著書 河野美代子
乳首・おりもの・外性器
乳首がかゆく、根元から汁が・・・
Q河野先生に質問したいのですが…。私は時々乳首が痒いのです。痒くてかくと、乳首の根元が切れて、汁が出ます。寝る時には絆創膏を貼りますが、張っていると逆にとった時、また痒くなります。左の胸だけで、右は痒くないのです。かくため、左の乳首は黒ずんでいます。どうすればいいのでしょうか。笑わずに相談にのってください。
(るリボン)
乳首が痒くなるのは乳頭炎
A るリボンさん、乳首が痒くなる人はとても多いのです。あなたの手紙を読んで、きっと多くの方が、「あっ、私も」と思うでしょう。だって、私の所にはとてもたくさんの同じ悩みの人が来るからです。
これは皮膚炎の一種です。特にアトピーの気がある人に多いのですが、そうでない人でもよくあることです。いったん痒くなると知らず知らずのうちにひっかいてしまって傷になり、液が出てきます。あなたは絆創膏を貼っているようですが、みなさん、ガーゼやティッシュを当てたりして、そうするとそれがくっついてよけいひどくなったり、でも何もしないとブラジャーにくっついてしまうし、とても苦労しています。
何も心配ありません。どうぞどこか病院に行ってください。何科でもいいのですが、そうですね、あなたの年齢だと皮膚科がいいかもしれませんね。ニキビなど若い人もよく行く科ですから、抵抗なく行けるでしょう。塗り薬を出して下さるでしょう。私は、症状に応じて少しは違いますけど、多くは抗生物質と、少しステロイドの入った軟膏を出します。すぐに良くなります。
一人で悩むより、さっさと治療した方がいいですね。あっけないくらい簡単に治ってしまうものなのですから。
ナプキン離せないのは病気?
Q 私、生理以外の日でも毎日、ナプキンみたいなのナシじゃダメなんです。おりものみたいな、なんていうか、そんなものが毎日のようにあって、それって。病気なんですか? 私以外にそんな人、いるのですから?
(高三/匿名希望)
女性には誰にもあるおりもの
A 匿名希望さん、おりものが多くて悩んでいるようですね。あなたの場合、質問に書かれているだけでは情報が少なくてはっきりしたことは言いにくいのです。
まず、色はどうなのか。白、黄色、または茶色、ピンク、いろいろありますよね。おりものに伴って、かゆみがあるか否か。また、臭いがするか否か。さらにあなたには性体験があるのか否か。あるのなら、コンドームは使っているのか否か、これらの答えがあると判断できるのです。
もし、色が茶色やピンクだと、これは出血ですので、月経以外の出血、いわゆる不正出血です。これはあなたたちの年齢では、多くの場合、卵巣の働きがしっかりしていないために起こることがほとんどです。ほんのちょっとお薬で治療すれば治ってしまいます。
白や黄色でも、かゆみを伴う時には、カンジダというカビの一種がとりついてしまった場合や(これは性体験がなくても起こりえます)、経験がある場合には、トリコモナスという原虫の一種が住みついてしまった場合もあります。また、痒みがなくとも、クラミジアや淋病などの性感染症にかかってしまった場合もおりものがとても増えます。
また、排卵の頃、月経と月経のちょうど間の頃に透明で、卵の白身のようなとろりとしたおりものが増えるのは、全く正常な現象ですので心配ありません。こんなふうに並べると、とても不安を抱くかもしれませんが、実際は「おりものが多い」といって来院しても何にも異常がない場合がほとんどなのです。
女性は誰でも、ホルモン的に成熟するといわゆるおりもの、帯下(たいげ)があるものなのです。帯下が多いか少ないかは個人差が大きいものですし、さらに多いと感じるか否かは個人の感受性にもよりますし、もしあなたが病気ではと不安を持つのであれば、一度産婦人科に行って調べてもらうといいですね。
病気であればさっさと治せばいいのだし、異常ないのであれば安心してその対処法だけ考えればいいのですから。
おりものは月経の直後は比較的少なく、排卵期に最もたくさん分泌される。排卵期のおりものは、子宮頸管から粘液が増加するため、透明で粘り気があり、卵の白身のように糸を引くのが特徴。これは、排卵に合わせて精子の侵入を助け、受精しやすくするための身体の仕組みなのです。排卵後のおりものは次第に粘り気が少なくなり、色も透明から白濁したものへと変化する。
性器が痒いのですが…
Q けっこう切実な悩みですが、アソコが痒いんです。と言っても、本体じゃなく、その周りなのですが、最近、おしりのミゾまで範囲が広がってしまって、かなりひどい症状なのです。赤いブツブツが出てくるものなのですが? どうしたらよいでしょうか。場所が場所なので(性器周辺なので)、病院に足が向かないし、採用されなくても返事が欲しいです。
(高二男子/A・I)
性器が痒く、掻き過ぎてハレることも
Q 私は時々、性器が痒くなります、痒くなると止まらないのです。掻き過ぎてハレることもありました。性器は石鹸で洗うのですか?
(高三女子/くまさん)
恥ずかしがらず気楽に病院へ
A ちょうど、男性と女性から同じょうに性器が痒いとの訴えが来ました。あなたたち高校生は、長い人生の中でも新陳代謝が活発で、かつ運動量も最も激しい時期。熱と汗で、性器その周辺は、蒸れてしまって容易に痒くなります。A・Iさんの言うように、場所が場所だけに困ってしまいますね。
くまさん、性器は当然、石けん、ボディーシャンプーで洗いましょう。お湯だけだと、脂肪分や蛋白質などがちゃんと落ちません。そして、あとは、石鹸の成分が残らないようにしっかり洗い流しましょう。
日常の洋服は、できるだけ通気性が良いように心がけてください。ブルマーやジーンズなどは必要最低限にして、あとはさっさと脱ぐこと、家の中などではショーツ一枚にスカートで過ごしたほうがいいですね。
さてその上ですが、お二人とも、そんなことでは良くならないかもしれません。いわゆる病気になっているかもね。
A・Iさん、赤いブツブツが出来ているのですか。それは単なるあせもかもしれないし、そうでないかもしれません。あなたたちの年代の男性がとてもよくかかるのが、いわゆる「いんきんたむし」という、真菌(しんきん)の感染による皮膚炎です。水着などの衣服の共有でも感染しますが、適切な薬を使わない限り治りません。
くまさん、女性で一番多いのは、カンジダ膣外陰炎といって、やはり真菌、カビの一種がついてしまって炎症を起こすものです。これは、性交の経験とは関係なく、女性であれば、赤ちゃんからお年寄りでも、かかりやすいものです。女性の膣は、温度と湿度がちょうどカビにとっては住みやすいのでしょう。
男性の場合も女性の場合も、これらはとてもかゆく、とくに体が温まった時など、かゆみは強烈で、たまりません。もちろん、性器やその周辺が痒くなる病気はこれ以外にもいろいろあります。
お二人とも、単に、蒸れたりしただけのかゆみより、かなりひどそうです。さっさと病院に行った方が良いですね。男性は皮膚科か泌尿器科へ、女性は産婦人科へ。なぜか痒いのか、きちんと調べてもらいましょう。放っておかない方がいいでしょう。
勝手に自分で判断して薬局のお薬などで治そうとしないでください。適切な薬でなかったなら、時によっては、かえってひどくなることがあります。「場所が場所」だけに行きにくい気持ちは分かりますが、でも、医者にとっては、歯医者さんが口の中を見るのと同じことなのです。こだわるようなことはありません。恥ずかしがらないで。もし、単に蒸れだったり、あせもだったりしても、それに応じて適切な薬を出してくださいます。
私の所にもたくさんの高校生が「痒い」と言ってきますよ。きちんと診察してもらって、さっさと気持ち良くなった方がいいと思うのですが。
高校生の皆さんも、こんな場合だけでなく、たとえば月経痛でも、月経不順でも、または男性の場合、ペニスに悩みがある場合でも、自分が楽になるために、もっと気楽に病院を利用したらいいのになあと思いますよ。
性器はみんなと違うのでは?
Q 私がいま、悩んでいることは、自分の性器がひょっとすると、人と違うのではないかということです。人と比べるものじゃないし、SEXする時になって「人とは違う」と言われるのはとても恥ずかしい。私の膣の中の方には、丸く、丘のように盛り上がった部分があります。誰もがそうなのでしょうか? 悪い病気なのではないかと心配です。どうか教えてください。
(ハルカ・M)
「性器」について知っておくことの大切さ
A 私は、かねかね女性も男性も、女性の身体と男性の身体を、双方をちゃんと知っておくべきだと言い続けています。特に、性器について知ることはとても必要なことなのです。知ったうえで自分で自分の身体を管理できる自立した大人になって、パートナーといい関係を作くれるようになって欲しいのです。でも、まだまだわが国ではそんなことすらきちんと教えられていないのが現状でしょう。
ハルカ・Mさん、あなたが悩むのも無理はないと思うけど、でも、こんなことは知りさえすれば悩むことでも何でもないのです。膣の中にある丸くて丘のように盛り上がったのこそ、子宮ですよ。子宮の膣に面した部分、子宮膣部と言いますが、それはちょうど鳩の卵くらいの大きさで(鳩の卵を見たことのない人、親指と人差し指を丸く楕円を作ったくらい)、鼻の頭をさわるような感触です。膣の奥に子宮があるのは当たり前ですね。あなたは異常でも何でもないのです。
[膣]長さ約8−11cm。子宮へつながるひだでできた管。伸縮自在で、通常は狭くなっているが、セックスや出産の時はとても広がる。
[子宮]膣の奥の筋肉の袋。受精卵が着床し、妊娠すると、徐々に大きくなる。最大で子宮の容量は百倍にもなる。
◆女性のからだと外性器・女性の身体を断面でみる
◆外性器
〈処女膜〉処女膜というと、ピンと張った膜を想像しがちだが、それは全く間違い、破れるものではなく、膣の入口にある単なるひだである。
ほら、知って見れば、なんだと悩んで損したみたいなものですよね。どうぞこれを機会に身体の事をしっかり知っておいてください。
参考までに『sex&oudy Body―10代の性と体の常識』(NHK出版 高文研さん、他社の宣伝でごめんなさい)という本を出しています。男性の身体についてもしっかりと書き込んでいますので、ぜひ読んで勉強してほしいと思います。
つづく
Z 無月経・月経痛・タンポン
煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。