エイズという言葉から、英語で「AIDS」日本語では「後天性免疫不全症候群」といいます。この病気はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染症ですトップ画像

[ エイズ。性感染症

本表紙著者 河野美代子

エイズ。性感染症

エイズの症状と自己防衛方法を教えて!

Q最近、マスコミでエイズのニュースを扱うことが多くなりました。しかし、エイズとはどんな症状が現れるのか、どんなルートで感染するのか、どうしたら防衛できるかを等の“基礎知識”があまり知らされていないように思えます。私も他人様にエイズについて説明できるほどわかっちゃいません。今や、“世界的問題”でもあるエイズとは何なのか、詳しく説明して頂けたら幸いに思います。
(長野・高2/小松圭介)

10代にも感染者、エイズの正しい知識を教えて!

Q エイズ感染者が最近では10代にまで広がったそうですが、私の周りでもエイズの話題が出ています。でも友達の中には偏見に満ちた誤った知識が非常に多いし、私たちにも確実にエイズに近づいて来ていると思います。遅かった、と思う前に、エイズに関する知識を教えてください。

知っておいてほしいエイズの正しい知識

A エイズ――「エイズの治療法が格段のスピード開発されている。また、り患しても治療薬ができて発症を抑えることができて、すぐ死に至る感染症ではなくなりました。一般の性感染症に分類されるまでになりました」訂正文(ソフトノーブル通販2017/11月)以下は原文のまま。

 セックスでうつる病気――ほとんどの高校生は、こんな風に教えられ、思い込んでいるのではないでしょうか。欧米やアフリカ、東南アジアはとても多く、日本はまだ少ない、でも徐々に増えつつある。これもご存知ですね。もうすぐ大人になるあなたたち高校生が、自分自身の行動を決めて実行していくために、今、エイズを正しく知ることは、とても大切なことだと思います。

 御二人から質問いただきましたので、この際、必要な知識を身に着けられるように、お答えさせていただきましょうね。

◆――エイズとはどんな病気か

まず、エイズという言葉から、英語で「AIDS」日本語では「後天性免疫不全症候群」といいます。この病気はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染症です。このウィルスは、免疫の仕組みの中心であるヘルパーTリンパ球という白血球に感染し、次第に感染した人が免疫の力を落としていって、ついには普通では起こらないような弱い病原体、例えばカビの一種であるカンジダとか、カリニ原虫などからも体を守れなくなり、全身に症状が現れてしまいます。
エイズとは、このようなHIV感染症の末期状態をいうのです。

この病気のことが初めて人々に認識されたのは一九八〇年のことですし、ウィルスが確認されたのも一九八三年と、本当に新しい病気です。それなのに、あっという間に世界中に広がってしまいました。

◆――キスや握手ではうつらない

感染のルートは――以前は、血液から作られた薬や輸血による感染がありましたが、現在、このルートの最大のものは
○1血液――麻薬、覚せい剤などの“回し打ち”による注射針の共有
○2性交――精液、膣分泌液による感染
○3母子感染――感染した母親から赤ちゃんへ、分娩時や母乳からの感染
 この三通りしかありません。

ですから、感染している人と同席したり、いっしょにお風呂に入ったり、握手やキスをしたり、同じ食べ物を食べたりしても感染しません。HIVはとしても感染力の弱いウィルスなのです。

 蚊でもうつりません。感染者を刺した蚊に、一度に一千万匹に刺されないと感染しないと、計算されています。キスでは、感染者の唾液を一度にバケツ三杯飲まないとうつらない、それくらい弱いものなのです。ですからエイズは、けっして感染を恐れる病気ではないのです。これくらい予防しやすい病気はない、と言われています。

 私たちは広島で、今もずっとエイズの正しい知識電話相談(広島エイズダイヤル)をしていますが、その中の圧倒的多数が、外国で、または国内の風俗の店で買春をしたのだけれど大丈夫か、というものです。

 しかも、そのほとんどが防衛のためのコンドームの使用などをしていないのです。大丈夫かと言われても、これでは大丈夫なんて言えません。まず、不安を静めた上で、検査を受けることを勧めます。

 検査は、感染の機会があってから抗体ができるまでの三か月間がたってから。どの医療機関でも保健所でもやってくれます。とくに保健所では、全く匿名でいいし、無料です。五tの血液をとったあと、一〜二週間後に必ず自分で結果を聞きに行きますので、まずプライバシーが侵される心配はありません。

 感染した時の症状のみではエイズかどうかわかりません。血液で抗体陽性、さらに血中のヘルパーTリンパ球が少なくなっていることを確認とともに、例えば強度の下痢、体重減少、カリニ肺炎とか、カボジ肉腫という皮膚の異常とかの症状が出て初めてエイズと診断されます。

◆――予防に大切なことは

 現在では、次つぎと薬が開発され、たとえ発病した人でも、また健康を取り戻すことができるようになりました。ですから、早く陽性であるか否かを知ることが大切です。そして何よりも予防が大切。もう皆さんどうすれば予防できるか分かりましたね。

 麻薬、覚醒剤は決して打たない。相手が陰性と分かっていない人と性交する時は、必ずコンドームを使う。これで十分です。その上、すでにHIVに感染している人々になっている人の事も考えてください。

 彼らは、命を失うことへの恐怖と共に、社会の偏見と差別にたいへん苦しんでいます。特に我が国では、千五百名あまりの血友病の患者さんたちが血液製剤でHIVに感染させられ、すでに多くの方が亡くなりました。エイズ薬害裁判は「和解」という形で決着しました。でも、彼らの病いや社会との戦いは終わったわけではないのです。

 彼らは皆、告知を受け、「人に感染させないようにしようね」という指導も受けています。だからその患者さんの一人から、「人を好きにならないように努力している」という言葉を聞いたとき、本当に胸が詰まりました。日常生活でうつらないのだから、学校や職場でふつうの生活が送れるように、みんなが配慮しなければなりません。

性の「解放」がエイズ禍(か)まねくのでは?

Q 先日、保健部主催の講演会で次のような講話がありました。「エイズの感染者が差別される問題である。いかなる理由により感染したかを問わず、人間として平等に扱わなければならない。医者はヒューマンな立場から、感染源を問わず、治療に当たる」

 治療については、同感なのですが、感染源について、血友病治療の血液製剤にウィルスが混入していて感染した人と、七百人のガールフレンドとベッドを共にして感染した有名人を同じに見ることには、いささか抵抗がありますね。性の「解放」のなかでエイズが蔓延するのは問題であり、「解放」について見直さなければ、エイズ禍は収まらないと思うのですが、このような考え方は無理なのでしょうか。河野先生のご意見を伺いたいと思います。
 (埼玉/H・A教論)

誤解されているエイズ患者の現実

A 「エイズ」がわが国で報道された時、あまりに間違ったイメージがひろめられてしまいました。その結果、あなたのような考え方が日本での、ごく一般的なものになってしまったのだと思います。だからこそ、多くの感染者がいまだに、身近な人にさえ打ち明けられず、苦しまざるを得ないのです。

 教育現場でも口先だけで「差別はしてはいけない」と言いながら、その実、偏見と差別を振りまくような教育をしている人たちはいっぱいいます。まず、あなたの、エイズの捉え方の間違いを指摘します。

 HIVはふしだらな人、性的にだらしのない人が感染するものとは絶対に違うということなのです。「セックスのある人なら、誰がかかってもおかしくない病気」なのですよ。あなたは、マジック・ジョンソン(元プロバスケットボール選手)のことを言っているのだと思われますけれど、彼は確かにそういう行動をとったからだろう、と考えているのでしょうね。

 とんでもない。いまや、HIVの感染は、異性観の性的接触がほとんどなのです。それも、「相手が感染していることを知らなかったから、感染してしまった」
 すなわち「自分が感染していることを知らなかったから、相手にうつしてしまった」というものなのです。私が接している患者さんたちは、全てパートナーから感染したものなのです。

 夫、あるいは婚約者から。彼ら自身が感染していることを知らなかったのです。他の性感染症にかかって来る女性たちも、圧倒的にパートナーからうつってくるのです。HIVというと、まるで「海外で一夜のアバンチュールを…・だから感染したのだ」という偏見がとても根強い。または、買春春のイメージです。

 だから、我が国では、決して女性の感染者は名乗り出ることはできません。彼女たちの事を、いったい誰が責めることが出来るのでしょうか。彼女たちに移してしまった男性たちにしても、同じです。アメリカでさえ女性の感染者の九〇パーセント以上がパートナーから感染しているのですよ。

 私は、マジック・ジョンソンも、相手がHIV感染者だったということを知らないで無防備なセックスをしてしまい、感染してしまったことは、とても気の毒と思います。「自業自得なのだから、そんな奴は知らない」とは、決して言えません。

 私は、あなたの「解放」という意味が分かりません。誰とでも気軽にセックスをすることを指しているのでしょうか。もし、若者たちがそんなにセックスをしている、だから病気が広がるのだ、と考えているとしたら、それは、若者たちを冒涜(ぼうとく)していることだと思います。「愛し合っている者同士」のセックスだって、感染はするのです。

 あなたは、「HIVにかかると死ぬぞ、だから、セックスはしてはいけない」と言えば、エイズは広がらないとお考えですか。エイズにかからないために、一生セックスをしない、という人がいたとしても、それはそれで個人の選択だからいいでしょう。でも、あなたの生徒たちもいつかは必ずセックスをする時が来る、その時のためにも、病気や望まない妊娠を予防する力を身につけさせたいとは、思いませんか。

 私は、息子には、金で女を買うような、女性を冒涜する行為は絶対にして欲しくない。娘には、体を売るのは生きるための最後の手段なのだと分かって欲しいと思っています。二人とも、素敵なパートナーと十分なコミュニケーションを取りながら、素敵なセックスができるような大人になって欲しいと考えています。

 でも、それらを伝えるのには、HIVの間違った偏見を利用しようとは、決して思いません。

コンドームでエイズは百パーセント予防できますか?

Q 相談ではなく質問させていただきます。エイズはコンドームの使用で十分予防できるとありましたが、本当に百パーセント予防できるのですか? コンドームは避妊用具ですが、百パーセント避妊できるわけではないと聞いています。

 たとえば目に見えないごく小さな穴が開いていると、そこから精子が抜け出して妊娠する可能性が十分にあると、学校で教えられました。そのような場合でもエイズに感染しないのでしょうか?
 (東京/H・F)

コンドームでエイズは防げます!

A 確かにコンドームの避妊率は、百パーセントではありません。私の所でのデータでも、コンドームを毎回使った人でも、10パーセントの妊娠率がありました。ただ、その理由は分かりません。あなたの言うように、小さな穴が開いているというのは間違いです。JISマークがついているコンドームは、全て通電でチェックがしてあります(もちろん古い物はだめですよ)。穴から精子が抜け出て、というのはではないでしょう。きっと、何か使い方が悪いのだと思います。

 そこで、エイズの予防ですが、コンドームはHIVをシャットアウトします。百パーセント大丈夫かかと言われると困ってしまいます。だって、コンドームを使って破れてしまった、なんてこともあるかも知れませんね。妊娠と同じように、何か使い方が良くないこともあるかも知れません。

 ただ、HIVはとても感染力が弱くてうつりにくい、ということは知っていますよね、HIVの感染率と比較すると、はるかに妊娠率のほうが高いのです。一回のセックスで妊娠する確率は30パーセント。HIVを持っている人とのセックスでは感染する確率は、0.1〜1パーセントと言われています(でも一回のセックスで感染しない、ということはありません)この確立の上に、さらにコンドームを使えば、ほぼ大丈夫だろう、となるわけです。

 コンドームを使うことで、これをさらに10パーセントにまで減らせる。ということは、0.01〜0.001パーセントということになります。逆にコンドームを使うことで感染しない確率は、99.9〜99.99パーセントということになります。
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 差し込み文書=セックスの後に、浴室にてノーブルウッシング(日本国特許取得・膣内温水洗浄器)を用いることで、さらに性感染症対策することでより安心感は
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だから、HIVに感染している人でも、決して、セックスできないわけではありません。夫婦のどちらかが感染していても、コンドームをちゃんと使ってセックスしながら、二人で懸命に生きている人たちもたくさんいるのですよ。もし感染しているかいないか解らない人と、セックスするようなことがあったなら、コンドームを使うことが大切だとわかっていただけたでしょうか。

「死に至る病」でなくなりつつあるエイズ

『冬の銀河』(不知火書房)って本、ご存知ですか。輸入血液製剤でHIVに感染した草伏村生さんの慟哭(どうこく)の手記です。その草伏さんが亡くなって一年あまりになります。体調が悪くなっても、ぎりぎりまで薬害の不当性と、HIV感染者の生きる権利について、訴え続け、ついに力尽きたのが、一九九六年一〇月でした。やせた体をさらしながらテレビで訴える彼の姿は、壮絶でした。

 『冬の銀河』に続く第二弾の著作『生き抜いて愛したい』は、彼のやさしさ、楽しさ、くやしさ、そして、鋭さがいっぱいです。この本を読んで、あらためて私たちの社会がいかにHIV感染者に対して、差別と偏見に満ちていることを思い知らされました。これは、裁判の行く末を見届けることなく亡くなってしまつた石田吉明さんも訴え続けたことです。

 いま、わが国は、血友病の人たちの薬害訴訟の和解とともに、あたかもエイズの問題が終わってしまったかのように見えます。マスコミの報道もHIVに関しては極端に少なくなっています。でも、血液製剤で感染してしまった方にとって、裁判が決着したからといって、何ら状況が変わったわけではありません。相変わらず、病との厳しい闘いが続いています。

 でも、明るい出来事もあります。HIV感染症の治療は、世界中の研究者、医学者たちが総力を挙げて取り組んでいます。そして、ここにきて「多剤併用療法」という、抗HIV薬を二、三種併用することによって、きわめて高い治療効果をあげることができるようになったのです。

 多くの患者さんの血液中のウィルスが検出できないほど低くなったり(ウィルスが消えた!)、CD4という免疫の指標となるものがほとんどなくなってしまう人でも、どんどんと増えてきたりということが、現実なってきました。

 それとともに、患者さんたちは「生きられる!」という明るい希望を持つようになってきたのです。そう、今や、HIV感染症は、「必ず死に至る病」ではなくなりつつあるのです。でも、あくまでも「薬を手に入れることができる人」の話ですが。

 世界的に見れば、高価な薬を買うことが出来る豊かな生活を送っている人たちは、少数派なのです。一九九四年、横浜エイズ会議で、「HIV陽性の妊婦がAZTという薬を内服すると、母子感染を劇的に防ぐことができる」という発表があり、多くの女性たちに希望を与えました。その時、アフリカのある国からの参加者の一人が「我が国のいったい誰が、そんな高価な薬を買うことが出来るというのか」という発言があったのです。

 この病は、言ってみれば貧しさとの戦いという側面も持っています。だって、コンドームを使えば感染を防ぐことができると分かっていても、そのコンドームすら高価で手に入らない国の人々の方が多いのですから。

 我が国でも、地域による医療レベルの格差や、薬害以外の感染者の方々にとって、ウィルスの測定などの検査料や薬剤費などが経済的に大変厳しいなどの問題はまだまだ続いています。また新たな感染者も変わらず増え続けています。

 HIVをめぐる状況が刻々と変化し、「セックスでうつる病気」であるということは、わかっているのです。ということは、決して特別な人がかかる病気ではない、「セックスのある人なら誰もがかかる可能性のある病気」なのです。これまでも言い続けていることですが、HIVを売買春のイメージで捉えるのは間違っています。愛する人とのセックスだってうつる可能性はあるのですから。

 今はセックスに無縁の高校生たちだって、いつかはきっと無縁ではなくなるでしょう。HIVだけでなく、すべての性感染症の防衛法を、しっかり教えるべきです。不幸にして感染してしまった人たちはただ、防衛できなかった人に過ぎません。

 こう、しっかり捉えることで、HIV感染者に対する偏見を取り除くために何より必要なことだと思うのです。

無防備なセックスが生む性感染症

つづいて、性感染症、STDのお話です。セックスでうつる病気ですね。中でもHIV、エイズウィルスについては、既に述べましたので、それ以外の病気をお話します。

 STDは、ほとんどの症状の出ない軽いものから命を脅かすものまでさまざま、18〜20種類あるとされています。その中でも、日常的によく接するものを表にまとめていますので、参考にしてください。

 これらの中でも、最近特に増えているのが、クラミジア感染症です。クラミジアに男性が感染した場合、尿道炎を起こしますが、淋病ほど症状は強くなく、時には少し残尿感があるかな? くらいで、そのうち治まってしまう場合もあります。でもそれは決して菌が消えてしまった訳ではありませんので、人に移してしまうといわけです。

 女性の場合は、少しおりものが増えたかな? または、おりものに変な匂いあるという程度なので、気づかないことが多いのです。でも、無症状のまま、じわじわと菌が拡がって行き、子宮内膜炎や卵管炎を起こし、いつの間にか不妊症になってしまったということもあります。このクラミジア感染症は、今若い人に増えていると言われていますが、私の診察室でも、全くその通りです。

 また、性器ヘルペスも増えています。これは、症状が激烈。初感染の時は高熱と、それに伴う頭痛、続いて、性器に口内炎のような潰瘍がいっぱいできて酷く痛みます。尿やお湯がしみるために、排尿や入浴がとてもつらくなります。これに感染してくる患者さんは、とてもミゼラブルです。

 ヘルペスには特効薬があり、内服と軟膏で急速に症状は良くなるのですが、ウィルスを無くすことはできません。体内にウィルスが潜んでいますので、多くの場合、たびたび再発します。

 ただ、再発の場合には症状は軽くて済みます。再発するたびに抗ウィルス剤を内服し、そのうちに再発しないようになるのを待つしかありません。ヘルペスは、男性がかかった場合、その八割は無症状ですので、自分がヘルペスウィルスを持っているのを知らない人がほとんどなのです。その他、トリコモナス膣炎、尖圭(せんけい)コンジローマにもよく出会います。

 妊娠すると、その初期に血液でさまざまな病気をチェックするのですが、その時初めて病気にかかっていることがわかることがあります。特に多いのが梅毒です。夫に来てもらって検査をすると、彼も強陽性。独身時代に感染したのを気づかないまま、結婚して妻に移してしまったというものです。

 STDはふしだらな人がかかるものだと思っていたら、大間違い。愛し合っているもの同士のセックスだって、そのどちらかが菌やウィルスを持っていれば、相手も感染するのですよ。

 当然ですよね。誰が病気を持っているのなんて顔を見ただけでは解らないのです。性格がとてもいい人だから、病気を持っていないということもありません。相手を信じるとか、疑っちゃいけないとかの問題ではないのです。STDというのは、予防できるものなのです。防ぐことができるのに感染してしまう。無防備なセックスをしてしまうのですね。

 セックスには、望まない妊娠を防ぐと同時に、病気を防ぐという意識を常に持たなければならないのです。若い皆さんは、これから様々なセックスに出会う可能性があるでしょう。

 その時には「防衛する」意識をしっかり持ってください。必ず、確実にコンドームを使うことです。妊娠と共にSTDを防ぐのは、コンドームしかないのです。いざ子どもを作りましょうという時になって、相手にSTDをうつしてしまった、なんてことがないように。うつされた方はもちろん、うつしてしまった方も悲しいものです。私は、そんな悲しい思いをするカップルを本当にたくさん見てきているのです。

知っておきたい性感染症の症状と治療

治療は「ふたり同時に行い、完全に治るまで根気よく」が原則
「トリコモナス感染症」
 男 ほとんどない。
 女 黄〜 緑色の悪臭を持つ「おりもの」が出る。外性器のかゆみは症状が進むと痛みに代わる。
病原体 トリコモナス原虫(風呂のお湯の中でも生存可能)
 潜伏 かゆい
治療 男 10日間の飲み薬 女、10日間の飲み薬と膣の洗浄、膣剤

「淋病」
 男 尿道炎による排尿困難、排尿痛、膿が出る。
 女、黄色のおりものや外性器の痛み。放置すると淋病は卵管まで侵す。(無症状の時もある)
病原体 淋菌
  潜伏 1〜2週間
治療 抗生物質の内服または注射針

「尖圭コンジローマ」
男・女 とんがりのあるイボが性器にいくつもでき、ほとんどかゆみもなくどんどん増える。
病原体 ヒトパピローマウイルス 「症状が出ない」
 潜伏 約3ヶ月 「痛い」
治療 冷凍擬固(無痛)イボを取り除く。または制がん剤の軟膏を塗る。ウィルスを無くすることはできない。

「性器ヘルペス」
 男・女 第一段階、発熱し、足の付け根にリンパ腫ができる。第二段階、外性器に潰瘍ができ、尿にしみて非常に痛い、高熱を伴う。
病原体 ヘルペスウィルス。男性はこのウィルスを持っていても80%とは「症状が出ない」。
 潜伏 飲み薬、注射、軟膏など、一応治療薬はあるが、ウィルスを無くすることが出来ない。治療後、体力が低下した時など軽く再発する。

「クラミジア感染症」
男・女
淋病に似た症状で、女性は気づきにくい。おりものが増えたり、悪臭があることも。放っておくと、不妊になる可能性がある。
病原体 クラミジア・トラコーマティス(ウィルスと細菌の中間の性質) 「症状が出ない」
 潜伏 1〜数か月
治療 専用の抗生物質を2週間続ける。

「毛じらみ」
男・女 しらみが血を吸うのでとても痒い。下着に点々と血が付くこともある。
病原体 性毛だけにつくしらみ。
 潜伏 かゆい
治療 性毛をそり落とすか、しらみ専用のパウダーをかけた後、良く洗う。両方すると完璧。

「梅毒」
 男・女 性器、足の付け根にしこりができる。約三ヶ月後からだ中に赤い斑点が。日常、お茶を飲む機会が増えている現在、症状が出ないことが多い。
病原菌 梅毒スピロヘータ 「症状が出ない」
 潜伏 3〜4週間
治療 血液で陽性反応が出たら、抗生物質の内服または注射。

「カンジダ感染症」
 男、包皮が白いカスでおおわれ、かゆい・
 女 おりものが白くヨーグルト状になり、強い外性器のかゆみがある。セックスでなるとは限らない。
病原菌 カビの一種
 潜伏  かゆい
治療 男、カンジダ治療用の塗り薬をペニスに。女、6日間の洗浄と膣薬、軟膏、飲み薬
 つづく  \ レイプ・性暴力

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