傷が活性化されているかを正確に知ることが出来れば、その苦しみに、より速く対応することができるでしょう。とはいえ、それを知るのは必ずしも簡単ではありません。というのも、そのためには多くの実践が必要であり、単なる知識だけでは熟練者になれないからです。トップ画像

第八章 どの傷が活性化した

本表紙
リズ・ブルボー 著 浅岡夢二 訳

ピンクバラ第八章 どの傷が活性化したのかを知る方法は?

この章のタイトルは、魂の傷に興味を持っている人たちから、しばしば受ける質問でもあるのです。たしかに、苦しみを感じている時、どの傷が活性化されているかを正確に知ることが出来れば、その苦しみに、より速く対応することができるでしょう。とはいえ、それを知るのは必ずしも簡単ではありません。というのも、そのためには多くの実践が必要であり、単なる知識だけでは熟練者になれないからです。ある知識、または技術は、それを何度も繰り返し実習してこそ、本当に自分のものとなるのです。

 たとえば、あなたが「チャ、チャ、チャ」と踊れるとしたら、それは、あなたが基本のステップについての知識を持っているからだけではないでしょう。あなたは、何度も練習した結果、それについてあれ、これ考えなくても、自然に踊れるようになっているはずです。その音楽を聞けば、あなたが足に動くように命じなくても、おのずとあなたの足が動くでしょう。

 傷についてもまったく同じことが言えます。技術を適用できるように、繰り返し実践する必要があるのです。以下に示す段階を踏めば、あなたは、みずからいくつかの質問をすることによって、問題の核心に迫ることができるでしょう。

第一段階:エゴを認める

第三章で学んだことに基づけば、あなたは、エゴが優勢になった時、すぐそのことに気づけるでしょう。とまり、あなたが、誰かを裁き、非難するとき、あるいは、何らかの不快――恐れ、不安、心配、罪悪感、懸念、逡巡、疑い、怒りなど――を感じて、過去や未来に思いを馳せるとき、必ずエゴがあなたを支配しているのです。

 では、ここで例をあげてみましょう。このンを書いている最中に、私の家で、いくつかの工事をする必要がありました。その工事の計画を立てるとき、私は、それらが終わったら、我が家がどれほど美しく、快適で、住やすくなるかを考えていたとしましょう。この場合、私は自分自身であって、自分のニーズをきちんと聞いています。私は、未来に関して計画を立てていますが、不快感がいっさいないので、エゴが口出しをしていないことが分かります。

 ところが、私が工事をするのは、他人の目を気にしてのことであり、工事が終わったら、きっとたくさんの賞賛がもらえるだろう、と考えていたとしたら、私は〈承認〉を求めている、つまりエゴに支配されている、ということになるのです。エゴは、家、財産、お金、知識――つまり、私たちが所有できるもの――を自分だと見なしています。エゴが、これらのものと自己同一化すればするほど、それらを失うことが怖くなるでしょう。

 工事のあいだ、私は、お金が足りなくなるのではないか、職人たちが手抜き工事をされるのではないか、と思ったり、あるいは、自分の決めたことはまずかったのではないか、と疑ったりするかもしれません。そうすれば、不快感が募るばかりでしょう。つまり、私はエゴに支配されているということなのです。エゴが優勢になっているかどうか分からない場合には、次のように自問してみましょう。
 「この状況で、私は、安らぎを感じており、幸せで、満足しているだろうか? あるいは、何らかの不快感を感じているのだろうか?」

 ここで注意すべきことを一つ、言っておきましょう。それは、エゴの活動と精神の活動は違う、ということです。たとえば、あなたがたくさんの計画を立てなければならず、あれこれ多くの事を考えなければいけないとしましょう。すると、ある時には、自分には荷が重すぎるので、少し休みたいと思うかもしれません。その際に、不安も不快も感じていないとすれば、それは、ただの事実の認定であり、エゴは関わっていません。ですから、そのような状況においては、精神に負担をかけないような、何らかの楽しい活動をすればいいと思います。私の場合でしたら、新しい料理を瞑想することによって、心を落ち着かせてもよいでしょう。

第二段階:自分の感情に気づく

次のように自問してみましょう。

・この状況で、私は何を感じているだろうか?

・この感情は、からだのどこに感じられるのだろうか?

・私は何を恐れているのだろうか?  

不快の正体を特定できれば、あなたはその不快を癒すことができません。
 
ほとんどの人たちが、右の質問に答えられないことを、これまでの経験を通して、私はよく知っています。自分の中で何が起こっているかを正確に感じられる人は、本当に少ないのです。したがって、ほとんどの親は、そうした能力を自分の子どもたちに伝えることはできません。そもそも、どうすればそうできるかを、自分たち自身が知らないからですから。

 では、次ページに、ETC提供のワークショップ「本当の気持ちを発見する」で使われているリスト(不快な感覚のリスト)をあげておきましょう。これを使って、あなたがどのように感じているかを発見してください。

 ある苦しい状況で、あなたがどんな感情をもっているかを発見した時、このリストをゆっくりと読んでいってください。感情を深く感じれば感じるほど、あなたは自分の中に深く入っていけます。そして、癒しの可能性を高めていけるのです。このエクササイズを繰り返し実践することによって、やがて、リストを読まなくても、素早く答えを得ることが出来るようになるでしょう。

不快な感覚のリスト

唖然とした。頭の鈍い。圧倒された。哀れな。安全でない。怒り狂った。痛めつけられた。いらいらした。疑い深い。打ちひしがれた。うんざりした。侵された。怒りっぽい。恐れた。落ち込んだ。落ち着きがない。おどおどした。驚いた。おびえた。お人よしな。重い。思い違いをした。愚かな。加減が悪い。がっかりした。悲しい。悲しんでいる。気がかりな。傷ついた。傷つきやすい。期待が外れた。汚い。気詰まりな。切り離された。気を悪くした。緊張した。くたくたになった。くたびれた。苦悩した。ぐらつかされた。苦しんだ。痙攣した。激怒した。興奮した。興奮して苛立った。傲慢な。酷使された。孤独な。困った。怖がっている。壊れやすい。混乱した。困惑した。晒された。士気をくじかれた。嫉妬深い。

失望した。従属した。消耗した。ショックを受けた。神経質な。心配そうな。心配な。衰弱しきった。絶望した。総毛立った。退屈した。高ぶった。たじろいだ。断ち切られた。だめになった。短気な。力が及ばない。調子が狂った。疲れた。疲れ果てた。使われた。罪がある。冷たい。転勤した。動揺した。当惑した。毒気を抜かれた。とげとげしくなった。閉ざされた。閉じこもった。囚われた。取り乱した。煮え切らない。ねたんでいる。能力を欠いた。敗北した。恥じ入った。パニックに堕ちいった。反発した。煩悶した。悲観的な。引き裂かれた。びくびくした。否定的な。疲弊した。無愛想な、不安定な。不安になった。不機嫌になった。不幸な。不公平な。ふさぎ込んだ。不満な。不愉快な。憤慨した。茫然自失の。飽和した。まごついた。麻痺した。みじめな、無価値な。無気力。無口な。むっとした。無の。無力な。面食らった。もろい。憂鬱な。優柔不断な。揺さぶられた。よそよそしい。欲求不満の。弱い。弱まった。落胆した。慄然とした。



 次ページにあげるのは、相手に対する反応の後に出てくる気持ちであり、その背後には、もっと深い感情が隠されていることがあります。
 こうした感情を特定することによって、あなたが、自分に関して何を恐れているのかが簡単に分かるでしょう。

私たちは、他人に関して恐れを持つのではありません。
 他人に起こることを恐れていると考えますが、実際には、それが私たち自身に与える影響を恐れているのです。

 恐れは〈エゴ〉に属しており、〈本当の自分〉に属しているのではない、ということを知って下さい。ただし、現在直面している危険に対処するための現実的な恐れは別です。もし、自分が何を恐れているか分からない場合は、それを無理に見つけようとしないでください。そのことを、〈手放す〉と言います。ただし、次のように、繰り返し質問してもいいでしょう。「この状況において、私は自分に関して何を恐れているんだろうか?」

 もし答えが直ちにかえって来ない場合、あなたはまだ、それを受け取る準備ができていないのです。したがって、そういう時は、無理しない方がいいでしょう。
 むしろ。あなたの〈内なる神〉に助けてくれるように頼んでください。そうすれば、翌日、または何日かしてから、ごく自然に答えが思い浮かぶでしょう。

 しばしば、その答えは、次のような疑問として思い浮かびます。「私が○○を恐れいるのは、本当の事だろうか?」そして、そう、まさしくそれが答えなのです。
 

相手に対する反応のあとに出てくる気持ち

あざけられた。あやつられた。威圧された。息が詰まった。いらだった。裏切られた。追い出された。追い詰められた。脅かされた。おとしめられた。格下げされた。価格を下げられた。傷つけられた。気分を害された。拒絶された。嫌われた。軽蔑された。攻撃された。告発された。裁かれた。しつこく悩まされた。叱責された。支配された。侵入された。捨てられた。責められた。騙された。付け込まれた。つぶされた。なおざりにされた。盗まれた。離された。撥ねつけられた。否定された。侮辱された。暴行された。見捨てられた。むごく扱われた。無視された。汚された。理解されない。利用された。罠にはめられた。笑いものにされた

第三段階:裁き、非難、反応の相手を確かめる

ここでは、次のように自問してみてください。

・この状況で、私は、誰を裁いているのだろうか?
 あるいは、誰を非難しているのだろうか?

 恐れを感じたために自分を裁いているとしたら、〈拒絶による傷〉あるいは、〈見捨てによる傷〉が活性化しているのです。屈辱感を感じたために自分を裁いているとしたら、〈侮辱による傷〉が疼いています。

 怒りを感じたために、自分とは性の異なる相手を非難しているとしたら、〈裏切りによる傷〉が活性化しており、あなたは〈操作する人〉の仮面をつけています。その怒り、または反抗は、表現されるかもしれないし、あるいは、抑え込まれるかもしれません。とはいえ、たとえ抑え込まれたり、復讐の計画を立てるだけだったり、後で相手に立ち向かおうと思ったりしても、苦しみがそれだけ小さいといわけではありません。苦しみは大きいのです・内側に感情を抑え込めば、苦しみはますます大きくなるでしょう。

 怒りを感じて、自分自身、あるいは自分と同性の相手を非難した場合、〈不正による傷〉が活性化しており、あなたは〈頑固な人の仮面〉をつけています。あなたの自己正当化の気持ち、あるいは、相手を非難している気持ちは、その場で直ちに表現されるか、または、心の中に抑え込まれるでしょう。しかし、抑え込まれた場合でも、怒りは、あなたの動作や視線、声の調子などから容易に感じ取ることが出来ます。

 このように、裁きや非難が誰に向けられているかが分かれば、あなたのどの傷が活性化されているかが分かるのです。次に、その傷から自分を守るために、どのように振る舞っているかが自覚できれば、自分がどの仮面をつけているかが分かるでしょう。

 ここで、先ほどあげた感情のリストを何度か読み返し、次に、本書の第一章(アドレス)で説明された態度や振る舞いを何度か読み返してください。さらに、第五章(アドレス)、六章、七章を繰り返して読み返せば、あなたの理解は一段と深まるでしょう。一度通読しただけで理解することは困難なので、そのように何何度でも読み返すことを勧めます。
 つづく 〈裁き〉と〈傷〉を混同しない 

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