家庭内にあげまん空気をかもし出す
環境適応型あげまんについて述べましたが、多くの場合、人は新しい環境や状況に適応できないのでなく、適応しようとしてないだけです。
適応条件にしても、汗腺の数のように先天的に決まっているものと、性格や生き方のように後天的に変えられる部分がある。
【広告】 男と女というのは、実は結婚した時から飽きる方向にしか向かって行かない。いくら好きだからと言って、年中すき焼き食わされたら、誰だって飽きます。夫婦関係を永遠に繋ぎとめておくために、多種多様な戦術を利用する。そうした戦術の大きな基盤の一つとなるのは、配偶者がもともとどんな欲求を抱いていたかという点だろう。配偶者の欲求を満たす、そして例えば愛情とセックスによって繋ぎとめられるのが理想だが、大概の男女はオーガィズムの奥義をほとんど知っていないという実情がある。
オーガィズム定義サイトから知ることができる。
したがって本人の努力しだいで、いくらでも不適応を適応型に変えていくか、それが無理なら適応の擬態だけでも見せることです。
擬態、とまり「そのふり」(フェイク)をすることです。カメレオンが保護色をまとうように、周囲の条件や状況に合わせる努力やそのふりだけでもしてみるのです。つまりフェイク女こそあげまんなのです。
亭主の稼ぎでは狭いマンションにしか住めない。自分に買い替えの資金があるわけでもない。だとしたら当分、狭いながらも楽しい我が家――という方向に発想を変え、明るく暮らすことを心がけるのが最良策なのです。
また、こういう擬態や演出のできる女性はあげまんになれるし、やがて、その不本意な環境を本意なものに変えていけるはずです。
そこでここでは、環境適応型のあげまんになれるために何に注意して、どんな努力をし、どういう心がけや演出が必要なのか。それについて考えてみましょう。
@「あげまん空気」に敏感になる
よその家に通されたとき、家庭内の空気が冷んやり感じられる、湿っぽい、よどんで重苦しい感じがする、なんだかカビ臭い。こういう第一印象にはずれはないものです。
それはその家の家族の親密さや夫婦仲を正確に反映している。家の中の空気がカラッと乾いている、爽快感が感じられる、こんな家の夫婦はうまくいっているし、奥さんもあげまんである可能性が大です。
においも同様です。亭主のタバコや夕べの焼き魚のにおい、生ゴミのにおいがうっすら漂っているような家は奥さんの五感が鈍い証拠。
逆に、泊めてもらった布団が日なたのにおいに包まれていたり、洗面室が石鹸の清潔な香りに満ちているような家は、それがそのまま奥さんの性格や気働きをあらわしているといっていい。
したがって、まず家の中の空気が静澄に保つことが大切になってきますが、このあげまん空気演出法は意外に簡単で、雨戸をはじめ、家中の戸やドアをこまめに開けて、風通しをよくすることを心がけるだけで断然効果が違ってきます。たかが空気と侮るなかれ。
空気はそのものの本質と全貌(ぜんぼう)を瞬時に、直感的につたえてしまうこわいものなのです。
亭主を蘇生させるこの愛情表現
環境適応型のあげまんの愛情表現には、次のような生活の知恵が必要です。
A「削るだけでなく広げる」ことを考える
給与の一部カットで家計が苦しい。だから亭主の小遣いを削る、夕食のおかずを一品リストラする。それだけならだれでもできます。しかし一品削ったら、別の一品を付け加える工夫が必要です。
出来合いの手羽先を買うのを辞めたら、自分でほうれん草のおひたしをつくってみる。一つ減らしたら、別の一つを加える。それができる女性はあげまん条件を満たしています。
もう読まなくなった本を古本屋に売る、着なくなった洋服をフリーマーケットに出す。そういう小さな工夫の積み重ねで亭主の小遣いの不足分くらいは補てんできるかもしれません。そうやって縮小の時代にも「広げる」ことを生活のなかに取り入れていくべきです。
B「愛情は細かさよりおおらかさ」でいく
亭主が風呂からあがると、着替えがきちんと着る順番でそろえてある。出かけるときは定期券からハンカチまで疎漏(そろう)なく渡してくれる。万事そつなく、ムダなく、かわゆいところに手が届くこまやかな愛情はあげまんの必要条件ですが、それも毎日だと、男は少々疲れるものです。
帰宅が三十分遅れただけでどうしたのかしらと心配する、そんな気遣いもありがたいには違いないが、監視されているようでどこか息苦しい。こうした日常の小さな疲れが堆積すると、男にとってはかなり重い人生の”おもり”ともなりがちです。
ですから、ときには亭主を放っておいてやることも必要です。細かい気づかいから亭主を解放してやる。愛情の網目をときに天網のように疎にして、おおらかに接してやる。これで亭主は息を吹き返します。
これでよくあるのが亭主の部屋の掃除の問題です。奥さんは掃除の一環で、散らかっている旦那の書斎もきれいにしてしまう。しかし男というのは基本的に散らかしたがり屋です。一つには、自分個人の所有物があちこちに散乱していることによって安心感、親密感がわき、”マイルーム”感覚がいっそう募るからです。
また、外目には散らかっているように見えても、本人はどこに何があるかだいたい把握できています。だからけっして無精だけで散らかしているのではない。
そこを「汚いわねえ、もう。足の踏み場もないじゃない」などと文句をいいながら、亭主の留守にテキパキと片付けてしまう。
そこで亭主はつい、きれいにしてもらった感謝の気持ちより、自分の城を荒らされた怒りを先行させてしまうのです。だから亭主の部屋だけは特別あつかいで掃除の対象外とし、部屋の整頓は部屋主の裁量に任せるというやり方のほうがいい。亭主の散らかし癖はおおらかな気持ちで容認してやるのも、あげまんの条件の一つなのです。
「ノーといえる」が指図しない女がいい
亭主に居心地のいい思いをさせる努力も環境型あげまんには必要です。
C「ヘンな趣味でも大目に見る」
本書の冒頭で書いた女装のような変態趣味だけを意味しません。
模型の電車を走らせるとかプラモデルを組み立てるだといった、女の目には「愚にもつかない」としか映らない男の子供っぽい趣味も、実害がないかぎりは、大目に見てやるのが大切です。
私の友人で、ボール紙を切り貼りして、いろいろな造形物をつくることに凝りにこっている男がいますが、ボール紙というのは切ると細かなクズがたくさん出ます。それを嫌って、奥さんがかんしゃく玉を爆発させたといいます。
しかしそれも、たまに不平をいうくらいにとどめて、その趣味を禁止しないでもらいたいのです。
男は非生産的な趣味に熱中することが、世界で二番目か三番目に好きな動物です。それは男のきわめて効果的なストレス解消法であり、ある男にとってはアイディンティティーですらあります。
このことに年齢は関係ありません。
たとえば、男に濃厚にあって女に驚くほど希薄なのがコレクション趣味です。
いい年をして牛乳瓶のフタだとか車のプレートナンバーだとかを集めて、悦に入っている男はゴマンといます。それはもう男の生理みたいなもので、理屈では説明できない無益な情熱です。だからこそ男は熱中してしまう。
リアリストの女性はこれを理解できない。また理解する必要もありません。ただ男の病気だと思って許してやってほしいのです。男の趣味を大目に見る、これができる女にあげまんの脈、おおいにありなのです。
アランの「幸福論」の訳者として有名な詩人の宗左近氏がそうです。詩人なんて貧乏の代名詞みたいな存在なのに、印税がいると、壺(つぼ)や骨董(こっとう)品を買ってしまう。夫人はそれを大目に見て、自分で働いたお金で家計をやりくりしてきたといいます。
D「ノーといえる女」になる
たとえば男のだらしない態度や行為には、きっぱりとノーという。厳然とした態度でのぞむことです。亭主が二日酔いで会社を休むといって寝床から出てこない。こういうときでもともかく、いったん起こして、仕事をさぼる原因が酒なのなら、初めから飲むなということを凛(りん)として告げ、男に自覚をうながすべきです。
男の自堕落(じだらく)行為は入り口で禁止するか、さもなくば出口で叱る。どちらか必ずクギを刺しておくのが女性の役目といえます。
いわゆる”共依存”といって、互いの傷口をなめ合う関係は、特に夫をダメにしていきます。
甘く接することが優しさではありません。柔らかな対応と毅然(きぜん)とした態度を使い分けられるのが利口なあげまん術です。これは対外的なコミュニケーションでも同じです。
E「指図しない女」になる
立っている者は親でも使えといいますが、男をアゴで使ってはいけません。亭主に家事を手伝ってもらうのはいい。しかし亭主にやらせてはいけないのです。
「いま手が離せないの、おねがい、ちょっと子供をみてくれる」
「おもしろいテレビをみているのよ、お茶ぐらい自分でいれて」
この差は説明するまでもなくおわかりでしょう。やってもらうことは同じでも、依頼と指図では雲泥の差なのです。
最近の若いカップルには女性の指図に従うという図が多いようで、ハンバーガー店などで「ちょっとミルクとってきて」なんて、男が女の”バシリ”に使われている光景を見かけます。
女が男に頼みごとをしているのがいけないというのではありません。それがどちらかの指図によって行われるのが問題なのです。
それなら依頼と指図の違いは何か。頼む側に感謝の気持ちがあるかないかの差です。男も女もこの相手に対する感謝の気持ちを忘れてはいけません。
素知らぬふり、気づかぬふりも大切
外に出て働く夫を家庭内で支える後押しもまた重要です。それは日ごろの動作に気を配ることで十分可能です。
F「メモ魔に徹する」
先のコレクション趣味のあるなしとどこかで繋がっていることかもしれませんが、男はメモ癖が比較的身についているのに対し、女性にはふだんメモをとるという行為が少ないものです。
男は社会に出れば、まず仕事のイロハとして、メモをとることの大切さや要領のいいメモの取り方教えられます。
女性も同様ですが、なんといってもそうした社会的訓練を受けてきた歴史は男性のほうが長い。
私用の電話でも、日時くらいは無意識のうちにメモっているものです。そこへいくと、女性は電話で話すこと自体に気を取られることが多く、備忘対策の習慣はあまりありません。
といって、彼女たちに記憶力の自信があるというわけではない。そこで、「あら、たいへん。おととい桜井さんから電話あったの、言い忘れていたわ。なんでも大事な人が来るから、きょうの飲み会にはかならず出席してって――」
などと亭主への大事な用件を伝言しそこね、あとで亭主はおおあわてということが勃発(ぼっぱっ)します。それで亭主の仕事のチャンスがつぶれたりする可能性もある。
だから、電話のそばはもちろん玄関にも用紙を置いて、電話や来訪メモを欠かさずとること。それがあげまん女性の新しい心得といえます。
G「動作の節約」に努める
来客と亭主が話し込んでいるところへ、奥さんが挨拶にくる。少しあとでお茶を運んでくる。しばらくしてお菓子をもってくる。お茶を換えにくる。ちょっと買い物に行ってきますと、またやってくる…・こういう要領の悪さに男は辟易(へきえき)するものです。
ちょっと気をはたらかせば一度で済むことを、何度にも分けて行わなくてならないのは要領の悪さや物忘れもあるが、女の怠慢プレーからきている場合が少なくありません。
たかがおやつを出すだけなのに、冷蔵庫や台所との間を何度も往復する。洗濯物をとりこむのに階段を上がり下がり音が何度も響く。男のこめかみはピクピク震えてくるものです。
洗濯や掃除など事前に手順をよく考えて、一度にまとめて行うことでムダな動作やくり返しをはぶくことが大切です。
H「口出ししないが知っておく」
おもに夫の仕事内容に関してです。現在の夫の仕事内容、社内でのポジション、会社の業務内容や好不調の度合い。仲のいい同僚や直属の上司や部下の名前や性格。いま夫が抱えている仕事の課題や苦労、喜び、将来の目標…・妻がこういうことを把握していないと夫婦が本当に二人三脚にはなりません。
だから知るだけなら、できる限りくわしく知っていたほうがいい。しかし、それをいちいち口に出したり、亭主に聞かないほうがいいのです。
男は基本的には、自分の仕事に関して知っておいてほしいが聞かれたくないものです。ときに女房相手にグチや上司の悪口も含めて、こちらから仕事の悩み、楽しさをあれこれ饒舌(じょうぜつ)にしゃべることはあっても、同じことを女房のほうから根掘り葉掘り問われれば、たいていは生返事を返すだけです。
その男のリズムというか習慣に、原則、女性は合わせてやったほうがいい。亭主が仕事に関してしゃべっているときに、聞きながら適当に質問をはさんで知識や情報を仕入れる。
そのほかのときには向こうから何か言わない限り、素知らぬふり、気づかぬふりをしてやるのが賢いあげまん行為といえます。
専業主婦という職業をマルチにこなす
これまでの専業主婦という立場を見直すことも、環境型あげまんの心得の一つとなるでしょう。まずは自分の職業を認識することからはじめます。
I「多芸多才をめざす」
いま専業主婦と言う"職業"の評価は賛否両論まっぷたつで、母性や家庭的ぬくもりのありかたさとしてその復権を求める意見があるかと思うと、かたや、その社会的無能性を俎上(そじょう)にあげて「くたばれ!」とののしる声もあります。
だが、専業主婦もきちんとこなすとなるとたいへんな才力が必要で、なかには三食昼寝付きというバラサイト(寄生)主婦もいますが、とても無能で努まるものではありません。
すなわちクリーニング屋(洗濯)、コック(食事)、ホテルの浴室係(風呂)、雑役負夫(掃除)、花屋(緑の手入れ)、パートの運転手(家族の送り迎え)、事務員(各種書類の作成)、経理係(家計を預かる)、ホステス(夫の晩酌の用意、相手)、広報係(夫の会社関係者との交流)など、ざっと数えあげただけでも毎日、十の職業をこなします。
これに子供が加われば、保育婦や教師も兼ねなくてはならず、まさに多芸多才のマルチウーマン、スーパーレディーでないと主婦は努まらないのです。
だからあげまん主婦をめざすなら、これら各職業を一通りこなせているという人なら、さらにそれぞれの腕をセミプロ級にまで上げる必要がある。
お隣の中国では何にでも等級がついており、ギョーザでも三十分間で八十個つくれば二級というように、各人にやる気を起こさせます。
日本でもすべてに万能でなければいけないというわけではありませんが、自分なりに等級を作って、マルチ主婦を目指す必要があるのです。
つづく
女の名前の音と字からもわかるあげまん
煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。