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仕事と家族のどちらを大事に考えるかという問題でこの夫婦の考えは分かれているのですが、それは、何を優先するかという価値観の違いがその根底にあるからです。
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二人の間を裂く仕事の問題をどうするか?

本表紙
=女と男の人生相談=ダン・カイリー著 =近藤裕=訳

ピンクバラ二人の間を裂く仕事の問題をどうするか? 

 シンディとチャーリーの場合。パートタイマーのシンディは、夫がいつも仕事を家に持って帰るので、自分がないがしろにされていると思っています。
 仕事と家族のどちらを大事に考えるかという問題で、この夫婦の考えは分かれています。何を優先するかという価値観がちがうのです。

「夫のチャーリーはよく働いてくれるので感謝しているんですけれど、少しフェアじゃないと思うの。
 とにかく、いつも仕事を家に持って帰るんですよ。
 私より仕事のほうが大事だと思っているんでしょうね。
 といつても、夫は、そんなことないって言うのにきまっていますけど」

 シンディは夫についてこんなふうに不満を述べ始めました。
 パートタイマーの事務の仕事に出ながら、主婦としての務めを果たしているシンディにとって、夫が仕事の忙しさにかまけて、自分がないがしろにされているのが不満なのです。
 チャーリーはよく働き、よく稼ぐのですが、夫婦生活は二の次となってしまったようです。

 仕事と家族のどちらを大事に考えるかという問題でこの夫婦の考えは分かれているのですが、それは、何を優先するかという価値観の違いがその根底にあるからです。

 たとえば、夫が仕事に心を奪われているのは、主婦としてのシンディの役割を軽視している証拠であると彼女は考えているわけです。
 その一方、チャーリーは、妻が自分の仕事のことをよく理解していないとことを不満に感じているわけです。

 チャーリーはシンディを伴ってカウンセリングのセッションに二回やってきましたが、彼の仕事が二人の関係に悪い影響を与えていると考えていないと主張するのです。

 シンディは、もちろん影響されていると主張します。
 こうしてセッションにおいて、二人は口論を長々とつづけたのです。
 シンディは愛の関係は親しみ合う経験なくしては維持できないと主張します。
 チャーリーは、経済的に安定することが先決だと主張するのです。

 こういった夫婦間の葛藤は決して珍しくありません。
 多くの夫婦が抱えている問題です。
 だからといって、解決しないでほっといていい問題でありません。ところが、チャーリーは、には、問題の認識が欠けているために、妥協できないのです。

ピンクバラ夫が妥協しないとき
 優先順位を判断するエクササィズ

仕事と家族のどちらを夫は大事に考えているかを判断するのに、優先順位のチェックリストを用いるのも一つの手です。
 夫と、この問題で話し合う手がかりにもなります。

 まず、あなた自身がやってみて、その結果を夫に示します。
 その時に、なぜそんなことをやっているのかを説明します。
 おそらく、夫ともやってみる気になると思います。
 夫自身がやるのを拒む場合には、あなたがやって出した結果に対する夫の感想を求めてみたらどうでしょう。

 いずれにせよ。 チェックリストを手がかりにすれば、話し合いがしやすくなると思います。
 事を構えて話し合いを強いた場合にとかく起こりがちな口論の心配もなく落ち着いて話し合えると思います。

 次に示す十の行動は、私が定めた順位に従って配列したものです。これを、あなた自身の優先順位に従って配列し直してください。

 そして、その結果を夫に示し、夫にも、自分の優先順位に基づいて配列し直してもらいます。
 双方がこの十の行動のうち、自分にとって重要でないと思われる項目は除去し、代わりに重要であると思うものを加えていいことにします。

(一) 家の雑用を処理する。
(二) 相手が手伝ってくれた時に、礼を言う。
(三) 興味のある会話を始める。
(四) 自分の気持ちの動き、感じたことを隠さずに相手に告げる。
(五) 双方の仕事(家事も含む)を相互にサポートとし合う
(六) 友だちよりも、妻(夫)との時間を多く持つ。
(七) 相手の性的ニーズに理解をしめす。
(八) 家にきちんと給料を持ってくる。
(九) 子供とのかかわりを大事にする。
(十) 相手の心情面でのニーズに理解を示す。

 さて、シンディはがこのエクササィズの結果をチャーリーにしめしたところ、チャーリーも自分でやってみることにしました。
 その結果、明らかになった二人の相違点についてチャーリーは議論することを望んだのですが、シンディは、「話し合いなら歓迎するけれど、言い争うのは断る」と、はっきり釘を刺したのです。
 それぞれのチェックリストの結果はどうなったでしょうか。シンディは、

「家に給料を持ってくる」−3

「家の雑用を処理する」−6

チャーリーは、
「家に給料をもってくる」−9

「双方の仕事をサポートする」−10
としました。

 シンディは、「口論を中止する」を加え、7にランクし、チャーリーは、「浪費しない」を加え、8にランクしました。

 このチェックリストはスコアを出す必要はなく、ランキングの理由を話し合うことが目的です。

 チャーリーはシンディのリストを見て、家事の手伝いがシンディにとっていかに大事なことかを初めて知ったのです。
 一方、シンディは、浪費をしないことがチャーリーにとって重要な感心事であることを知ったのです。
 思うに、シンディとチャーリーの場合はまだよい方です。
 金儲けに没頭し、家族に対する責任を果たす時間などないと信じ切っている男性は世の中に多くいます。

 リラックスしたり、楽しみに興ずる自由がないと思い込んでいる男性は多いのです。
 そして、仕事一途の日々を送っています。
 このような生活が間違いであるという認識がありませんから、仕事が家族に与えているストレスを軽減する必要を感じないのです。
 その結果、自分の労働の成果である家族の安らぎや温もりを楽しむことをしていないのです。

 一方、多くの妻たちは、このような状況がもたらすストレスに耐えられず不満を口にします。
 こうして、状況はもっと悪くなるというわけです。
 「フェアじゃない」とか、「家に仕事をどうして持ってこなきゃならないの」、「まるで、私を別の世界に追いやっているみたい」などといった不満を述べます。
 しかし、このような不満を言うだけでは、本当の問題を解決する話し合いにはなりません。

 ところで、もっと親しみ合う時間を優先して欲しいと望むシンディと経済的な安定のために仕事を優先するチャーリーとの優先順位の違いがなくなるまでには、何回も話し合い、チェックリストの書き変えの作業がする必要があります。
 ギャップはそのまま放置しておくことはできないのです。
 そのために、チャーリーは努力しなければならないのです。
 チェックリストのエクササィズによって、努力するきっかけが生じたわけです。

チャーリーの努力を次に紹介しましょう。

「願望を明らかにする」

 仕事中心の生活が家族に影響を与えていることを認め、改めようとしない夫への願望を明らかにするアプローチの方法を紹介しよう。
 これは、自分の不満を明確に、相手に真意が分かるような言葉を使って述べるという方法です。

 女性にとって分かり切っていることでも、男性にとって分かりにくいことが多くあるのです。
 何が不満なのかがよく分からないというがよくあるわけです。
 たとえば、「妻の不満をなくすのに、どんなことをすればよいと思っていますか?」と問われて、はっきり答えられる男性はきっと多くないと思います。

 ですから。「フェア」であって欲しいというのはどういうことなのか、「仕事は家に持ってこない」とか、「心を開く」とは具体的にどういうことかをはっきり言い表す必要があるわけです。
 シンディのケースにこのアプローチを用いるとどうなるかを説明してみましょう。

 シンディは、夫に「フェアでない」という不満を述べる代わりに、「週末は、家族と一緒の時間を過ごして欲しい」という希望を伝えます。

 また、「仕事は家に持ってこないで」という言い方の代わりに、「あなたの仕事の悩みを私に聞かせるだけでなく、私の家事の悩みにも耳を傾けて欲しい」と言えばいのです。

 また、「別の世界に住むようなことは止めて」という代わりに、「もう少し私しとかかわって欲しいのよ」などと、具体的に自分の願望を述べる方が、夫によく分かってもらえるわけです。

 同じようにあなたに向かって夫が不満を述べるときに、具体的に、分かりやすく言ってくれるように頼みます。
 また、<積極的傾聴>や<上手な質問>によって、不満の表現の背後に隠されている願望を明らかにすることが必要です。

 相手の不満の言葉を自分の言葉で言い換えてみます。
 たとえば、「私が近所の友達と他人の噂話をしているのを見ると、嫌な気持ちになるというわけですか?」などと、相手が言ったとおり、正しく理解したかどうかを聞き返してみるとよいでしょう。

 ところで、「願望を明らかにする」方法には二つの問題点があります。
 一つは、たとえ、不満を具体的に言い換えたとしても、相手がそれに応じてくれるとは限らないということです。
 そして、そのように相手に拒絶された場合に受ける心の傷は大きいかもしれません。

 もう一つは、自分の願望を具体的に考えた結果、自分のうちに隠されている劣等感と対面させられるかもしれないということです。
 つまり、自分のニーズが満たされるに価しないという思いを抱くことになりかねないといった問題があります。

 このような問題点があっても、他のプロクラム(たとえば、自己受容のプログラム)併用して応用すればよい成果をもたらすことができるでしょう。

ピンクバラ「家事を手伝ってもらうには」

「家事を手伝って欲しい」という不満も、変わることを拒む夫に言い続ける女性が多いようです。
 多くの夫たちは、妻が家事の手助けを必要としていると頭では分かっていても、それは、本来、妻の仕事であると考えて、実際に手伝ったりしません。

 夫たちが、「手伝う」と言いながら、うっかりして、手伝うのを忘れたりするのは、「忘れて、やらない」夫を、あなたが仕方がないと諦めているからでしょう。

 たとえば、あなた自身が外に働きに出かけるために、子供をベビーシッターに預けたりすることに後ろめたさを感じているとすれば、夫に対して自分の願望を(たとえば、家事を手伝って欲しいなど)を主張するのを躊躇する思いがあるかもしれません、夫に手伝った欲しいという願う権利などないと考えてしまうわけです。

 そして、その後ろめたい思いのために、帰宅してから、子供の世話や家事に夢中になってしまいます。
 つまり、夫の手伝いが欲しいと言いながら、自分ですべてをやってしまうわけです。

 ところで、ある研究によると、子供の面倒をよくみる父親は家事もよく手伝うようになるということです。
 このようなリサーチの結果に従うなら、夫に家事を手伝ってもらいたい妻は、まず、子供の世話をする時間を少なくして、代わりに、夫に子供の面倒を見てもらえばよいのではないでしょうか。

 こういう研究があるということを夫に説明してもいいでしょう。
 子供の面倒を見るようになると(たとえば、簡単な食事を作ってあげるとか、子供を迎えに行く、本を読んであげる)その研究で証明されているように、家事を手伝うのは、子供の世話の延長なのだから、家事がそんなにおっくうにならなくなると教えてあげるのです。

 また、家事を父親が手伝う家庭に育った子供は、成人した時に男女の役割分担に関して柔軟な態度を持つようになり、夫婦関係がうまくいくことを示した研究もあります。

 ところで、夫に家事を手伝ってもらいたくても、妻が外に働きに出ることを夫が快く思っていない場合には、夫の協力を得られないということはよくあります。

 家事を手伝わないだけでなく、離婚、子供の非行、男性のインポテンツ、浮気などが近年ふえてきたのは、妻が外に出て働くようになったからだと考えている人もいます。
 しかし、その因果関係を証明することはむずかしいでしょう。
 また、それを証明するデータはありません。

 むしろ、外で働く妻たちが、育児や家事を立派に果たしている例は多いのです。そういう女性を私は多く知っています。逆に、子供に過保護となったり、夫を甘やかしている専業主婦が世の中に多くいます。

 そういう女性が多くの問題を抱えて、私の臨床の場に登場します。
 つまり、外で働く妻と家庭内の問題との直接的な因果関係は、今のところないと考えた方が正しいのです。

 最後に、仕事を持っている妻たちに、家庭の問題を少なくするのに役立つ一つのガイドラインを記しましょう。
 簡単なことです。
 自分の家事のうち、どれか一つを他人に任せればよいのです。
 たとえば、洗濯物の一部を洗濯屋に持っていけば自分でやらなくてすみます。

 すべての食事のクッキングを自分でやらないで、時には夫や、上の子供に代わってもらうとか、必要なら、手伝いを頼むこともできるわけです。
 つづく 性生活の悩みをどうするか?

煌きを失った夫婦生活・性生活は倦怠感・性の不一致となる人が多い、新たな刺激・心地よさを付与し。避妊方法とし用いても優れた特許取得ソフトノーブルは夫婦生活での性の不一致を改善し、セックスレス及びセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。