恋のアバンチュール―この言葉が美しい想い出になるのか、思い出にしたくない傷となって残るのかは、女性にとって大問題です。恋のアバンチュールには、誰もがチャンスさえあれば、すぐに出発できます。突如としてアバンチュールのヒロインになってしまい、こんなはずじゃなかったのにと、戸惑いながらも強い力に引きずられて、走り出してしまった経験をおもちの方も多いことでしょう。
すばらしい恋に胸を震わせているあなたにはコクかもしれませんが、こんな現実もあることは知っておいてほしいのです。七年目の浮気というのは結婚生活でのことですが、「恋愛は三年で冷める」という説があるのをご存じですか。
ヘレン・E・フィッシャーの調査結果をまとめた『愛はなぜ終わるのか』の中に、面白いデータがあります。世界六十二の国、地域、民族グループの1947〜89年あいだの、ある年の離婚のピーク188例を調べたところ、結婚四年目で離婚するカップルがいちばん多く、次が三年目、二年目と続いていることが分かりました。
五年以上もつと、あとは安定期に入るようです。子供ができたりして、結婚生活の中で“生活”の部分が増えるからだとみられています。
愛とか性についても、即物的な言い方で申し訳ありませんが、いい女イコールしたい、とつながるものが男のSEXです。この場合、下心があるかないかとの議論の余地はありません。
はっきり露骨に言えば、デートした瞬間からアソコがふくれたい、SEXをしたいとひたすら願っているのが男なのです。
欲望をむき出しにすると嫌われのではないか、品が悪いと軽蔑されるのではないかという心配から表面だけは紳士ズラをしていますが、男はスキあらばとチャンスをうかがっています。
“あなたなんか大きらい”――このひと言を、男はひたすら恐れます。こういわれたくないためにご機嫌をとり、やさしく振る舞うのです。それもこれも、シタイ、ヤリタイ、の一心からなのです。ペニスが性感帯の中心を占める男の滑稽な悲劇といえるでしょう。
一方、体全体で微妙な愛のタッチを感じる女性は、男とは違います。
彼を好きになり、恋ごころが芽生えます。
あなたはその関係が長くつづき、いつも一緒にいて、もっともっと親密になりたいと願い、夢中になっていきます。
それに対して男の本心をいってしまいますと、ヒドイ言い方ですが“まずSEXを楽しんでやろう”です。
一点集中主義、瞬間の湯沸器型の性欲のなせるワザで、どんなに紳士面をしていても、男の野心・下ごころにはそれほど違いはありません。責任・義務・年中一緒は、男にとって不自由だからイヤなのです。
・強い男かやさしい男か
男に望むこと、というアンケートをOLに求めると、回答の一位はいつも「やさしい人」になります。
〈強くなければやさしくなれない。やさしくなければ愛せない〉
アメリカのハードボイルド作家R・チャンドラーの名言で、強さとやさしさと愛の関係を表す鉄則になっています。
日本にも昔から、“気はやさしくて力もち”といういい方がありますが、いまの男たちを眺めていると、
「気はやさしくて力なし」
男女関係の最終目標はエクスタシーを得ることであり、相手の女性をエクスタシーに到達させられないうちは、男はまだふたりの関係が真の意味で完成されていないと思い、そのことにかなりの不満を覚えている、と渡辺さんは分析しています。
最近は女性が社会に出てバリバリ活躍しています。その一方で男性がひ弱で、オスとしての力強さが感じられず、自信を失っているようです。このような傾向が強まると、女性が圧倒的に男性を信頼し、完全に心をゆだねることが難しくなります。
男は泣かないもというのが、少し前の世代までの定説で、男の美学みたいなものでした。幼いとき、転んでヒザをすりむいても、母親は、
「男の子は泣かないのよ!」
などと、薄情な叱り方をして、女の子とは差別したものです。
ところが変われば変わるものです。このごろでは、女の子にイジメられて、男の子がすぐにミャンーンと泣き出すそうです。
未知の彼との遭遇・・・キッカケ20
恋をしたいが相手がいない、相手がいなけりゃ相手をさがそ、どうやってさがそ。寂しい女性の心のうちはこんなものでしょう。恋をする相手を待っているのに、なかなかチャンスが訪れない。他の人はけっこう楽しそうにやっているのに、私だけは…と暗く沈んでは、恋のチャンスはますます遠くへ逃げて行ってしまいます。
あるときは明るく元気に、あるときは上品に、あるときはエレガントに…未知の彼と遭遇するためには、臨機応変にあなたも変身しなければいけません。そして、ときにはあなたが遭遇のキッカケをつくるのです。
おしゃれ男といってもいろいろです。これ見よがしなおしゃれをしている男は、単純に目立ちやがり屋さんで、自己顕示欲が強いと相場が決まっています。自分の肉体に自信が持てないか、心の中に何かを引きずっているものがあり、おしゃれに身をやつすことによって、自分を元気づけているのかもしれません。
ですから、このおしゃれには相当なエネルギーがつぎ込まれています。おしゃれに関しては、努力を惜しまないタイプです。もし、この努力の結晶に誰も注意を払わなかったら、彼は傷つきます。おしゃれのことになると、彼は傷つきやすいのです。
操、めくるめく、貞女、純潔…昔はスゴイ!
若い女性の間では、操、貞女、純潔なんて言葉は、もう死語でしょう。いや、かなり年配の人だって、意味を正確に知っている人は少ないかもしれません。しかし、日本の歌・演歌のなかでいちばん売れたのは、『女の操』という曲なのです。
みさお(操)ってな〜に〜、という若い女性の大合唱が聞こえてきそうです。そこで広辞苑に当たってみると――、
みさお[操]@定めた意志を固く守ってかえぬこと。志を立ててかえぬこと。節操。(とくに、女の)貞操。貞節。(以下略)
――を立てる 貞操を守って志をかえない。
――を破る 操を守りとげない。女子が貞操をけがす。
五感――見る。聞く。触る。嗅ぐ。味わう。
恋をすると五感が鋭敏になります。五感のすべてで相手を受け入れたくなると、
「あなたを食べてしまいたい」
なんて、表現の仕方も怖いものになります。
男と女が接触し、そこから快感が流れ出し、広がっていくので
「愛とは、ふたつの魂の調和とふたつの表皮の接触」
そっと愛撫されることの心地よさ、愛撫は心のこもった皮膚の接触から始まります。
“おたく”と呼ばれる男が増えました。
コンピュターおたく、ゲームおたくなど、仕事や趣味にはまり込んで、生身の女にはあまり興味を示しません。
仕事もでき、給料もよく、まアはっきりいえば三高男なのだが、いざ交際を始めたうえで結婚まで考えて、どちらかというと女のほうから“いいわよ”と言ったのに…。
セックスレスに近くて、あまりそういうことに興味をもたない新型の人類に、周囲もその扱い方にとまどっています。
そういえば『セックスしない喜び』という本も、アメリカでは評判になりました。
セックスレスはごく最近の傾向ですが、もちろん節制とは根本的に異なるものです。しかし、男と女の共同生活、共棲を考えたとき、セックスレス――しないこと――もきわめて重要なことなので、そういう考え方もあるんだという知識を身につけておいていただきたいものです。