デビィツド・M・バス 訳=狩野秀之
女にとっての利益
おそらく、男性がカジュアル・セックスから得る繁殖上の利益がきわめて広く、直接的なものであったために、女性が短期的な配偶関係から得る利益はこれまではほとんど無視されてきた。女性は、たとえ数多くの相手とセックスしたところで、自分が産む子供の数を増やせるわけではないからだ。
しかし、それでもなお女性は多種多様な性的レパートリーをもち、その戦略の一つとしてカジュアル・セックスを採用することで、別の重要な利点を手にすることができる。われわれの祖先の女性たちは、何らかの状況のもとで、少なくとも何度かは、利益を得るためにカジュアル・セックスを求めたに違いない。
というのも、もしそういう女性がまったく存在しなかったとしたら、男性が自分自身の利益のためにその場限りの性的関係を結ぶことはおよそ不可能であり、一過性の情事を求めるような心理メカニズムを進化させることもなかっただろうだからだ。
男性の場合と違い。祖先の女性たちにとって、一時的な男女関係の最大の目票は、セックスという行為自体ではなかった。その理由は簡単明快で、女性たちは別に精子を必要としていたわけじゃない。
むしろ、あらゆる女性が求めていたのは必要最小限の性行為であり、必要最低限のセックスを提供してくれる男性に事欠くことはなかった。それ以上の余分な精子を受け入れることは、受精という観点からすれば無駄でしかない。
カジュアル・セックス
カジュアル・セックスが女性にもたらす重要な利益の一つは、資源を直接手に入れる途(みち)が開けることだった。数千年前、われわれの祖先の社会が食糧の欠乏に襲われたと想像してみよう。獲物はなる動物はいない。不吉な初霜が降り、もはや灌木も実をつけない。そんなとき、幸運な狩人が一頭のシカを仕留めた。獲物を持って引き上げてくる狩人の姿を、飢えに苦しむひとりの女が見かける。
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彼女は獲物の肉の一片を手に入れようと、狩人に取引を持ちかける。資源と引き替えのセックスセックスと引き換えの資源――この二つは、人類が出現して以来、それこそ数え切れないほど交換されてきたのだ。
アマゾン流域のメヒナク族やトロブリアンド諸島の現住部族などの伝統的な社会では、男性が恋人に、タバコや檳榔子(びんろうじ)といった食物や、鼈甲の指環や腕環といった装身具をもっていく。贈り物をしなくなると、女性たちはセックスすることを拒む。「何もしてくれないのなら、もう付き合わない」とうのが、こうした社会の若い女性の感覚なのだ。
トロブリアンド諸島では、男性は贈り物をしないと女性たちの間で評判がガタ落ちとなり、将来恋人を得られなくなりかねない。トロブリアンドの女性たちは、情事を通じて物質的な利益を得るのである。
進化の歴史
進化の歴史において、女性が短期的な性関係から物質的・経済的利益を得ていたことの心理的証拠は、現代女性の恋人選び方に見ることができる。前述した一時的および永続的な配偶者を選ぶ場合とくらべて、次の四つの資源を重要視する。
すなわち、最初から多額の金を使うこと、贈り物をくれること、贅沢な生活を送っていること、自分の資源を気前よく振る舞ってくれることの四つだ。女性にはこうした資質に対し、夫を選ぶ場合には、「やや望ましい」という高い評価しないが、一時的なセックス・パートナーを選ぶ際には、「きわめて望ましい」という高い評価を与える。
また女性は、愛人が倹約家だったり、付き合って間もないうちから吝嗇(りんしょく)さを示したとすることを嫌う。そうした資質は、その男性が資源を気前よく提供したがらないことを意味するからである。このような女性の心理傾向から、女性が情事を通じて得る主要な適応上の利益とは、男性から直接資源を引き出させることだということが読み取れる。
カジュアル・セックスから得られる経済的資源・売春
カジュアル・セックスから得られる経済的資源という利益は、売春という端的なケースにおいてもっとも明確に示される。さまざまな文化を通じて、売春を職業とするのは、結婚する機会を得られなかったせいで経済的に困窮している女性が多い。
たとえば、台湾の原住民族やソマリアのソマリ族の社会では、不貞が原因で夫から離縁された女性は二度と結婚はできないことが多い。また、中国やミャンマー、あるいはボーニー族の社会では、処女でない女性は結婚できない場合がある。アステカ族やルソン島のイフガオ族では、病気にかかっている女性は結婚できない。
こうした社会では、結婚できない女性たちは、生活に必要な経済資源を得るために売春を生業とすることが多い。
反対に、結婚の労苦から逃れるために売春を選ぶ女性たちもいる。シンガポールのマレー人女性たちは、薪集めや洗濯といった主婦に科せられる重労働を避けるために売春婦となることがある。また、エチオピアのアムハラ族やザンビアのベンバ族では、売春婦が自分の稼ぎで男を雇い、本来ならば主婦の義務とされる仕事を代わりにやらせている。
その場限りのセックスに応じることで得られる経済的資源は、女性にとっては大きな利益でありつづけているのだ。
情事はまた、セックス抜きのデートでは得られない情報をもたらし、花婿候補を値踏みする機会を提供してくれる。適切な夫を選ぶことで子孫を残すうえできわめて重要なので、女性は最大限の努力を払って候補者を評価し、選別する。
婚前セックス
婚前セックスは女性にとって、花婿候補が何を考えているかを知るチャンスなのだ。この男はただのその場かぎりのセックスを求めているのか、それとも真剣に結婚相手を探しているのか? やがて自分を捨てたりはしないだろうか? また、婚前セックスをすることで相手がどんな人格の持ち主か――どの程度までストレスに耐えられるか、どれくらい頼りになるか――を知ることができるだろう。
男が嘘をついている可能性――男が本当に独身なのか、それとももう決まった配偶者がいるのか――を見抜くこともできるし、さらに、男の配偶者としての価値を正しく判定し、その男が他の女性たちにどれくらい魅力的に映るかもわかるだろう。
性的相性
性交渉をもつことは、カップルに自分がどれだけ性的に相性がいいかを確かめる機会を提供し、関係が長期間にわたって続くかどうかを判断するうえで重要な情報をもたらしてくれる。女性はセックスを通じて、相手の繊細さや、相手が自分の幸福を気にかけてくれるかどうか、考え方の柔軟性などを読み取る。
性的に不一致のカップルはやがて破局に至ることが多いし、またどちらかが不倫に走りやすい。サミュエル・ジェイナスとシンシア・ジェイナスによれば、彼らが調査した離婚経験のある男女のうち二九パーセントまでが、自分たちが離婚した最大の理由はセックスの問題だと述べており、これは他のどんな理由よりも高かった。
このように、不実な配偶者や離婚によってかかる潜在的コストは、結婚前にセックスの相性を核にしておくことに回避しうる。
女性が一過性の情事の相手を選ぶ際の傾向は、彼女たちがカジュアル・セックスを、未来の配偶者候補を値踏みする機会をとして利用していることを示唆している。もし女性たちが、男たちの大部分と同じょうに、ただ手っ取り早いセックスを、一夜限りの情事の相手を求めているのだとしたら、相手の男にすでに妻がいたり好色だったりすることは特にマイナスにはならない。
女性も男性と同じく、恋人の好色さを「どちらでもいい」もしくは「やや望ましい」程度に評価しているはずだ。ところが実際には、女性は恋人にすでに配偶者がいたり女たらしだったりすることを極端に嫌う。というのも、すでに配偶者のいる男性とは結婚は難しく、また女たらしの男は短期間の関係を繰り返す性戦略を取っている。
そのため、こうした資質をそなえた男性と長期的な配偶関係をきずける可能性はどうしても低くなる。既婚だったり好色だったりすることは、その男が誠実でなく、永続的な配偶者としてはふさわしくないことを明確に意味するものであり、さらに男から資源を引き出すという点でも妨げにとなる。
男が女から女へ渡り歩いていたり、あるいは妻との関係に縛られていたのでは、自由に使える資源などたかだか知られているからだ。
女性が短期的なセックス・パートナーを求めるのは、夫に求めるのとよく似ている。どちらの場合も、優しく、ロマンティックで、理解があり、情熱的で、感情が安定し、健康で、ユーモアがあり、自分の資源を気前よく与えてくれるような男性が求められるのである。
身体的な面
身体的な面でも、背が高く、運動神経がすぐれ、魅力的な男性が好まれるという点で共通している。それはきわめて対照的に、男性のセックス・パートナーの好みは配偶者の好みとははっきり異なる。
このように、短期的なセックス・パートナーの場合でも、配偶者場合でも女性の好みが変わらないという事実は、女性がカジュアル・セックスの相手を夫の候補者として見ており、それゆえに高い基準を求めるという理論を裏書きしている。
女性がカジュアル・セックスから得るもうひとつの潜在的利益は、自分がどれくらい男性から求められているかを正確に把握できるということである。人類の進化の歴史において、自分の価値を正しく見極められなかった男女は、子孫を残すうえで不利益をこうむってきた。
自分を過小評価することは悪い結果を招く
特に、自分を過小評価することは悪い結果を招いた。自分の価値を過小評価したためにあまり望ましくない男を配偶者にしてしまった女性は、手に入れる資源も乏しく、夫が子供に注ぎ込む投資も少なく、さらに夫の優秀でない遺伝子を子供に伝えることになりかねない。
自分を過大評価した女性
一方、自分を過大評価した女性も、婚姻市場でよけいなコストを強いられることになる。そうした女性は夫に求める基準をあまりに高くしてしまうので、彼女の眼鏡にかなう男性は少なくならざるを得ない。基準をクリアできる男たちはもっと理想的な女性を手に入れることができるので、彼女に目を向けようとしないのだろう。
それでもなお自分を過大評価しつづけたままでいると、年齢を重ねるにつれ、実際の価値はどんどん下がっていってしまう。多くの男性と短期的の情事を同時に進行させたり、次々にくりかえしたりすることで、女性は婚姻市場における自分の価値をより正確に判断できるようになる。自分が獲得できそうな男性の質について、役に立つ情報を得ることができる。
カジュアル・セックスを通じて後ろ盾となる保護者を獲得
女性はまた、カジュアル・セックスを通じて後ろ盾となる保護者を獲得し、他の男性や競争相手の女性との争いに備えることができる。自分を保護し、守ってくれる第二の配偶者を確保していれば、攻撃やレイプされる可能性の高い社会に生きる女性にとっては大きな利点となる。
ヴェネズエラのヤノマミ族などのいくつかの社会では、女性は男性の暴力にさらされやすく、配偶者の保護がない場合には、身体的暴力やレイプを受けたり、ひどいときには子供を殺されたりする。この部族の女性がどれほど弱い立場にいるかは、
幼い時にヤノマミ族の男に誘拐されて育てられたひとりのブラジル人女性が詳細に証言している。
あるとき彼女は、他所の村から来た男にレイプされそうになったが、ヤノマミ族の男たちはだれひとりとして助けようとしなかった。彼女はどの男とも結婚しておらず、彼女を保護してくれる特別な男友達もいなかったからである。
自分の身を護ってもらうために、こうした特殊な友情を利用することは、同じ哺乳類であるサバナヒヒら先例を見ることができる。メスのヒヒは主要な配偶者とは別に、一頭もしくはそれ以上のオスと特別な友情を結んでおり、他のオスの嫌がらせから守ってもらう。メスは発情期に入ると、そうした「男友達」と優先的に交尾するが、これは保護とセックスが引き替えになっていることを示している。
ロバート・スミスは、次のように指摘している。
「主要な配偶者が、つねに妻と子供を保護できるわけではない。不在の場合もあるからだ。そんなときには、他の男性と交わって保護を受けることが、女性にとっては有利な行動となる…主要な配偶者が不在なとき(たとえば狩に出ていて留守の場合)は、新たな関係を結ぶのに格好の機会であり、またそうする必要がある…男性は、自分の遺伝子が子供のひとりに受け継がれている可能性があれば、すでに配偶者のいる女性の子どもたちを保護するにちがいない」。
愛人は、主要な役割
愛人は、主要な配偶者に何かあった場合に、その代替要員の役割を果たす、配偶者が姿を消したり、病気や傷を負ったり、子供をつくれないことがわかったり、死んだりすることは、われわれの祖先が暮らしていた環境ではそう珍しいことではなかった。たとえば、正式な配偶者が狩に出かけたまま帰って来なかったり、部族間の戦いで殺されることもある。
また、集団内での男たちの地位が移り変わるものであり、ある女性の夫がいまは族長だったとしても、やがて没落し、その地位を失って資産も奪われてしまうかもしれない。そうなった場合、女性はゼロからやりなおすよりは、手っ取り早く配偶者を取り替えてしまうほうが利益は大きい。
ゼロからやり直して次の配偶者を獲得するのに手間取ってしまった女性は自分の価値が徐々に下落していくなかで新しい相手を見つけるという多大なコストを支払わなければならない。交代要員の男性をあらかじめ確保しておくのは、女性にとって有益なことなのだ。
こうした配偶者交換は、一雌多雄制のシギの一種アメリカイソシギにも見られる。生物学者マーク・コルウェルとルイス。おリングは、ミネソタ州リーチ・レイクのリトル・ペリカン島に生息するアメリカイソシギを四千時間にわたって野外観察した結果、次のような発見をした。配偶者以外のオスと交尾しいるメスは、将来、その「愛人」のオスと継続的な配偶関係を結ぶ確率が高い。
つまり、アメリカイソシギのメスは、あるオスがどれだけ条件を満たし、どれだけ役に立つかをテストする手段として交尾を利用しているのだ。一方、オスのほうは、そうした配偶者交換の裏をかくこともある。一部のオスは配偶者以外の相手と交尾しようとするとき、自分の縄張りを離れ、他人の縄張りをいくつも渡り歩く。
こうすれば、そのオスがすでに配偶者をもっていることを、メスの側は察知できないはずだからだ。このような雄雌間の駆け引きはあるにせよ、不倫が最終的には配偶関係に変わるという事実は、複数の相手との交尾が、配偶者交換の手段として機能していることを示唆している。
カジュアル・セックスが配偶者交換機能を備えているという証拠は、次の二つの研究から得ることが出来る。まず第一の研究は、女性が浮気するのは、現在の配偶者とのあいだに不満がある場合が最も多いことが明にした。
対照的に、男性の場合、たとえ浮気をしても、浮気をしていない人間に比べて、特に結婚生活に不満を抱いているわけではない。二番目の研究では、ハイディ・グレイリングと私が行ったもので、女性が現在の配偶者を替えようとしたり、配偶者と別れやすくしたりするために、浮気をする場合もあることが明らかにしたものである。
カジュアル・セックスの相手が、社会的地位の向上をもたらしてくれることもある。モデルのマーラ・メイプルズと実業家の大立者ドナルド・トランプの情事は、その典型的な例だろう。この情事のおかげで、メイプルスはたちまち有名になり、高額のギャラを提示され、新たな社交界のスターの仲間入りすることができた。
このように女性は、社会的地位の高い男性と関係をもつ――たとえそれが一夜かぎりの情事に過ぎなくても――ことにより、自分の地位を上げることがある。配偶市場の経済学では、社会的地位の高い男性が最上の女性を手に入れると考えられているため、地位の高い男性と関係をもった女性は特別の存在と見なされる。
そうした女性たちは、たとえ一時的にせよ、より高い階級の一員となり、その階級内で永続的な配偶者を見つけるチャンスを得る。元どおりの階級に留まった場合でも、そのグループ内における地位は上がり、より理想的な夫を得ることができるようになる。
女性がカジュアル・セックスを通じて、より優秀な遺伝子を子供に伝えるということも、理論的にはありえる。一時的なセックス・パートナーにたいする男性の姿勢を考えると、配偶市場の経済学では次のような事が言える。
女性にとって、高い地位や優秀な遺伝子を持つ男性とは、結婚するよりもただセックスする方が簡単なのである。たとえば女性は、まず地位の低い男性と結婚して、その男から投資を確保しておき、同時に夫の目を盗んで地位の高い男から遺伝子を得ることができる。
二重戦略の存在
こうした二重戦略の存在は、生物学者ロビン・ベイカーとマーク・ベリスがイギリスで行った調査で明らかになっている。イギリスの女性たちは、自分の夫よりも社会的地位の高い男性と浮気することが多いのだ。
女性の浮気は優秀な遺伝子を得るためのだとする理論の、ひとつの変形といえるのが「セクシーな息子」仮説と呼ばれるものだ。この仮説によれば、女性が、他の女性に人気のある男性をカジュアル・セックスの相手に選びたがるのは、自分の息子にその男性的魅力が受け継がれるのを期待してのことである。
そうなれば、息子は次の世代の女性たちを魅了し、子孫を残す上で大きな成功を得られる。反対に、大部分の女性から相手にされない男とのあいだにできた息子では、繁殖上の成功など望めないだろう。
この理論を裏付ける証拠を、前述した配偶関係に関する調査から得ることができる。女性が永続的な配偶者を選ぶ基準はカジュアル・セックスの相手を選ぶ場合より厳しくなるが、それにも重要な例外があることが、この調査の結果明らかにされた。身体的な魅力に関しては、
カジュアル・セックスの相手を選ぶ場合が、より高い水準で求められる。
このようなカジュアル・セックスの相手の身体的魅力に固執する傾向は、女性が進化の歴史において「セクシーな息子」の成功から利益を得てきたことを示す心理的な痕跡かも知れない。
確実なところはわからないが、人類学者たちが推測するところでは、進化の歴史を通じて、大部分の女性は自分の意志で結婚を決めたわけじゃない。結婚が父親や親族によって決められていたという証拠は、現在でも先史時代と似た状況にあると考えられる部族社会において数多く見出すことができる。
また、周囲が結婚相手を決める習慣は、インド、ケニア、中東をはじめ、世界の多くの地域でごくふつうに見られる。このような結婚は、女性が短期的な男女関係から得る利益と機会を制限してしまう。
とはいえ、結婚が親や親族によって決められる社会でも、親をうまく操たり、秘密の情事に走ったり、親の意思に逆らって駆け落ちしたりすることで、女性は自分のセックスや結婚をかなりの程度まで選べることは確かだ。たとえ結婚相手が周囲によって決められてしまった場合でも、こうした選択を行うことで、短期的な男女関係から利益を得る途は開かれているのである。
つづく
カジュアル・セックスのコスト
心と快楽と身体のすれ違の「セックスレス」を、どうやって埋めていくのか。たかがセックス、されどセックス、といつも思う。そして、寿命が延び、いつまでも女、いつまでも男と願っても叶えられない現実は不倫、浮気しかないのか?