つきあう意味がない。
オーガズムを得ることに対して、欲張りになることは悪いことじゃない。だからといって、得られないことに負い目やプレッシャーを感じる必要もない。大事なのは、自分の素直な願いや欲求に、自ら気づくことではないだろうか。
男性の中には、オーガズムを得られない女に対して、「意外だ」という反応をする人がいるかもしれない。「自分とのセックスでオーガズムを得られなかった女性は、今までいないのだから、きみがおかしいんだよ」 というようなことを言い出す可能性もある。女性はそれを恐れているんだろう。だが、
「セックスすれば、女性は必ずオーガズムを得られる」 というのは、男が作り上げた神話。女性の体と心は、それほど単純じゃない。
セックスに関しては、男女それぞれ、あるいは、男女ともに思い込みと、いわゆる「神話」に振り回されていることが多い。ふたりで、それを打ち破っていくくらいの気持ちで取り組んでいけたら、きっといい関係が結ばれると思う。
男と女 亀山早苗著引用
男が恐れ、懸念するのは妻が悦楽(オーガズム)を一度でも覚えたらそれが日常の義務となることを大変怖れているのだ。夫は家庭ではリラックスし安息する場所、寝る場所であって家庭生活では必ずしもセックスそのものの内容が主体となるとは考えない夫たちが大多数であると思われる。
一般的に高学歴、高収入、高地位の男たちの多くは、セックスは前戯も含め所要時間は十分前後で、挿入後数分程度であるという結果がすでに調査機関から発表されている。さらに、コンドーム着用すると性的感覚が鈍く、射精も遅くなり気持ちよさが半減することで使用しないというのも特徴的であると言う。
既存の避妊方法ついても、精神的あるいは費用についても大きな負担を強いられている人も多い。そして夫から悦楽(オーガズム)を得られる機会もあまりない。そして、或いは、全く知らないという人も少なからずいるという。男たちの貧しいセックスから女の不感症患者が多くいるという現象をどう受け止めるのか。
オーガズムとは本当はどんな感覚か、どうすれば得られるのか下記、避妊具、温水洗浄器の動作環境を思い描いてみてください。
膣挿入温水洗浄」を使用することで誰かれでも得られ易い。当該避妊具を使い続けることで男女双方の性器へのエクササイズとして特殊効果を発揮する。
つまり、避妊用具を用いて性器へのエクササイズで男性器の逞しさ、持久力を獲得することで女を容易にオーガズムに達しさせられるという。
一方の女性も避妊用具を用いてエクササイズで下腹部(インナーマッスル)を自在に収縮・解放する能力を持つ筋肉を獲得することが可能である。
ある意味で女は男の射精を優位的にコントロールすることもできるということ。あるいは、性的快楽を自在に操れるというのは男の心も、女の心をもコントロールできる可能性を秘めていることなのだ。
そして自らのオーガズムも自在にコントロールできる可能性もある。オーガズムの定義サイトよりご覧ください。
* セックスの頻度や個人差があり数ヶ月、或いは、数年でエクササイズ効果を発揮する場合もある。
用具の太さ、長さが自分たちにあったもの、避妊用途として重視するか確かめて購入してください。
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女は一生涯この性愛の自律性を保つ。クリトリス(*2。第三章)の痙攣は男のオルガスムと同じように、ほとんど機械的に得られる一種の性行為後の勃起消退である。しかし、これは正常な性交とは間接的にしか関係せず、生殖になんの役割も果たさない。
女は膣によって性的関係を結び、妊娠する。膣は男の介入があって初めて性愛の中心になるが、男の介入はいつも一種のレイプである。かつて、女は、本当には形式だけはともかく、略奪によって子どもの世界から引き離され、妻の生活に投げ込まれた。女を少女から妻に変えるのは暴力だ。
だから、少女の処女を「奪う」といい、花を「手折る」[破瓜(はか)]というのである。破瓜は、連載的に発展していって心地よく到達したものではなく、過去との断絶であり、新しい周期の始まりだ。そうなって、快感は膣の内側の表面の収縮により得られる。この収縮が、明確で決定的なオルガスムス(オーガズム「同義語」)に変わるのだろうか。
この点についてはまだ議論されている。解剖学的なデータは非常にあいまいだ。たとえば、キンゼー報告によれば「解剖学と臨床医学は、膣内の大部分に神経が分布していないことを十分に証明している」「膣内の多くの外科手術は麻酔薬の助けを借りずにできる。膣内部の神経は、クリトリス底部に近い内壁の部位に局限されていることが証明された」。だが、
この神経の分部されている部位を刺激するほかに、「とく膣の筋肉が収縮するとき、雌[女]は膣内に客体が侵入してくるに気づく。しかし、こうして得られる満足は、おそらく神経が性的に刺激されたというより筋緊張が関係している」というのだ。とはいえ、
膣の快感が存在することは間違いない。それに膣での自慰行為自体――成年の女においては――キンゼーが言うよりはるかに多いように思われる(*3)。だが、確かなのは膣の反応は非常に複雑な反応で、精神―生理学的反応と言えることだ。なぜなら、それは神経系統全体に関係するだけでなく、主体が生きる状況全体にも関わっているからである。
膣が反応するためには、その個人が心から同意することが要求されるからである。最初の性交で始まる新しい性愛のサイクルが確立するには、まだ輪郭はできていないがクリトリス系統を包み込む形の形成、神経系の一種の「モンタージュ[組み立て]」が必要である。ボーヴォワール著 第三章より引用