脳の教科書

煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。トップ画像

脳の教科書・加藤俊徳著

聴覚系脳番地トレーニング

成長のきっかけは生まれてすぐの本能的欲求
 聴覚系脳番地も、他と同様、おもに言語の聞き取りに使われ番地(左脳側)と、周囲の音に注意を払うときに使われる番地(右脳側)に分けられます。

 このうち言語を聞き取る番地が成長を始めるのは、生まれて数カ月が終わってから。
 生まれたばかりの赤ちゃんは、母親がいくら声をかけても、それを「言葉」だとは認識していません。ところがずっと話し続けているうちに、聴覚系脳番地の枝ぶりが良くなり、左脳にある言語系の脳番地が発達し始めるのです。これは、赤ちゃんが言葉を認識できない段階から声をかけて脳を刺激することで、未発達の能力を引き出したことになります。

 実はこれこそが、脳番地トレーニングの原点なのです。
 最初からすべての細胞が力を発揮しているわけではなく、外部から情報が入ることで、それを処理するために潜在能力細胞が成長を始め、他の細胞とネットワークをつくりながら発達していく・・・。このように、潜在能力細胞の機能を高め、成長した能力細胞に発達させる営みこそが、正しい脳番地トレーニングなのです。

 潜在能力細胞から能力を引き出すために、最も必要なのが「〜したい」という能動的な思考、生まれて間もない赤ちゃんも、本能的に「言葉を理解したい」と思うからこそ、言語系の聴覚系脳番地が伸びていくのです。
 これがもし、「〜させられる」という受動的な思考であれば、引き出される能力もごく限られたものになってしまうでしょう。
 何事も受身でなく、自分から「〜したい」と考えたほうが、潜在能力細胞から多くの能力が引き出されますが、その象徴的な存在が聴覚系脳番地なのです。

 聴覚系脳番地が発達している職業の代表格は音楽家です。他にもテレフォンオペレーター、塾講師、意外なところでは落語家が挙げられます。落語家が膨大な数に及ぶ噺(はなし)を師匠から聞き、自分のものにしていくには、話すだけでなく聞く能力も必要とされるからです。

●ニュースを見ながらアナウンサーの言葉を繰り返す

テレビのニュースを見ながら、アナウンサーの発言を正確にリピートします。ディクテーション(聞きたものを速記する)とはやや意味合いが異なりますが、聴いたことを反芻(はんすう)して正確にリピートすることは、それだけで聴覚系脳番地を刺激することになります。

 最初のうちは、文章自体が長かったり、なじみのない固有名詞が出てきたりすると、うまくいかないかもしれません。しかし回数をこなすと、1度聴いただけで正確にリピートできるようになるのです。

 この作業を何度も繰り返していると、やがて「聴いた内容を正確に覚える」という行為が脳の中で習慣化されていき、1度聴いただけでも自然と人の話が覚えられるような回路ができていくのです。

 最終的には、しばらく時間がたった後でも話の細部を再現できる状態にまで持っていきたいところですが、すぐにそのレベルまで達することは難しいでしょう。
 ですから、まずはひとつのニュースが読み上げられた後に、その内容をできるだけ正確に再現することにチャレンジしてみてください。

 耳で聴いた内容を正確にリピートする力が付くと、いろいろな場面で応用できます。
 メモがない場面でも相手の話をきちんと記憶できたり、交渉において重要な場面で相手の言ったことを誤りなく繰り返すことができるようになるでしょう。

 ちなみに、落語家はこれ良く似た方法を修行に取り入れていると聞きます。
 稽古の時は師匠から30分ほど噺を聞くそうですが、その間はメモを取ることができません。したがつて、終わった後で即座にその内容を書き出すそうです。

 噺の内容はもちろんのこと、扇子を使うタイミングも、師匠とまったく同じ型、まったく同じ間の取り方で再現しなければならいため、師匠と膝をつき合せて聞かないと、型通りに伝承されないとのことでした。
 日頃からこうした訓練を積んでいるため、落語家の聴覚は鋭く研ぎ澄まされているのです。

 遠くのテーブルの会話に耳を澄ませる

「カクテルパーティー効果」という言葉をご存じでしょうか。
 パーティーの最中、周囲が騒がしくても、話したい相手の声や聴きたい音だけは、きちんと耳に入ってくるというものです。

 まわりが騒がしい場所にいるときに、近くにレコーダーを置いて会話を録音しても、後で聴き直すと雑音に阻まれて、細部まで聞き取ることができません。
 しかし、人間の耳を使うと何の支障もなく会話ができるのは、たくさんの音の中から相手の声だけを脳が選択的に聴き取っているからです。

 この「カクテルパーティー効果」を利用して、聴覚系脳番地を伸ばすトレーニングをしてみましよう。
 飲食店などに入ったら、自身の席から少し離れた場所に座っている人たちの会話に耳を澄ましてみるのです。

 どんなに小さな声でも、「聴きたい」という意思がある以上、脳は能動的に音をキャッチしようとします。この「聴きたい」という意思こそ、積極的に脳を使う「したい思考」であり、脳番地を活性化させる原動力となるのです。

 ここでもう一つ重要なのは、会話を聴いて話し手の背景を「推測」すること。遠くの声に耳を澄ませると、会話の端端から、話し手がどんな人なのかを自然と推測することになります。
 また、誰かの発言に対して、「なぜ、その言葉出てきたのか」「そこにいる人たちがどういう関係なのか」を考えることになります。
 この推測が、聴覚系脳番地の中の「人の話を理解する」番地を鍛えることになるのです。

●あいづちのバリエーションを増やす

 このことからもわかるように、人は会話中に相手がきちんと反応してくれないと不安を感じてしまうものなのです。

 適切なタイミングであいづちを入れたり、相手がうなずいて欲しいところでうなずいたりするのは、この章の冒頭でも述べた「聞き上手」になるための最も基本的なスキルです。それだけに、会話時の「聞く」リアクションは意識して実践してみるべきでしょう。ただし、「適切なタイミングで」といっても、いつも同じあいづちしか打てない人は相手に飽きられてしまいます。
 また、間違ったあいづちを打てば、話が思わぬ方向に脱線したり、相手に不快感を与えたりすることもあるでしょう。

 要するに、あいづちを打つにも「技術」が必要だということです。そこで、会話をするときには、さまざまなあいづちを意識的に使い分けてみてください。たとえば「そうですね」という言葉も、言い方によって相手の感じ方が全然違います。「そうですね!」と言えば、相手の言葉に全面的に賛成というニュアンス。

 一方、「まぁ、そうですね・・・」という場、口では同意しているものの、何か腑に落ちていない感じが伝わります。
 また、相手が話し終わってから、しばらく間を置いて「そうですね」と言えば、良く考えた上で納得したというメッセージを与えることができるでしょう。

 このように、あいづちを使い分けるためには、相手の話にきちんと耳を傾け、話の細部まで理解していなければなりません。
 また、効果的なタイミングであいづちを打つには、話の中のキーワードに素早く反応することが必要でしょう。
 このように話に集中しようという意識が、聴覚系脳番地を鍛えることにつながるのです。

●聞こえているのに、聞こえない?

学校の授業や人の長話を聞いていると、つまらないものと思った瞬間、急に言葉が頭に残らなくなってしまうものです。
 耳をふさいでいるわけでもないので確かに聞こえているはずなのに、話し手の言葉が頭の中を素通りしてしまう・・・・。
 これは情報が聴覚系脳番地で「行き止まり」状態になっているからです。
 行き止まりにならなければ、音声情報が理解系脳番地などに移動し、そこで聴いた音声がしばらく保持され、その意味が分析されます。したがつて、内容を忘れてしまうということはありません。
 しかし、音声情報が行き止まりになってしまうと、後からどんどん新しい音が入ってくるので、言葉はその番地で消えてしまうのです。
 人の話を単に聞き流すだけでなく、意味が理解できるまで音を頭の中に残そうと意識すると、言葉は消えることなく、長く保持することができるでしょう。
つづく 視覚系脳番地トレーニング