社表

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子どもの質問に答える時の四原則


赤バラ子どもの質問に答える時の四原則

子どもの質問に答えることが家庭での性教育の主要な部分を占めるのですが、そうして子どもと話し合う際にぜひ配慮して頂きたいことが四つあります。
 ・慌てない
 誰でも予期しないような質問を、しかも予期しないようなときに受けると、ついつい慌てがちになるものです。そうした親の態度は、子どもに「どうしてお母さんはこんなに慌てるんだろう。
 私が聞いたことはそんなにも変なのかしら」といった疑問を持たせてしまいますから、何か聞かれても慌てないようにということを第一に心がけてください。
 ・逃げない
 次は、どんな質問でも逃げないでほしいのです。逃げないということは、
○1ごまかさない、○2出来るだけその場で、○3聞かれた本人が答える、という三つを含みます。

 ○1の「ごまかす」、つまり話をそらせたりすることは、前の“慌てない”のところで述べたのと同じようなことを、子どもに思わせてしまうからです。

 ○2の「出来るだけその場で」といっても、スーパーのレジの前で「お母さん、赤ちゃんは生まれるものとだと思っているけど、こしらえるものなの? どうやってこしらえるの」と大声で聞かれて困ったお母さんがありますが、このような場合は、とてもその場でゆっくりと話しているわけにはいきません。

 これは、その数分前にお母さんが、ご近所の新婚の若い奥さんに出会っての立ち話で「奥さん子どもなんて若いうちにこしらえた方が楽よ」と、先輩としての忠告をしているのを小耳にはさんだ一年生の女の子の実例なのですが、こんな時は「おうちに帰ってから話してあげましょうね」といって待たせることは一向に差支えありません。

 いや、それどころか、何の話をするにも、それにふさわしい時と場所があることを教え、それまで待たせるという大切な躾(しつけ)にもなるのです。
 ただ、私が出来るだけその場でと言うのは、大人はとかく忙しいものですから、悪気ではなくても、つい忘れてしまうことを心配するからです。

 忘れている時に「お母さん、さっきのお話いつしてくれるの」と催促してくれればよいのですが、こんな場合、とかく子どもは「ごまかされた」と思い込んでしまう傾向があるので状況が許せば忘れないためにも、その場でという意味です。

 だから「あとでね」といったら、忘れないように指に輪ゴムでも巻いておくとか、「お母さんが忘れていたら催促してね」とあらかじめ言っておくなどしてください。

 ○3の「聞かれた本人が」ということで、よく見かけるのは質問されたお母さんが返答に困った「そんなことはお父さんに聞きなさ」と質問の矛先をほかの人に向けてしまうことです。これも「なぜお母さんでなくお父さんでなければいけないのか」という疑問を持たせるもとになります。

 男の子の初めての射精についての質問は、お父さんに任せる方がよいのですが、その他のことは原則として、聞かれた本人が答えることにしてください。
 もし、その場で答えが思い浮かばなかったら「お母さんも勉強してみるから明日まで待ってね」といっておいて、その間にお父さんと相談されるのは結構ですが、答えるのはお母さんからしてほしいのです。
ピンクバラ 小学生とくに中学生以下の子どもがどうして私は生まれてきたのと訊(たず)ねられたら、科学むき出しではなく、夢と神秘を混えたメルヘン的な話し方を工夫してほしいということです。ただし、そうは言っても、基本的には性科学的な事実に基づいて話すことは言うまでもありません。言うならば科学をメルヘンのカプセルに入れてということです。

 たとえば、お母さんのお腹の中での赤ちゃんのようすを話す時に、「お母さんのお腹には、子どもの宮殿という赤ちゃんのお部屋があります。そこは赤ちゃんにとっても住みよいところです。どんなに外が寒くても、どんなに暑くても、いつも赤ちゃんにちょうど良いくらいの暖かさです。

 五ヶ月ぐらいになると赤ちゃんは頭が重くなるから頭を下にしているのです」 と言うと、大ていの子どもは「頭が下になったら苦しいでしょう」といいます。そこで福世武次さんが『おかあさんうちゅうせん』(講学館)という絵本の中で書いているように、「それがね、子どもの宮殿の中は、まるで宇宙船のように無重力なんです。

 だから頭が下になっても苦しくないのよ」と説明してやれば、大ていの子は自分が宇宙飛行士になったように思って「もう一度お母さんのおなかに戻ってみたいです」などと感想文に書くのです。小学生もとくに小さい子ほど、こうした配慮がほしものです。

ピンクバラ増大一途の子どもたちへの刺激

 こんにち白昼堂々コンビニ店でビニ本・少女漫画・エロ雑誌に描かれている官能雑誌なるものが大手をふってまかり通っていることは、何とも腑におちぬところです。

 しかも、そうした本では、初体験のティーンエージャーたちが、経験豊かな女性と同様に、初めから性交を楽しみ、オーガズムを味わうような描写が多くなされていますが、これにも問題があるのではないでしょうか。

 アメリカの性道徳や性行動の変化について書かれた『性の実験』(文芸春秋社)の中で、「初期の性交では罪悪感や不安や緊張のために、快楽はそれほど強くない。
 とくに初交体験を快いと感じる男女はきわめて少ない。

 一方で『セックスはすばらしいものだ』という過度の期待が若い人の間に拡がっているだけに、実際にセックスしてみて落胆し失望し、あるいは幻滅感を味わうものも少なくないと言われる。
 これは若い男女にとって決して好ましい体験ではない」と言いますが、私自身は及びこうした問題について話し合った多くの人々の経験からしても、これはわが国の若い人たちについても言えることだと思います。

  早くなった子どもの成熟

 いろいろな性的刺激が氾濫し幼子までが入手しやすい官能雑誌を目の当たりにし、こうした過剰な刺激を受けている子どもたちの成熟が早くなっていることです。

 昭和三十六年の女子の平均初潮は十三歳三ヶ月であったものか平成二十六年になると十一歳ぐらいまで早まっています。
 明治時代は十四歳から十五歳、大正から昭和初期にかけはほぼ十四歳半であったと言われていますから、ずいぶん早くなっているわけです。しかもこうした成熟の傾向は、その後も続いているわけですから、現在ではさらに早くなっていることは十分に予想できます。

 一方、男子の精通(射精)はどうか調べてみましょう。精通は人によって性交、自慰、夢精などいろいろな形をとるので、その初経験年齢を明確に調査するのは初潮に比べると困難なこともあって、資料はあまり多くありません。

 精通を経験した者の割合が五十%を超えたのは昭和二十八年の調査では十四歳七ヶ月であったが、四十九年の調査では十三歳二ヵ月となっていて、ここにも女子の初潮と同様に、今の子どもたちの成熟の早くなっていることが表れています。

 このように成熟が早ければ、それに伴って性についての興味や関心の持ち方も早くなります。ましてや前述のように刺激過多の状況では、それが強く表れるのは当然です。
 しかし大人は、どうも子どもたちが性について興味や関心を持つことを悪いことのように考えたり、わが子だけはそうしたものを持たないでほしいと思ったりするために、子どもたちへの対応を誤ってしまうことが多いのです。
 そうでなくて、それが当然という認識があれば、そこから正しい対応の仕方を考えるという姿勢も出てくると思います。 つづく 性教育は難しくない