リズ・ブルボー 著 浅岡夢二 訳
〈不正〉による傷
傷の目覚め:四歳から六歳にかけて、同性の親との関係で、同性の親の冷たさに苦しむ。この親に対して、自分を表現できず、また、自分自身でいることができない。感覚から自分を切り離した上で、常に完全であろうとする。個性を表現することを自分に禁じている。
仮面:〈頑固な人〉冷たさ
態度や振る舞い:
・〈頑固な人〉は、たとえ疲れている時でも、活力にあふれているように見せる。
・問題を抱えている場合、何かに困っている場合でも、そのことを認めない。たとえ認めた場合でも、それは大したことではないと言う。一人で解決できる、あるいはすでに一人で解決した、と言うのである。
・自分が、いつも積極的、肯定的であると、まわりの人たちに思わせようとする。
肉体的な特徴
・均整がとれており、まさに完ぺきといって良い。
・まつすぐな姿勢。
・肩が角張っている。
・首、背中、足など、からだの各部がこわばっている。
・体の動きがギスギスしている。
・注意深く外見を整えており、誘惑的である。
・腰のあたりを、衣服あるいはベルトで締めている。
・顎が細い。
・おなかが平らで、さらにそれを引っ込めようとする。
・尻は丸い。
・顔色は明るく、輝かしい。
・まなざしは、キラキラ、いきいきとしており、まっすぐである。
・声は、乾いており、喋り方が早い。
〈不正による傷〉を持っている人のからだ(〈頑固な人〉の仮面)
傷が活性化することによる痛み
以上、それぞれの仮面に特有な態度と振る舞いをあげておきましたが、それらは、傷が活性化されて、あなたが仮面をつけようと思ったときから顕在化します。
では、どうして仮面をつけるのでしょうか? それは、仮面をつけることによって、活性化された傷が引き起こす痛みを感じないですむ、とエゴが私たちに思い込ませているからなのです。さらに、私たちが仮面をつければ、ほかの人たちは、私たちの傷を見ないだろうと思い込んでいるからです。
それは、私たちが、からだの傷の上に、ただ絆創膏を貼ったり、痛み止めを飲んだりすることにたとえられるでしょう。そうすることによって、私たちは「痛みがない」ことにするのです。
肉体的な痛みは、精神的な痛みの反映です。ということは肉体的な痛みがあるために、私たちは、痛みの本当の原因に注意を傾けることができるのです。
本書を読むことによって、あなたは、自分自身で痛みを止めることができるようになるでしょう。
ただし、本書を単に読むだけでは、そういうふうにはなりません。あなたは、本書の中で提示されているさまざまな手法を、実生活に応用しなければならないのです。
そうすれば、あなたは、他者の助けを借りずとも、自分自身で、痛みを少しずつ軽減することができるでしょう。
魂の傷を癒すことは、からだの傷を癒すことに、よく似ています。たとえば、からだの不調が発するメッセージを容易に受け止められる人は、それまでにも、いくつかの学びの段階を経ているはずです。
最初の頃は、無意識な生き方をしており、したがって、全面的に、お医者さんやセラピストなどに頼っていたはずです。それから徐々に、肉体的な痛みを越えたメッセージがあることに気づくようになり、そのメッセージを解読しようとし始めます。そして、より早くそのメッセージが読み取れるようになり、外部の助けが不要となっていくのです。
では、魂の傷は、どのようにして活性化されるのでしょうか?
前出の〈人生の三角形〉によって示されるように、それは三通りあります。以下にそれをあげてみましょう。
○1他者の、あなたに対する態度や振る舞いによって引き起こされる。
○2あなたの言動によって他者を傷つけたのではないか、他者の傷を活性化させたのではないかと不安になって、罪悪感をいだいたときに引き起こされる。
○3自分自身に対して思ったこと、したことによって苦しみときに引き起こされる。
毎日、状況に応じて、また接する人たちに応じて、私たちの傷のどれかが痛みます。
私が観察した結果によると、一般的に、職場においては、〈拒絶〉と〈不正〉によって苦しみ、個人的な生活においては、〈見捨て〉と〈裏切り〉によって苦しむようです。
〈侮辱〉で苦しむのは、ほとんど自分自身との関係においてです。〈侮辱〉に関しては、のちほど詳しく論じましょう。
*本章を読んだ後で、実生活に適用したいと思ったことを書いてください。
つづく
第二章 魂の傷をめぐるQ&A