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《非婚シングル・キヨシさんの場合》

本表紙上野千鶴子著

《非婚シングル・キヨシさんの場合》

キヨシさんは54歳。末っ子でお母さん子として育ってきた。大学入学を機に都会へ出て、いったんはそこで就職したが、勤め先は不況で倒産。父親が高齢になりつつあり、母親が心細がって「帰っておいで」というので、40代で地元に戻った。独り者だったので、Uターンも気楽にできた。

 そのとき間にあわせて世話をしてもらった現在の勤め先に、そのままずるずると10年以上居続けていた。典型的な同族会社で、親父さんの外には、社員と言えばパートの女性事務員と自分だけ。10年前からいっこうに昇給しないが、親父さんの懐具合を知っているから、無理は言えない。

 会社の親父さんには息子がいるが、出て行ったきり後継者になる気はなさそうだ。不況で業績がじりじり後退し、親父さんが商売をたたもこうかと思っているフシが伝わる。後継者を託される可能性はないが、託されてもこの業種に未来はないだろうと。

 息子でなくてよかったと思うが、仕事がなくなったら、いい歳をして特別の才能もない自分を雇ってくるところなど、この田舎にはないだろうと思う。

 地元にも仕事がないので、高校時代の友だちは、ほとんど都会に出ていった。自分のようにUターン組は「負け組」扱いされるので、町へ出ても面白くない。

 帰った直後には、「お父さんとふたりじゃ間が持たない」とこぼしていた母親は、はりきって自分の好物を作ってくれたりして、それなりに元気だった。それから間もなく父親が脳こうそくで倒れ、母親と一緒に看病して見送った。「あんたがいてくれたおかげ」と、母親には感謝された。

 母親と自分がいるから安心したのか、都会に出ている兄と姉たちは、ときたま孫を連れて見舞いに来る程度で、ちっとも戦力にはならなかった。葬式が終わったら、来る回数もめっきり減ったような気がする。父親を見送ってからは、母親もすっかり老け込み、最近は物忘れもひどくなった。

 母親の年金と自分の給料で食うのがやっと。父親が残してくれた古い家があるので、何とか食べていける。この家も老巧化して、雨どいの修理だの、配水管のつけかえだので、まとまったカネがいる。母親を亡くしたら、と思うと心配でいてもたってもいられない。

 無理解の夫に尽くしたように、末っ子の自分にも、母親のもめまめしく尽くしくれたおかげで、何の不自由も感じずに来た。帰ればフロがわいていたし、メシの用意もあった。洗濯物もたたんでおいてあった。結婚など考えずにすんだ。

 ときどき顔を合わせる近所のおばさんの珍らしげな視線がイヤだったが、見合いの話を持ってきてくれる人もいなかったし、若い女は都会へ出て行き残っていなかった。

 出戻りの女と付き合ったこともあるが気圧(けお)されたし、若い女は気が強くイヤだった。それに、自分がこの歳になるまで童貞だったということを言い出せなかった。いや、風俗での経験はあるが、しろうとの女性と性経験のない男を「しろうと童貞」と呼ぶことを知った。

 素人の女は何を考えているか解らないので、面倒くさい。気が向くと隣町のレンタルショップでアダルトDVDを借りてくるくらい。女がいなくても、べつに不自由はない。

 母親が認知症になったり、寝たきりになったら、どうしたらいいのだろう。家のなかのことは何もしたことがない。お茶も自分でいれなかった親父と同じだ。つい先日も、母親が数日検査入院したときは、毎日コンビニ弁当を食べて過ごした。

 カネ、家事、介護‥‥‥不安だらけだが、なるべく考えないようにしている。定年までいまの仕事が続きそうに思えないし、自分の老後はどうなるのだろう。ほとんどなつかない甥や姪が面倒を見てくれるとは思えない‥‥。

《男性に「おひとりさま耐性」はあるか》

これらのプロフィールは、いささか戯画化して描き出したもの。自分はこのタイプのどれにも当てはまらない、と思えたら合格。

 以上のようなタイプ分けは、年齢や世代と直接対応しているわけではない。
 どの世代にも、これら3つのタイプが少しずつまじりあっていて、その割合が違うだけである。
こんなうれしくもないタイプ分けをするのも、男おひとりさまは、死別・離別・非婚と、一人になるなり方によって、生活、価値観、交友関係、ライフスタイルなどが大きく違っていそうだからだ。お互いに友だちになれると思えない。

 それに女性にくらべ、困難な課題も多そう。だから、男おひとりさまについて書くのはイヤだった言ったでしょう。話がなかなか明るくならないからだ。

これだから男はややこしい。女は、ず―っとシングルも死別・離別のシングルアゲインも、なってしまえばみんな同じだが、男はそうではないからだ。

女なら非婚シングルだって、誰もいない家で自分のために“主婦してる”ことに変わりはないし、暮らしの作法やスキル(技能)は身についているし、既婚女性だって、だんだんひとりになる家族の縮小を経験しているし、子どもがいても既に成人して別居していれば、一人暮らしの日常は同じ。

そうはいっても、男に「おひとりさま耐性」がないわけじゃない。
転勤を経験している大企業サラリーマンのうち、約半数には単身赴任の経験あり、というデータもある。ひとり暮らしの不如意(ふにょい)だけでなく、おひとりさまの開放感を味わったことのある男性もいるはずだ。

そに、一人暮らしの経験のある男性は、必要に迫られてか、けっこうまめである。配偶者に選ぶなら、一人暮らしの経験のある男性に限る、という調査データもある。
はたして、男おひとりさまのサバイバル術は、女とどう違うのだろう。

男が介護を引き受けるとき

死別の“番狂わせ”もあるが、介護の“番狂わせ”もある。
 妻との死別・離別はもとより、男は自分が介護される立場になることほとんど想像していないが、介護する側になることは、もっと想像していない。
 
 だが、データは、男も介護者になることを示している。
 40代から女性の乳がん羅患率はぐんと増えているし、認知症を発症する女性もいる。難病や慢性病で長い闘病生活に入った妻を、介護する立場に立たされる男性もいる。

 乳がんの見つかった患者の問診で、医者から「旦那さんがついていながら、こんなになるまでどうして見つからなかったんですか」??責されたというエピソードがある。

 夫は妻の乳揉み担当(?)と、おもわれているようだが、セックスレスになって久しい夫婦もいる。それでも夫婦がそろっているうちは、夫婦の間で看護や介護を引き受けるのが当たり前、になってきた。
 つづく  《増えている男性の家族介護者》