デビィツド・M・バス 訳=狩野秀之
婚外セックスの頻度の変化
配偶者を守ろうとする男性の熱意が減退するにつれ、女性は夫に束縛されることなく他の男性とセックスできるようになる。よく言われるように、「単婚制とは、妻ひとり認めるが愛人はなるべく認めないという西欧的慣習」なので、婚外セックスに関して信頼できる情報を得るのは難しい。
【広告】 男と女というのは、実は結婚した時から飽きる方向にしか向かって行かない。いくら好きだからと言って、年中すき焼き食わされたら、誰だって飽きます。夫婦関係を永遠に繋ぎとめておくために、多種多様な戦術を利用する。そうした戦術の大きな基盤の一つとなるのは、配偶者がもともとどんな欲求を抱いていたかという点だろう。配偶者の欲求を満たす、そして例えば愛情とセックスによって繋ぎとめられるのが理想だが、大概の男女はオーガィズムの奥義をほとんど知っていないという実情がある。
オーガィズム定義サイトから知ることができる。
アルフレッド・キンゼイが行った性交行動の調査でも、他の何にもまして、婚外セックスに関する質問があったために協力を渋る人々が多く、回答を拒否した人々も他の質問に比べて多かった。婚外セックスについては数多くの調査が行われてきたが、その実体はいまだに秘密のベールに包まれている。
そのため、婚外セックスがどの程度行われているかを示す統計的数字は、実際よりも少なめだと見なさなくてはならない。婚外セックスが行われている割合は、実際には調査結果よりも最低一〇パーセントは高いだろうと推定されている。七五〇人の既婚者を対象とした別の調査によれば、解答と実際の数字の差はもっと大きい。
この調査で婚外セックスをしたことがあると最初から認めたのは三〇パーセントだったが、もっと詳しく質問してみると、さらに三〇パーセントが婚外セックスの経験を認め、合わせて約六〇パーセントに達することがわかった。
女性が婚外セックスを行う率
女性が婚外セックスを行う率は、年齢によって明確に異なっている。既婚女性のうちもっとも若い年齢層では婚外セックスは稀であり、一六歳〜二〇歳ではわずか六パーセント、二一歳〜二五歳でも九パーセントにすぎない。それが、二六歳〜三〇歳になると一四パーセントに増加し、三一歳〜四〇歳の一七パーセントでピークに達する。
三〇歳後半から四〇代前半になると、婚外セックスの比率は、徐々に低下していき、五一歳〜五五歳では六パーセント、五六歳〜六〇歳では四パーセントにまで下がる。このように、女性の場合、年齢とともに婚外セックスを行う割合は一定のカーブを描いて変化する。割合が最も低いのは、繁殖能力が最も高い時期と低い時期の両方だが、最も高いのは、繁殖年齢の終わりに差し掛かろうとする時期である。
女性のオーガズムにおいて見る
これと似た年齢分布のカーブは、女性のオーガズムにおいて見ることもできる。キンゼイ報告は、配偶者とのセックスやマスターベーション、婚外セックスなどの性行動全般を通じて、それぞれどれくらいの女性がオーガズムに達しているかの統計を取った。
その結果、女性が婚外セックスによってオーガズムに達する割合は、やはり年齢に応じて一定のカーブを描いて変化することが解った。二一歳〜二五歳では、オーガズムを得ている女性の全体のうち夫以外とのセックスによるものはわずか三パーセントにすぎない。それが、繁殖年齢の終わりにさしかかる三六歳〜四五歳になると三倍以上の一一パーセントに達し、閉経後の五六歳〜六〇歳ではふたたび四パーセントにまで下がる。
女性の婚外セックスと、そこからオーガズムを得る割合が、繁殖年齢の終わりに差し掛かるにつれてピーク達する理由はいくつか存在する。この時期の女性は、夫からあまり厳しくガードされなくなるで、若い女性と比べて婚外セックスの機会を利用しやすくなる。
また、年を取った女性は、嫉妬に駆られた夫から被るコストも少ないので、婚外セックスの抑止がはたらかない。たとえば浮気がばれても受けるペナルティが軽いので、比較的自由に婚外セックスの欲求をみたすことができるのだ。
夫以外の情事は
自分の繁殖価値がゼロになる前に新たな配偶者を得ようとする女性の努力の表れでもある。この見方を裏づける証拠が、浮気をしている既婚男女二〇五人を対象にした研究から得られている。女性の七二パーセントが、情事の動機を、単なる性的欲求ではなく、感情的な絆や長期的な愛情によるものだと答えているのにたいし。男性で同じ回答したのは五一パーセントだった。
別の調査でも、男性は女性に比べ、情事に感情的なつながりを求めず、純粋にセックスのみを追求する傾向が、二倍近く強いことが明らかになった。また、配偶者以外との情事を重ねている女性のうち、自分の結婚生活を幸福だと見なしているのは三三パーセントにすぎないが、男性では五六パーセントがそう見なしているという調査結果が得られている。
幸福な結婚を送りながら感情抜きの情事を重ねたり、結婚生活に不満がないのに浮気したりするのは、女性より男性に多い。不倫に走る女性が、不幸な結婚生活を送っていたり、浮気相手との感情的なつながりを求めることが多いという事実は、女性たちの情事の目的が新しい配偶者を得るためであると示唆している。
男性の婚外セックスのパターン
男性の婚外セックスのパターンは、女性とは大きく異なっている。男性は一生を通じて、配偶者以外とのセックスを、より頻繁かつコンスタントに行なう。既婚者の欲求を見ると、男性は女性よりも婚外セックスを強く求めていることがわかる。
ある調査によれば、アメリカ人男性の四八パーセントが婚外セックスの欲求を抱いているが、女性ではわずか五パーセントにすぎなかった。アメリカ人男性七六九人と女性七七〇人を対象とした結婚生活の幸福度を調べた調査でも、ときどき配偶者以外の相手とセックスしたいと思うと答えたのは、男性が七二パーセントにたいし、女性はわずか二七パーセントだった。
ドイツの労働者階層を対象とした調査でも、これと似た傾向が示されている。既婚男性の四六パーセントが、もし魅力的な相手とカジュアル。セックスができる機会があればセックスに応じると答えたのに対し、同じ回答をした既婚女性はわずか六パーセントにすぎなかった。
こうした欲求は、しばしば実際の情事へと発展する。キンゼイ報告は、一六歳〜六〇歳までの男女が、どれくらい婚外セックスを行っているかを調査しているが、すべての年代で、男性は女性よりも浮気をしている割合が高かった。
一六歳〜二〇歳という最も若い年代でも、既婚男性の三七パーセントは、少なくとも一度は浮気の経験があると答えているのにたいし、同じ年代の既婚女性ではわずか六パーセントでしかなかった。また、浮気している男性の割合は、どの年代でも比較的一定であり、年をとってもわずかな減少しか見せない。
婚外セックスをしている男性にとって、そうした不倫はごくまれな火遊びではない。それどころか、配偶者以外との情事は、あらゆる年代を通じて男性の性行動の大きな部分を占めている。一六歳〜三五歳の男性が行うセックスのうち、五分の一すなわち二〇パーセントは配偶者以外の相手とのものである。
その割合は年を取るとともに確実に増え続け、三六歳〜四〇歳では三〇パーセント、そして四六歳〜五〇歳では三五パーセントに達する。愛人や売春婦と定期的に婚外セックスを行っている男性の場合、年を取るにつれて婚外セックスの重要性が増していく傾向がある。
妻とのセックスはなおざりにされ
性行動全体のうちで占める割合がどんどん小さくなっていく。男性が進化させてきた性的心理メカニズムに関してこれまで得られた知識から推測すれば、そうした男性たちとって婚外セックスの重要度が増していくのは、同じパートナーとセックスを繰りえ返すのに飽きるためか、妻が年をとるにつれ夫にとって性的魅力が失われるせいだと考えられる。
一生のうちに不倫する割合
男性と女性が、それぞれ一生のうちに不倫する割合は、配偶システムの性質によって決まってくる。たとえば一夫多妻の配偶システムのもとでは、妊娠可能な女性の大分部は結婚しているに、配偶者を持てない男性が数多く存在する。こうした社会では、不倫関係に陥る男女の割合は、一夫一妻制の社会とは違ってくるはずだ。
セックスをしたい独身男性は、既婚女性を相手にする以外に選択肢がないからだ。また、少数の地位の高い男性が、多数の地位の低い男性の妻と密通するといった慣習が、過去の時代はふつうに見られたし、現在でもいくつかの社会で観察できる。
一例を上げれば、ユリウス・カエサルをはじめとするローマの皇帝たちは、他の男性の妻と同衾することを法律で認められていた。こうした状況のもとでは、不倫をする女性の割合は男性よりも必然的に高くなるだろう。
人類が進化せてきた性戦略の特性として、男性は女性よりも婚外セックスをするものだとか、男性の性行動は不可避的に不倫につながるというわけではない。男性の性的心理は性的な多様性を追及するように形成されており、もしコストとリスクが低ければ婚外セックスを求めるというだけの事なのだ。
女性もまた短期的なセックスを求め、そのなかには婚外セックスも含まれるが、こうした形のセックスにたいする女性の欲望や夢想、モチベーションは、男性と比べる平均して弱い。婚外セックスは、男性の一生を通じて、性的欲求の大きな部分を占めつづける要素なのである。
つづく
閉経
煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。