男は自分が男であることに疑問をもたないのに、女は自分が女だということを問い続ける」といったその理論は、やはり「女性を男性に比べて劣ったものと見なしている」と一時期は批判されました。ハッピー嬢煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。

彼がいるのに満たされない

本表紙 香山リカ=著=

ピンクバラ彼がいるのに満たされない

「女の問い、それは『女であると何だ』である」と言ったのは、その著作が難解なことで知られるフランスの精神分析家ジャック・ラカンです。
 ラカンは“男性中心主義”と女性運動家たちから激しく批判された精神分析哲学者フロイトの忠実な後継者、とも言われる分析家で、
「男は自分が男であることに疑問をもたないのに、女は自分が女だということを問い続ける」といったその理論は、やはり「女性を男性に比べて劣ったものと見なしている」と一時期は批判されました。

 ここでラカンの考え方に詳しく立ち入るつもりはないのですが、ただ、それが社会学的な原因なのかそれとも生物学的な原因なのかは別として、次のような傾向があることは確かだとおもうのです。
 一般に女性は自分一人で自分の価値を確信することができず、いつも「だれかに選ばれていること」を通して「私はこれでいいんだ」と自己肯定している、しかもいったんそうできてもすぐにまた「捨てられたらどうしょう」「この人でもいいんだろうか」と迷い始める…。

 つまり、少し難しい言い方をすれば、女性は“他者(恋人)の視線”を受ける中でしか自分でいられない、ということになるかもしれません。

 このことは、知人の美容外科医と話したときにも強く感じました。現代の女性の「美しくなりたい」という願いは凄(すさ)まじく、彼の病院にも連日、大勢の女性たちが訪れるそうです。
その中には、すでに夫や子どもがいる女性が少なくない。

 彼女たちは“モテたい”といった目的はなく、ただ自分のために美しくなりたいと訴える。「たとえ無人島で暮らすことになっても、彼女たちはもっと美しくなりたいと思うでしょう。女性の美への憧れはそれほど純粋なんですよ」と彼は言っていました。
 
しかし、私はこのエピソードから逆に、結婚していても無人島に住んでも、女性たちは“他者の視線”をどこかで感じたり、これから現れるかもしれない“究極の恋人の視線”を想像して美容整形を受けるのではないか、と思ったのです。

これに比べれば、若いときは目の前の女性たちに「ちょっとモテたいから」という理由で眉を整えたり髪を染めたりし、結婚した途端に気が緩んで太ってしまう男性たちのほうが、ずっと素朴で無邪気だと言えるかもしれません。

このように、女性にとって「恋愛している」「恋人がいる」ということは、単に「きびしさがまぎれる」「ふれあいで癒される」といった現実的なメリット以上の深い意味を持ってしまうことが多い。
 だからこそ、一つの恋が終わり次の恋が見つかるまでのあいだ、やたらに不安で落ち着かなくなってしまう人もいるのです。

では、「恋をしていれば安心」というタイプの人は、合コンやネットの出会い系サイトを使ってでも、とにかく相手を見つけていれば平安なのでしょうか。
 しかし、ひとつ落とし穴があるのです。それは、どうも恋愛だけでは人は完全には自己確認、自己肯定ができない、ということです。

クリニックには、「恋人はいるんだけど、でも‥‥」「夫にはある程度、満足しているのですが、とはいえ・・‥」と迷いや不安を抱えた女性たちが、大勢訪れます。
 彼女たちが口をそろえて語るのは、「今の彼と知り合ったときは夢中になって、すべての心配から解放されたような自信がわいていたのです」といった話です。

愛情は決して冷めたわけではない。それなのに、「恋人がいる夫がいる」というただそれだけでは、完璧な充足感は決して訪れない。

「昔の女性たちは家族に仕える人生に満足していたのでは?」と言う人もいますが、私はそうは思いません。

 ただ、「女性はそういうものだ」という外からの圧力があまりに強かったため、「この生き方に疑問を持ってはいけないんだ」と女性たちに自分に言い聞かせてきただけだったのではないでしょうか。

 恋愛していないと不安。でも、恋愛だけではやっぱり不安。恋愛は。残念ながらすべてを永遠に解決してくれる万能薬ではないようです。
つづく 第三章 それほど好きでもないのに「彼次第」
 一日120通のメール