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さげまん悪女はさっさと損切りすべし

本表紙

ピンクバラさげまん悪女はさっさと損切りすべし

世に運の悪い男はいるもので、私の昔の知人に、夏休みに会社の保養所へ遊びに行き地方の夜の無聊(ぶりょう)を解消しょうと人から誘われるままにストリップを見にいった男がいます。
酒も手伝って、踊り子にステージに上げられるなど、日ごろまじめな彼もその夜は大いに羽目をはずした。

 二、三日して、彼の目におおぶりのイチゴみたいに腫れ上がった。あわてて医者にかけこむと、なんと目に淋病の菌が入っていたといいます。謹厳実直な人がたった一度の遊びで性病を移される一方、遊び慣れしている人に限ってその心配がない。こういうこともよくあることです。

 まあ、免疫のあるなしもあるでしょうが、「めったにないことは、たまにやると命中する」――いいにつけ、悪いにつけ、運にはどうもこうしたマーフィーの法則めいたルールが働いているようです。

 性病くらいなら医者にいけば治りますが、なかには男の人生を台無しにしかねない、その運気に決定的な影響を与える女性もいるので要注意です。

 たとえば、つきあいはじめたら、とたんに仕事がうまくいかなくなった。気づかぬうちに生活レベルが下がってきた、そんな女です。金遣いが荒く、セックスにも淫乱なくらい貪欲である。こうした女性はいうまでもなく男の心身、サイフ、生活を疲弊させます。

 つきあって、すぐ女が妊娠した。こういうケースも、その先に待っているのは運気の谷底であることが多い。前途は決して明るいものではないでしょう。

 男の人生をぶちこわしかねない究極のさげまんをつかまないよう、男は十二分に注意しなければなりません。もっともわずかなりとも女を見る目が備わっていれば、こうした凶運の女に捕まる心配もまずないのですが。

 ●美人である
 
●やけに愛想がいい
 ●すぐにさせてくれた
 ●最初におごってくれた
 ●部屋に招待された

 こういう女には深入りするなという桜井流の戦陣五訓(?)です。このどれかに該当する女性と知り合った場合、まず私は浮かれたくなる気持ちを押さえて、そのさげまん度を最初に疑うことにしているのです。

 男にとって好都合なことばかりです。だからこそ「ありがたい」と思う前に、「おかしいぞ」と立ち止まらなくてはいけない。きれいなバラに刺があり、うまい話にはかならず裏があるからです。しかしそうとわかっていながら、おのれの助平心につい負けてしまうのも男というものです。

 もしこういう女性に深入りして、悪運の泥沼に入り込んでしまったら、男は全財産を投げ出してでもきっぱり手を切る覚悟をつける必要があります。

 株と同じく損を覚悟できっぱり手放す。この損切りのいさぎよさがないと、さげまん悪女の衰運の沼は底なしで、ズルズルとどこまでも男の運を悪化させていくからです。

 そして今度は地味な小型株を買いなおせばいい。つまりさほど美人でもなく、愛想と融通にも欠けるが、身持ちの固い堅実な「小型あげまん」を探して、その女性と人生をやり直せばいいのです。

先に述べたように人の運気の量は一定している。だからはじめ悪ければ、あとでよくなるのが運命の法則です。

 男女の関係運も例外ではありません。さげまんを損切りしたあとは、その教訓からあげまんを買い戻せる確率がきわめて高くなるものです。

男と女のウソのつき方、つかれ方

ウソ対応の上手な女はあげまん素質十分
 まず、この項では日常生活の潤滑油ともいうべきウソの効用、男と女のウソの違いをクローズアップしてみましょう。

 ウソをつくには賢明でなければならないといった人がいますが。ウソのつける女性は一面、聡明でとっさの機転もきく頭脳の持ち主であることを示しています。

 知識や情報の引き出しも豊富でないとウソはつけない。上手なウソのつける女性は、それだけであげまん資質を備えているといえます。

 また男のウソを許せる女はさらにあげまん度が高い、ウソに対する反応は、一に怒り、二に受容、三に許容といわれていますが、利口な女はこの三つを時と場合におじて使い分けることができる。

「ウソ対応のうまい女はあげまん素質」

 亭主の朝帰りのいいわけに仕事で徹夜したと言い張ったとします。明らかにウソで、どうも女といっしょだった気配がする。こういうときでも、怒りを前面に押し立て、いきなり根掘り葉掘り問いただしたら事態はこじれるばかりです。

いったんはたいへんだったわねとねぎらっておいて、日を置いてから、あの日はなんで遅くなったんでしたっけ、と、なにげなく聞きてみる。

 これで男はドキリとうろたえて、次の瞬間には、「受容されたらしいが、許容されたわけではない」ことを痛いほど悟るものなのです。その場で怒りを示されるよりはるかに効き目は絶大です。
 男のウソに怒り、受容、許容を巧みに使い分けながら対応できる、いわば「ウソ対応のうまい女」はあげまん素質十分なのです。

 正直は一級の美徳ですが、自分の心をあまり正直に出すのは、とかくトラブルのもとです。自分の心を隠せない人は成功から遠いと古人もいっています。

 といって、私はべつにウソや秘密主義を進めているのではありません。レストランでまずい料理を出されたとき、そのとおりまずそうな顔をしていてもいいことは一つもありません。まずければ、さりげなく残してだまって帰り、二度と
行かないのが洗練されたウソともいえます。

 このようにウソと知りつつ、男は女のウソにだまされてやる、女は男のウソを許してやる。こういう余裕も男女の仲には必要であり、それが互いの関係をさらに深め、洗練させていくのだと思います。
 つづく 男を上手に袖にする巧妙な女のウソ