社表

 男の子の精通やマスターベーションに関する部分は、お母さんでなく、“男性の出番”ということにして、お父さんか年の若い叔父さんといった人に話してもらう方がよいでしょう。 トップ画像

 超柔らかな避妊用具は膣に挟まる不快感や膣内腔を傷つけることなく精液をブロックし容易に体外へ避妊用具と一緒にほゞ全ての精液を排泄できることで避妊・避妊方法として用いても優れている。性生活には欠かせない避妊・避妊方法です

男・女のマスターベーション大人たちの無理解!

本表紙

男・女のマスターベーション大人たちの無理解!

赤バラ中学生期は、男女とも第二性徴が多くの子どもに現れますが、子どもたちは、それがどういうことであり、これからどうなるかということが、よく分からないから種々の疑問や悩みが出てきます。しかも、それを両親や先生に聞ければよいことですが、前にも述べたように、この時期になるとあまり聞かなくなります。

 いゃ、聞けなくなるという方が正確でしょう。そこで困ったり悩んだりしている様子が見られたときには、こちらから手を差し伸べて話しかけ、適切な指導をする必要があります。
 こうした指導のうと男の子の精通やマスターベーションに関する部分は、お母さんでなく、“男性の出番”ということにして、お父さんか年の若い叔父さんといった人に話してもらう方がよいでしょう。いくら親でも、お母さんはやはり女性ですから、男の子はこういう話をされると照れてしまうものです。

 冒頭の相談例で小学五年生の女の子が、せっかく生えてきた陰毛を恥ずかしいといってむしってしまった話のように、男女とも早い子は、五年生ぐらいから生えてきます。また遅い子ですと十五歳ぐらいでということもあるように、かなり個人差があり、それが子どもにとって悩みの種になるのです。

 早いといって恥ずかしがる子もいれば、遅いといって気をもむ子もいればいろいろです。人間の常として、自分が少数派だと思うと不安や恥ずかしさが出てくるものですから、親の方もそこらを察して話しかけることが大切です。

 早い子には、「そうしたことは、あなたが順調に発育していることだから、ちっとも恥ずかしがる必要はありません。むしろ誇りにしてもよいことで、お母さんもとても嬉しいのです。まだそうなっていないお友達だって、もうすぐあなたのようなりますよ。だから、そんなことでくよくよしないで、身体の発育に負けないように、心の方も立派な大人になれるようにしっかり勉強しましょうね」と、話してあげましょう。
ピンクバラ 自分は遅い方だと心配している子には、「これはホルモンの働きによるものだから、身体が大きいから早い、小さいから遅いしは限らないし、顔形が違うように人それぞれで違うのです。でも、そのうちにみんなと同じようになるのです。貴方が遅いというよりも、友だちの方がちょっぴりホルモンの働きが早くなったというだけだから、心配しなくても良いのです」と、安心させてください。

 くれぐれも「大人と子どものズレ」の項であげた例のように、「生えてきたら恥ずかしがらずに言いなさい。あんたの年頃では生えているのがあたりのまえで、生えてこなかったらかえって心配なんだから」などと、遅い子の不安をかき立てるような言い方はしないでください。

 これは発毛だけでなく、身体の成熟すべて共通することで、常に個人差があること、そしてそれが、子どもにとって悩みの種だということを忘れないでいただきたい。

男の子の悩みの中で、最も大きなものがマスターベーションに関するものです。いや、男の子だけではありません。さきの性器の異常のところで述べたように、女の子にとって大きな悩みの一つですが、子どもたちからの相談を受けていて、つくづく考えさせられてしまうのは、この問題に対する大人たちの無理解さです。

 私たちが若い頃には、マスターベーションは自涜(じとく「自らけがす」)と呼ばれたほどで“ペニスの発育が悪くなる”とか“頭が悪くなる”と脅かされ、テストの成績が悪かったりすると、あれが過ぎたかなと心配したりしたものです。

 これは、わが国だけに限ったことではなく外国でも同様で、アメリカでは“眼が悪くなるから止めろ”と言われてきましたが、これに対し子どもたちは,“見えなくなって困るから、眼鏡をかけるぐらいのところまでやるよ”と言ったという笑い話もあります。こうした大人の脅しは、いずれも科学的な根拠のない誤ったものです。

ピンクバラマスターベーション

「マスターベーションは、生理的にも心理的にも何の害のないものである。もしも害があるとしたら、それは本来少しも悪いことでもないのに悪いと思い込まされ、止めようとするがどうしても止められないために、精神的に悩むことにあるだけだ」ということは、現在欧米の性科学者の間では、ほぼ一致した見解となっています。

 しかし、わが国では残念ながらそうではありません。戦前までの有害説、罪悪説そのままの議論はさすがにその影をひそめていますが、それが完全に消滅したわけではありません。

「マスターベーションは適度なら無害である」という言い方で、「しかし度が過ぎると心身ともに疲労が残るので…・自己放出の回数を一回でも少なくするように努めてください」(『大人への扉を開く』日本性教育研究会=文進堂)」とか高校生の年代では月十回以内ぐらいなら問題がないようです。
 しかし、出来るだけ回数を少なくした方がよいというのは言うまでもありません」(『家庭での性教育』西村文夫、桑原友幸=学事出版)という意見が今でもたくさんあります。

「無害である」と一見ものわかりのよさそうなことを言っておきながら、すぐその後に「しかし、度を越してはいけませんよ」と言うのです。それでは子どもたちは「度を超すことはいけないのだな。それでは適度とはいったいどの程度なのだろう。そして自分は度を越しているのではないだろうか」とまた新しい悩みが出て来てしまうのです。

 現に電話相談でも、「マスターベーションは週何回ぐらいが適当ですか」という質問はとても多いのです。
“月十回以内なら”というのも一体何を基準にして言っているのかわかりません。マスターベーションの回数などは個人差が大きいものですから、一律に何回までが適度で、それ以上は過度だなどと割り切れるものではありません。

 人によって毎日一回が適度のこともあるだろうし、また人によっては週一回でもオーバーだということもあるのです。

 こうした意見を説く人々は、有害説がもはや成り立たないところから、表面的にはそれをひっこめたものの、ホンネの部分ではやはり「あまりよいことでないから、出来ることならさせたくない」と思っているのです。

 そして、そのためには「まず、勉強や運動にエネルギーを傾けることです」ということを強調します。しかし、私自身も中学時代テニス部に所属していて覚えがありますが、スポーツで体はくたくたに疲れ、自分の部屋のある二階まで階段を這うようにして上がったのに、いざ寝ようとして床にはいると妙に頭がさえて寝付けず、そのうちにマスターベーションとなったことがたびたびありました。

 もちろんパタンキューですぐ寝てしまったこともありますから、これは“スポーツさえすれば”ではなく、“スポーツに熱中することで忘れることもある”という程度に考えるべきです。第一マスターベーションを恐れるあまり、毎日、帰宅するとバタンキューでは、読書も勉強もあったものではありません。

 それよりも、お腹がいっぱいになれば、その後にどんなに大好物を並べられても食べる気がしないのと同様に、マスターベーションだって度を越せば、誰でもその欲望はなくなるのですから、何回が適度とか、自分は度を越していないのか、どうしたら忘れられるのかなどと、つまらぬことに神経を使わないことが一番です。

  有名なキンゼイ報告の協力者であり、心理学者、精神科の開業医で結婚カウンセラーも兼ねた性学者であるワーデル・B。ポメロイ博士は、その著『男の子の性』(鎌倉書房)の中で「ペニスを傷つけたり感染を起こしたりしない限り、どんな方法を使ってもかまわないということです。

 どんなに回数を繰り返してもかまいません。医学的にいって、マスターベーションをやりすぎるということはあり得ないということです。“やりすぎ”が本当にどんなことなのか、それは身体が知っています。

 身体が限度を決めてくれます。男の子がマスターベーションの回数を重ねて、それ以上エレック(勃起)させることが出来なければ、それがさしあたっての限度です」と言っていますが、そう考えたらどんなに気持ちが楽になるでしょう。
ピンクバラ わが国でも性教育の先達であり、結婚カウンセリングの奈良林祥博士は、単に無害であるというだけでなく「自慰は男の子が健全かつ健康な人間形成を遂げるためには、欠くことのできない必衰科目なのです」(『現代の性』主婦の友社)とまで言っています。

 奈良林博士はよく「“夢精は自分の意思によらないものだから仕方がないが、自慰は自分の意志で行うものだからいけない”などと言っていると、夢精でしか射精できない、従って性交を行えない人間を作ってしまう」と言われます。そして博士のクリニックに「性交不能ということで診察を求めてくる男性の中には、一流大学を出たエリートたちが少なくない」と言われますが、勉強の妨げになるからと必死になってマスターベーションを自制してきた青少年の悲劇と言うべきでしょう。

 私は常々、生理的に射精が出来ても、女性と性交するための社会的・経済的な諸条件がまだ十分に整っていない中学生や高校生といった人たちには、いやがるガールフレンドに強要したり、性病の危険を冒してまで売春婦に近づいたりするよりも、マスターベーションの方が性欲を鎮めるための賢明な方法だと話しています。

 ここで誤解がないように付け加えますが、私がマスターベーションは無害であり、それについてくよくよ考える必要はないといっても、それは“性欲を鎮めるためのマスターベーション”だということです。

 電話相談で二十歳になる勤労学生から。「毎日自慰をしていたら、この頃では勃起もしないし、射精もしなくなったので心配です」という相談を受けたことがあります。よく話をきいてみると、この青年は職場でも学校でも友だちが一人もなく、全く孤独だというのです。そこから暇さえあれば自室にこもってマスターベーションにふけっているというわけです。

 私は「勃起もしないペニスをひねりまわしたって射精するわけがない。ペニスや睾丸に欠陥があるわけでないから、そんなに心配するよりも、まず一人でよいから友達を作ることを考えるべきだ」ということを中心に答えたわけですが、これはマスターベーションとは別個の問題です。

マスターベーションが悪くてこうなったのではなく、本人のそのような生活環境や性格に問題があるわけで、カウンセリングや精神科医の治療を受けるケースだと思うのです。 

赤バラ・女子のマスターベーション

 女性のマスターベーションについても、私は基本的には男性に対するのと同じように考えていますから、少女たちにも「医学的にも心理的にも何の害はないのだから、したければすればよいし、したくないひとはしなければよい」と言ってきたのですが、わが国では男性のマスターベーションに対するのと違って否定的な人が多いのが実情です。

 そういう人は、「自慰の習慣化は不感症になり、自慰でなければ満足しないようになるからしない方がよい」というのが殆んどです。しかし欧米の医師、心理学者、教育者といった人々の間では、これと全く逆に「女性のマスターベーションはしておいたほうがよい」という見解が一般的になりつつあります。

前に紹介したポメロイ博士は、「マスターベーションによってオーガズムを得ることを学んだ女の子は、その経験のない女の子にくらべて、性交で快感を得やすいものだということが研究によってわかっています。」(現代性教育研究1980年十二月号=小学館)といっています。

 また、アメリカのある雑誌が1978年に五百名の精神科医に対して行ったアンケートでも「女子のマスターベーションは性交でオーガズムに達することを学ぶために役に立つと思いますか」という問いに対して「ノー」と答えたのは十七%で、八一%の医師が「イエス」と答えているのです。(前出の現代性教育研究)

 どうもわが国では、女性のマスターベーションは男性のそれに比べて陽があたらずにいて、「男は良いが女の子がするのは、はしたない」といった空気が大人にも、女の子たちにも強いようで、統計を見ても女性は少ないのです。日本性教育教会が昭和四十九年に行った調査によると、
女医男性は十一歳から十二歳にかけて経験者が増え、十二歳で二八・四%、十五歳で八○・八%、十八歳で九二%、に達しているのに対し、女性は十二歳で七・二%、十五歳で十八・一%、十八歳で二四%、二一歳でやっと三○%となっています。
 しかし、この調査の責任者であった故朝山新一大阪市立大名誉教授は、ご自身が昭和三十五年に調査されたものに比べると「女子の経験者の割合は三、四倍に増加しており、今後次第に増加するだろう」と予測しておられます。

 前にも述べたように、マスターベーションは男の子にとっても、女の子にとっても何の害もないものだと思っています。「したければすればよいし、したくなければしないでよい」ということで「それをすることがよいか悪いか」などと悩むことぐらい無意味なこと思っています。

 そこでお母さん方にお願いしたいのは、わが子がマスターベーションをしていることが分かっても、気がつかないふりをして、そっと見守って頂きたいということでする。

 方法などわざわざ教えなくても、子どもたちはどこをどうすれば快感が得られるかは自分で習得していくものです。
 ただ、これは比較的に年齢が低い子に多いのですが、時と場所をかまわずに、たとえば茶の間のこたつの中でしていた小学六年生の例がありますが、そうした場合には、「そのこと自体は悪いことではないが、ほかの人がいるところですべきでない」ということをきちんと教えなければいけません。
 また、こうしたチャンスがあれば、シーツや下着を汚さないようにすることは最低限の責任であること、汚れた手でさわったり、異物を使わないようにといった指導をしておくとは大切です。
 つつく 男女交際は禁止すべきものではない

copyright©2017 ソフトノーブル通販 all rights reserved.