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「おとこ心のQ&A」

本表紙  国分康孝・国分久子=共著=

「おとこ心のQ&A」

男性の自己中心性

Q:男性のエゴ(この場合は自己本位の意)をあげるとしたらどんなことが一般に言えるでしょう。

A:男性は一般的に仕事志向、地位志向ですから、人の業績でも自分のもののような顔をしたがることだと思います。注意深い上司はかなり意識して「これは部下の○○君の功績です」とトップに報告します。
 意識しない限り、ついうっかり自分だけの手柄顔する傾向が男性にはあるようです。
 それゆえ男性のエゴは女性のわがままは少し違ったエゴです。対照的にいえば男性のエゴは競争心(攻撃性)、女性のエゴは甘え(愛情欲求)が主流を占めていると思います。

男は科学者的か

Q:男は科学的・客観的に考えるが女性はそれが苦手、と一般的にはいわれますが、それはどうでしょうか。

A:男性のほうが科学的・客観的とは言えないと思います。それは文化のせいです。女性でも数学・土木工学・経営工学などを受験するのがおかしくない時代になりつつあります。それゆえ将来は男性のほうが科学的・客観的とは言えなくなると思います。

 女性は感情的だという人はたぶん、生理的に不安定な時期の言動だけから女性の傾向を一般化しすぎているのではないでしょうか。男性でも体調がすぐれないと感情的になります。
 もうひとつ。「女性は感情的」という人は、女性のわがままのことを言っていると思います。男でもわがままものは論理的思考によわいものです。わがままが許されない状態で゛育った人間は科学的・客観的にならざるをえないと思います。

◆  痴漢の心理

Q:男はなぜ痴漢になるのでしょうか。

A:第一の理由は、男は性感情の意識度が女性より高いからです。性的欲求の量はたぶん男女とも差はないと思いますが、意識度に差があると思います。
 第二の理由は、性感情および性的行動への文化的規制が女性より男性のほうがよわいからです。
 第三の理由、女性の場合性感情は受身的状況の中でないと充足されないのに対し、男性のそれは能動的行動にあるからと考えられます。
 それゆえすべての男性は痴漢候補者といえます。

男の友情、女の友情

Q:男の友情と女性のそれとどう違うのでしょうか。

A:独身時代は同じだと思います。結婚してから違ってくると思います。結婚したあと男性は女性より不安が強くなると思います。今までの文化では男が一家の柱であり、女性は被護される立場になるからです。不安が強いとお互いに心の通いあう仲間をもつことによって、この不安をやわらげたくなります。

 それゆえつき合いで酒を飲んだり、クラス会に出たりしたくなります。仲間と生活感情をわかちあうことによって生への意欲も出てきます。

 女性は夫にいう頼るものがいるので、とくに同性と心の交流をもたずにはおれない切迫感が少ないと思います。
 男性でもさほど同性との友情を持とうとしない人もいます。
たぶん、妻に頼っている人です。そういう人の妻は、同性との友情を必要とすると思います。夫に頼れず、夫が愛情の対象にならないからです。
 ここで私のいう愛情とは感情のギブ・アンド・テイクのことです。夫に頼られるばかりの妻は、ギブばかりでテイクがないわけですから、対等のつきあい――ギブ・アンド・テイク――つまり同性との友情を持ちたがるはずです。

男にとっての出世の意味

Q:多少のことは犠牲にして出世を望む男性がいますが、男性にとって出世はそれほど重要なことなのですか。

A:そうなのです、ここがたぶん、女性がもっとも理解しにくいところだと思います。男は自分が出世すれば妻も喜んでくれると思い込んでいますが、妻にすれば「妻を無視して自分のことしか考えていない夫」と映るようです。

 私は女性も職場進出するにつれ、男がいかに出世したがっているかを知るようになると思っています、女性自身もやがて出世願望が出てくると思います。「認められたい欲求」は老若男女を問わず、人間の基本的欲求だからです

男の職場と女の職場のちがい

Q:女ばかりの職場は人間関係が難しいと言われていますが、男の職場でも出世とかが絡んで女性の職場以上に難しいと思いますが…。

A:男の職場も女の職場も難しさは似ていると思います。それは嫉妬心だと思います。同じような仕事をしていても認められる人とそうでない人が出てくるので、心の中で争いが生じることです。

この場合、男女のちがいは、女性は自分のパーソナリティが認められたかどうか(好かれたかどうか)に敏感で、男性は自分の仕事が認められたかどうか(公平に評価されているかどうか)に敏感なことです。

認められなかった側は腹が立ちますから、仲間の悪口を言いたくなります。そして不公平な扱いをした上司の悪口をいいます。ここも男女とも同じです。

上司としては女性の扱い方の方が難しいと思います。
 客観的に判断しにくい人柄を平等に扱い。感情を大事にしなければならないからです。男の場合は客観的に仕事ぶりを評価すすればよいのですから比較的しやすいと思うのです。

出世しない男の心理

 Q:万年平社員に甘んじている男性はどのような気持ちでしょうか。

 A:様々な事情があっての万年平社員ですから、そのさまざまの事情を甘受し、これが自分の人生であったと達観している人が多いと思います。つまり人生の哀感・諸行無常を知っている人が多いということです。

  職場での不遇をカバーするために、いい父親、いい夫、趣味人、熱心なボランティア、資産家など、いわゆる出世組の及ばない人生を楽しんでいます。むしろ出世組のほうが万年平社員に同情される部分があるようです。

男性は女性蔑視的か

Q:男女平等の世のなかだと言いますが、仕事・学力の面にかけて。女のくせにという気持ちをほとんどの男性はもっているものでしょうか。

A:仕事や学問の世界ではそういう感情をもたないのが普通です。アンナ・フロイドやメラニイ・クラインやカレン・ホルネイそれからスルフなど心理療法の世界でいい仕事をした女性は少なくありません。
 そして男性心理学者でこれらの女性を軽視する人はいません。
ところが日常生活では違います。お茶を入れてくれない女性やにこやかでない女性、行儀のわるい女性には「女のくせに」と思う男性が圧倒的に多いのではないでしょうか。
 すべての男性が女性には母親を求める傾向があるからです。

しかし、これからの若い世代の母親が男性に伍して生活していくようになれば、その母親に育てられた子どもたちは「女のくせに」とは考えなくなるでしょう。

◆ 女性のあら探しをする男性

Q:女性が経済的能力を身につけると、食べるために結婚する必要がないから、純粋に愛そのもののために結婚するでしょう。しかしそうなると、男性は女性を支配しにくくなるので、女性の欠点を探し出すことに懸命にならないでしょうか、そうして夫婦関係のバランスを失うことにならないか心配です。

A:新しい時代に適応できない男性はそうなると思います。新しい時代の男女関係は、上下関係、支配・服従関係でなく、ヨコの関係、協力関係にならざるをえないと思います。
 それゆえ、これからの男性は女性との協力的な人間関係を学習する必要があると思うのです。女性のあら探しをする男性の心理は「引き下げの心理」といって、劣等感を克服しようとする非生産的なあがきです。

女性の地位向上への男のホンネ

Q:女性の社会的地位の上昇について男性はどのように考えているのでしょうか。

A:自分の上司が女性であるということで劣等感をもつ男性は少ないと思います。たとえば薬の指示に多くの亭主は従っています。

 役割の上下関係については非を唱えませんが、女性は概して視野が狭いので困るという男性は意外に少なくありません。もし高地位の女性が低地位の男性の抵抗にあうとすれば、それは女性だからなめられているのでなく、視野が狭いからだと思います。

コンプレックスは愛を妨げる

Q:男の人が女の人に対して何かのコンプレックスをもっていると、愛することができないのでしょうか。

A:そうです。
劣等コンプレックスがあると相手に対して防衛的になるか、攻撃的になるかします。防衛も攻撃も愛を妨げます。
 カイン・コンプレックスがあると、相手と競う心理にかられます。相手をライバル視します。足の引っ張り合いは愛ではありません。

 エディス・コンプレックスがあると、相手の女性を愛することによって母親に対する罪障感が生じます。
 それゆえ板挟みの心理です。結局は女性をあきらめ母親を取ります。
 コンプレックスについては拙著『カウンセリングと精神分析』を参照してください。

男性のきらう女性

Q:男性がもっともきらう女性のタイプとはどんなものでしょうか。

A:これは男女とも同じだと思います。女性の嫌う男性とは、女性のナーシシズムをつぶす男性です。同じように男性の嫌う女性とは、男性のナーシシズムをこわす女性です。

 ところでナーシシズムとは、自己中心性・うぬぼれ・万能感をワンセットにした自己愛のことです。
 これはすべての人間にあります。つまりどんな人間にも人にチヤホヤされたい、誉められたい、認められたいという欲求があります。
 これが満たされないと誰でも意気消沈します。そして腹が立ちます。たとえば「あなたそれでも男なの?」「あなた冷たいのね」というセリフは男を不快にし、「あなたやっぱり男ね」「あなた以外にやさしいのね」は男に自信を与えます。

女性の魅力

Q:男性は女性のどんな場面を見てもいいなと思っていますか。また、どんな場面を見てイヤだなと思いますか。

A:第一の質問に対して「身だしなみ」と「にこやかさ」をあげます。たとえば合宿のとき、寝ぼけ眼で朝食をとる男たちのなかで、きちんと身づくろいした爽やかな顔をした女性をみると、「やはり女性はえらいなあ」と感嘆します。

 兵隊が疲労困憊(こんぱい)しているときでも、将校はきちんとした服装と元気な顔を失わないようにしますが、あの心意気を女性に感じたとき、いいなあと思います。
 第二の質問に対しては、「身だしなみ」「わがまま」を挙げたいと思います。

女性はなぜクヨクヨするか

Q:男の人に比べ女の人は性格的にさっぱりしておらず。クヨクヨ考えたり、あとあとまで根に持つことが多いのはどうしてでしょうか。

A:今の文化では女性の方が抑圧的だからです。自己表現が男性ほど許容されていないので我慢しています。ゆえにいつまでも心に残るのです。子どもが、ほしいケーキを我慢すると夢にまでみるのと似ています。

 ゲシュタルト療法ではこれを「未完の行為」といいます。いいたいこと、したいことをきちんと完成しない限り、いつまでも心に残るので、それを完成させよとゲシュタルト療法では教えています。

 女性でもさっぱりした人はいますが、たぶんふだんから「未完の行為」が少ないからです。男性にもクヨクヨ考える人がいますが、抑圧的な人柄ゆえに「未完の行為」が多いのだと思います。

 それゆえ、男も女も必要に応じて自己主張する能力があれば、いつまでもクヨクヨしないですみます。相手を怒らせないように自己主張する方法を工夫することです。

わがままの心理

Q:恋愛関係にある男女が相手にわがままをしたくなるのはなぜでしょう。

A:親しくなるにつれ構えが取れホンネが出るからです。この場合のホンネとは、男性は女性に母親を求め、女性は男性に父親を求めることです。
 私たちは教養・学歴・年齢・地位・職業を問わず、いくつになっても親を恋うる気持ち、親に甘えたい気持ちがあります。
つづく  ふたまたかけた愛