サイモン・アンドレアエ/沢木あさみ=訳
エジプト王室の近親相姦、違う? 同じ?
人類の性行動はどこでも同じパターンにのっとっている――この考え方は、人類学者にとって馬鹿げたものに思える。人類が初めて新しい世界を探して大海を渡り見知らぬ民族に出会ったときからみな、習慣というものはいかに人種によって違うかを彼らは嬉々として語ってきた。セックスに関してとなれば、なおさらである。
古代世界ではすでに、ローマ人たちがエジプト王室の近親相姦に驚き、祖国の人に報告した。中世になると、スペイン人の征服者たちはインカの人々の倒錯について日記を書いた。
そしてヴィクトリア期、神の言葉を伝えるために“野蛮な”アフリカやアジアやオセアニアへ出向いた宣教師たちは、息を切らして集団レイプや小児愛、処女を奪う儀式、性奴隷。未亡人を生贄にする習慣など関する報告を次々と送った。
その後も、時代とともにやや、“中立”な議論になったとはいえ、“違い”を強調する報告は続いている。人類学とは部族や文明の違いを発見し、宣伝することによって成り立っている学問だからである。
研究者たちは現在の西側社会と違う基準をもった文明であればあるほど、魅力を感じることようだ。性や結婚の面でまったく違う民族についての論文を書けば、成功が約束されている。その学舎の名声は、一挙に高まるのである。
夫婦の間での暴力や恋の破綻、不満足なセックス
差し込み文書=「性生活において75%の女性は長さも太さも重要であると考えており、サイズが小さいかっこいい男よりも、サイズが大きいけど平均的見た目の男の方が好ましいと81%が回答しています。男性との性交では、膣内は中オーガズムとして得られる。そしてセックスの中心といわれ<子宮頚部(噴門)が大オーガズムとして得られるものであると。
女性の性感帯は陰核、陰唇、膣口、乳首、尿道口、Gスポット、耳、首からなる約8部位からなるとWikipediaでは記している。が、それら8部位は前戯としての性感帯であって、小オーガズムとして得られる。
と言われております。性感帯8部位と膣、子宮噴門が高度な心地良さを感じて最高潮となり大脳皮質においてドーパミン系機構からドーパミンが大量に躰全体に放射されることで子宮が3-15回ほどの筋収縮が起こる、これが究極のオーガズムと呼ばれるものであるWikipedia提供文献からから推測される」
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オーガズムの定義から引用
夫婦の間での暴力や恋の破綻、不満足なセックスなどについてこれでもかというほど報道されている社会の中で人々は、こうした異文化の中により良い世界があるのではないかと思ってしまうのである。
性がそれほど違う顔を持つのなら、どんなん問題も解決できないわけがない。そう思ってしまうのである。
だがこうして文化を調べていけばいくほど、怪しくなってくる。研究者の視点から投げかけてくる質問が間違っているせいで、解釈を間違えている場合もある。あるいは、手柄を立てるのを焦るあまり人類学者が、たまにしか起きない出来事を普遍的な事実のように誇張し、例外を掟だと思い込むこともある。
また宣教師たちも自分たちの布教を正当化するため、神の意図に沿わないと思われる行動を熱心に探し回ったり、捏造してしまうこともある。
“未開民族”の中にも、これに手を貸す例がみられる。有名か例としては、トロブリアンド諸島の住民が世界的な有名な人類学者プロにスラフ・マリノフスキーに、自分たちはセックスと子づくりと関係があるとは知らないのだと思い込ませたことがある。
マリノフスキーはこれに関する論文を発表するが、その後、子どもたちがどうやってできるぐらい、島民たちはとっくに知っていたことがわかった。
また、マンガィア島の住民たちが、セックスするが恋はとはどういうものか知らないと嘘をついたこともあった。村の少年たちが酔って吹いたほらを、人類学者たちが信じたのである。
第一部を読んでいただければ、性には人類共通の本質があることが解って頂けたと思う。この第二部では、人類は三万年かけて性の“文化”を作ってきたこと、そしてその土台には共通する人間の本質があることを説明していきたいと思う、それぞれの文化の中で人間の性は、地形や人口分布、技術等の違いによって様々な形をとってきた。
けれども、その土台には、同じ本質があるのである。人間の性の文化こそが、文明の形を作り、中には滅びた文明も栄えた文明もある。そして人間の性の文化こそが、今日の私たちを作ったのである。
つづく
19、不思議なフィーリング近親相姦
テリは家中を歩き回って、ランチにやって来る姉を迎える準備をしていた。一人は姉のボーイフレンドで、驚いたたにもう一人は、長年あっていなかった兄のキムだった。キムは生まれたばかりのとき養子に出され、そこで育ったのだ。