デビィツド・M・バス 訳=狩野秀之
性的な空想
男性がカジュアル・セックスを求めることの進化的な基盤を探るうえで、もう一つの心理的な手がかりを提供してくれるのが性的な空想(ファンタジー)である。青少年向けのあるビデオのなかでは、ひとりの男性ロック・スターが、たくさんのビキニ姿の女性たちに囲まれて浜辺で戯れている。また別のビデオでは、やはり男性のロック・スターが、歌いながら女性のすらりと伸びた脚を次々に愛撫したり、下着しか身に着けていない女性たちを眺めていたりする。
こうしたビデオが若い男性にアピールするものとしてつくられている以上、そこから引き出される結論は明白だ。男性の性的空間の鍵となっているのは、若くて美しく、積極的な女性たちと数多く性交することなのである。
性的空想という点では、男性と女性の間には大きな違いがある。日本、イギリス、アメリカの三カ国を対象とした調査によれば、男性は女性にくらべ、性的空想にふける頻度が二倍近い。
睡眠中も、男性は女性よりも性的なことがらを夢に見ることが多い。男性の性的空想には、まったく関係のない人間や複数のパートナー、見知らぬ相手などがしばしばあらわれる。大部分の男性は、ひとつづきの空想のなかで何度もセックスのパートナーを替えるのにたいし、女性はあまりパートナーを替えることが少ない。
ひとつの空想のセックスの相手を入れ替えたことが一度ものないと答えたのは、女性では四三パーセントだが、男性では一二パーセントにすぎない。一方、これまでの人生で、少なくとも一〇〇〇人以上の相手とセックスを空想したと答えたのは、男性では三二パーセントいたのに対し、女性ではわずか八パーセントだった。
また、三三パーセントの男性が集団セックスの空想を抱いたことがあるのに対し、女性では一八パーセントでしかない。ある男性が典型的な性的空想として挙げたのは、六人かそれ以上の裸の女から、舐められ、キスされ、フェラチオされる」というものだった。また別の男性は、次のような空想について語っている。
「私は小さな町の市長になっている。その町には二〇歳から二四歳ぐらいの裸の女たちがたくさん住んでいる。私は町へ散歩に出るたびに、その日目についたいちばん素晴らしい女を選び、彼女は進んで私とセックスする。私は好きなときに、どんな女とでもセックスできる」。登場する女性の数と目新しさは、男性の空想生活において中心を占めている要素なのだ。
男性は空想の中で、感情的要素を無視し、身体の部分や体位のみに焦点を当てる。男性の性的空想は極めて視覚的であり、滑らかな肌や身体の各部分の動きといったものをクローズアップしがちである。性的空想において、感情より視覚的なイメージを重視すると答えたのは、男性では八一パーセントにおよぶが、女性では四三パーセントでしかない。
魅力的な女性が肌を大きく露出させて誘いをかけ、献身などを一切求めない、というのが男性の性的空想に頻出する要素なのだ。ブルース・エリスとドナルド・サイモンズの観察によれば、「男性の性的空想のもっとも顕著な特徴は、そのなかのではセックスは純粋な情欲であり、肉体的な満足でしかないという点だ。そこには、微妙な関係もなければ感情的な繊細さもなく、複雑なプロットも恋愛遊戯も、求愛も広い意味での前戯もない」。こうした空想は、数多くの相手とのセックスを求める心理的メカニズムの存在を示すものほかならない。
対照的に、女性の性的空想には、慣れ親しんだパートナーが登場することが多い。アメリカ人女性の五九パーセントは、自分と既に恋愛もしくは性的関係にある相手が空想に現れるのがふつうだと答えているが、アメリカ人男性の場合はわずか二八パーセントにすぎない。また、女性にとっては、感情やパーソナリティといった要素が中心的な役割を演じる。
空想に登場するパートナーの人格や感情が重要だと答えたのは、男性では一六パーセントでしかないが、女性では四一パーセントに達する。ある女性がこう述べている。「私はいつも、今一緒に暮らしている男の事を空想する。ときどき、彼に対する感情に自分自身が圧倒され、包み込まれ、押し流されてしまうように思えることさえある」。
女性は性的な空想において、優しさやロマンス、人間的な触れあいといった要素を強調する。女性は、パートナーの視覚的イメージが自分をいかに反応してくれるかという点を重視するのである。
つづく
魅力の評価
煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。