月経(初潮)・精通について
質問や目につくような行動がなくても、事前に必ず話しておかなければいけないことは月経のことです。
何も知らない子が突然、月経を迎えた時のショックは、大人の想像できないほど強烈なものです
。そして、それが前にも述べた女性の性意識をマイナスに追い込む大きな理由にもなっていきます。から、その時期が近づいた、一対一でゆっくり話しておきましょう。
・前ぶれ
初潮の前ぶれとして、おり物とか腹痛があげられますが、それもすべての子どもにあるわけではありません。
全くない場合だってあるのです。ひと頃は身長が百四十六cmから百四十八cmになると初潮を迎えると言われましたが、最近では身長よりも体重に関係あり、それが四十二sになると初潮があると言われます。
勿論例外はいつの場合もありますが、とにかく遅すぎるより早い方がよいのですから、こうした身長や体重を一応の目安にして話してください。
・話し方
「あなたは最近、目立って背が高くなったし、体重もふえてきたようね。そのうちに子宮(前に赤ちゃんの話をした時に言った子どもの宮殿)で赤ちゃんの卵が休むための、栄養になる血液を含んだやわらかいベットを作るようになると思います。
でも、あなたはまだ赤ちゃんを産まないから、そのベッドは使わないままで古くなりますね。古くなったベッドは自然にこわれて、身体の外に出て子宮はまた新しいベッドを作ります。
こうして赤ちゃんができるまで、生涯やく四百回もベッドを作ったり、こわしたりするのが女の子の子宮なのです。古いベッドが外へ出るには赤ちゃんの通るミチ、これを“膣”とか“ヴァギナ”と呼ぶのですが、そこを通ります。
このベッドがこわれて外へ出ることを月経(生理)といい、はじめての月経を初潮と呼んでいます。
これは、りっぱに成長した女の子には誰でもあることで、お母さんもお姉さんも、女の先生にも、叔母さんにもみんなあるのです。あなたも、もう大人になるための準備が始まっているので、そのうち初潮があると思いますが、慌てたり心配したりしないでお母さんに話しなさいね。もし学校だったら、担任の先生か養護の先生に話しなさい」
・月経の量
月経の量について心配する子には、「月経の量は、人によってまちまちですが、普通は一〇〇CCから一五〇CCで、血液はそのうちの半分くらいです。しかも、それが一度にどっと出るのではなく、何日もかかって、また一日のうちでも何回に別かれて出てくるのです。
だから一回出る量は小さなスプーン二、三杯といった僅かなものですから、心配しなくてもいいですよ」とはなしましょう。
・初めは不規則
月経の名の通り、大体一か月に一回あるものだということを友だちの会話や雑誌を読んだりすることで知っていますから、初潮からすぐにそういう状態になるものだと思い込み、自分がそうでないといって心配する子どもが多いですから、初めは不規則だということを次のように話しておきましょう。
「大人の生理は大体一か月に一回ぐらいの割合でありますが、初潮から二、三年の間はなかなかきちんとないのが普通です。とくに一、二年の間は、三・四ヵ月に一回というように不規則なこともありますが、心配する必要はありません」
・月経を記録しておく
月経が規則的にあるようになってからも、自分の月経が大体何日目ぐらいにあるかを知っておくことは大切です。そのためには、
初潮のときから、何月何日から何日まであつたかを日記などに記録しておくのは大変良いことです。
・男の子に話すときは
男の子に対しては、質問したり関心を見せた時に、女の子に対するほど詳しくなくても良いのですが話しておきましょう。その時は「女の子はお腹の中で、こんな変化が起きているのだから。生理の時にお腹が痛くなって体育を見学したりすることがあります。
また、ふだんよりも自分をうまく抑えることが出来なくて、少しの事にも腹を立てたり、イロイロするような子もいます。そういう時にあなたはそれをいじめたり、からかったりしないで、優しくいたわってあげましょうね」と付け加えてください。
・精通(初めての射精)
初潮が女の子にとって大人への一歩と言われるのと同様に、男の子の精通もまた大人へのスタートです。というわけは、射精は、後で述べるように四つのケースがありますが、そのいずれの場合にもペニスが勃起し、射精の瞬間は大人同様の快感があるのです。
PTAの講演会などに招かれると、「女親は男の子の生理についてはわからないので、よろしくお願いします」とよく言われますので、ここではまず、男子の第二次性徴のうちのペニスや睾丸の働きと、射精とはどんな仕組みで起こるのかということを説明し、その後に子どもへの話し方を述べることにします。
・ペニス及び睾丸の機能と射精
次の図を見てください。

ペニスの根元にある袋が陰嚢です。この中は二つに分かれていて、それぞれ睾丸(正しくは精巣)という球のようなものが一つずつ入っています。
睾丸は思春期になると精子をつくることは御存知の通りですが、もう一つのテストステロンという男性ホルモンを作ります。
これが血液によって全身へ運ばれて男子の第二次性徴を奨めるのです。睾丸で作られた精子は、副睾丸や輸精管に蓄えられます。そして精嚢や前立腺から出る液とまぜ合わさって精液となり、ペニスの尿道を通って体の外へ出ます。
この精液が体の外に出ることを“射精”と言い、そして初めての射精を精通と呼んでいるのです。一回の射精で出る精液の量は、ふつう三CCから五CCといわれていますが、その中には三億から五億の精子が含まれています
。
射精は、ふつうは十一歳ぐらいから始まりますが、日本人では十五歳で精通を見たという人が最も多くなっています。しかし、これも毎度述べているように個人差があるので、早い人では九歳、遅い人では十八歳になってからということもあります。
・射精の四つのケース
1 性交=これは説明の必要はないでしょう。
2 マスターベーション(自慰オナニー)=これも自分の手やふとん、その他を使ってペニスを刺激して射精するものです。
3 夢精=思春期になると、睾丸は一日に約七千万の精子を作り始め二十四時間フル操業、年中無休で作りつづけます。老齢期にはいると量は多少減ることはあっても、七十歳、八十歳になっても続きます。
だから性交や自慰によって適当に射精していれば別ですが、そうでないと、じきに満タンになってしまいます。そうなると、コップに水を注いでいくのと同じで、ついには溢れざるを得なくなります。
4 遺精=これは夢精とよく似ていて、昼間目を覚ましている時にエロティックな映画、写真、あるいは読み物など見て興奮したりした時などにも起こることがあります。また、極度に緊張した時や恐怖などの強いショックを受けた時などにも起こることがあります。
以上の四つのケースのうち、性交とマスターベーションの二つは自分の意志でペニスを勃起させて行うものですが、夢精と遺精は自分の意志ではどうしようもない、無意識のうちに起こる生理現象です。そのためにパンツやシーツが汚れることがあっても、それは子どもの罪でありませんから、間違っても「いやらしい」とか「大きなくせに」などと叱らないでください。
それでなくても子どもの方では、気にして困っているのです。そかといって反対に、物わかりよくお母さんが「それはこういうわけだから恥ずかしがらなくてもいいのよ」と言うのも考えものです。
お母さんと言えども異性ですから、自分の生理についての話は、男の子にとっては気恥ずかしいものです。もし話をするなら前にも言ったように、男の出番としておいて、お母さんは知らぬふりをしてもらった方が気が楽です。
話し方の例(男の出番)
男の子に精通について話すのは男の出番です。自分の少年時代を思い出して、経験を交えながら話してください。面と向かって話すのが照れくさかったら、風呂の中で背中の流し合いをしながらでもよいし、湯上りなどに父子で畳の上に大の字にひっくり返り、お互い天井を眺めながら次のように話すのもよいでしょう。
「この頃急に背が伸びたなあ、百四十八cmか、体重は? そうか、生まれた時はあんなに小さくて心配したのに早いもんだなあ。君もどんどん大人に近づいているのだね。
ところでお父さんは、女のきょうだいばかりだったから、君ぐらいの時にとても慌てたり心配したことがあるので、君にはそうしたことがないように話しておきたいことがあるのだよ。
それは、君のからだの中で、もうすぐ精子が作れるようになるだろうということだ。精子がどんな役をするかは知っているね。男性が君ぐらいの年頃になると、睾丸で精子を作り始めるのだが、一日に約七千万から八千万もの精子を毎日休まずに作り続け、それを副睾丸や輸精管というところに蓄えるのだよ。
コップに水を注ぐことを考えてごらん。一杯になっても、まだ注いでいったらどうなるかな、そう、溢れてしまうね。それと同じで、毎日休まずに作り続けられた精子はいっぱいになり、しまいには溢れて体の外に出てしまう。それはペニスの中の尿道を通って出るのだが、そのことを射精というのだよ。
なに? おしっこと混じらないのかって? それは大丈夫だ。射精する時はおしっこは出ないようになっているのだよ。
射精にはいくつものケースがあるけれど、君ぐらいの年齢だと夜、寝ている間に、ひとりでに出てしまうのだ。その時は、たいてい女性のヌードのようなエロチックな夢を見ているので、これを夢精というのだが、ペニスから精子のたくさんはいった精液という。白いヌルヌルしたものが出るからパンツが濡れるのだよ。濡れるといっても、寝小便のようにたくさん出るのではないから心配することはない。三CCから五CCぐらいで、お父さんの盃の三分の一ぐらいのものだからね。
しかし、お父さんの場合は、五年生の夏休みまで寝小便をしていたものだから慌てたよ。またオネショが始まったかと思ってね。パンツを自分で洗ったりしたらすぐばれてしまうし、汚れたパンツをはいているのはいやだし、本当に困ってしまったよ。
それでどうしたかって? 仕方ないから、汚れてゴワゴワするのをはいて学校へ行ったよ。帰りに洋服屋で安いのを買ってきてはき替えたんだ。汚れたパンツ? それは、次の朝学校へ行く時に、よそのうちのゴミ箱にすてたよ。
だが半月ぐらいすると、また同じことがあったんだ。いくら安いパンツでも、貴重な小遣いをそんなことばかり使っちゃたまらないからね。学校で友だちに相談したんだよ。うん、中学二年の時だったな。
そしたら、その友達がゲラゲラ笑いながら教えてくれたのだよ。健康に成長している男の子なら誰にもあることだって。そいつは、もう一年の終わりごろからあったんだってね。まったくホッとしたなあ。あの時は。その友達か、もちろんいまでもつき合っているよ。うんあの○○さ。
君にもそのうちにあると思うけど、いま言ったように、病気でも何でないから心配することはないよ。すぐにパンツを取り替えておけばよいし、汚れたものはお母さんに洗ってもらってよいが、恥ずかしからずに自分で洗えよ。全部洗わなくてもいいんだ。
汚れたところだけ水洗いして、後はドライヤーを持っているだろう。あれでブアーッと乾かせばすぐにはけるよ」と、まあ、こんな調子で話してやったら、よりいっそうお父さんへの親近感も増してくるということになります。つづく 受精のしくみ(性交