いくら不倫の恋がつらいと言って、何もそこまで思いつめることはないだろう。と言う人もいるかもしれない。そんなことを考えるのはやめなさいというのは簡単だが、不倫の恋に苦しむ女性たちの心の叫びにもっと耳を傾けるべきではないだろうか。
「死んでしまいたい」という心の叫びに、家族や周りの人々はひどく動揺し、一体彼女に何があったのか追及しはじめる。
不倫の恋に何か大きな事件があったからこそ、死を考えたりするのだと信じて疑わない。けれど実際には大きな事件など起こっていないケースがほとんどである。かえって、いいことにしろ悪いことにしろ、何か大きな動きがあったなら、彼女は「死んでしまいたい」などとは思わないはずだ。彼女を精神的に追い詰めていったのは、大きな変化でなく、この恋に変わらない日常なのである。
彼を愛している。でも彼とは一緒になれない。不倫の恋の苦しみのほとんどはこの基本的な構造から発している。様々な階段を経て、様々な努力をし、長い時を重ねても、結局最後はここに戻る。一番好きな人と決して一緒になれない人生なら、もう生きている意味はない。彼女たちの「死んでしまいたい」理由はいたって純粋でシンプルなものだ。
だから、もしあなたがこの恋の中で「もう死んでしまいたい」と思うことがあったら、原因を究明しようとしても無駄である。「死んでしまいたい」とい想いはあなたの中でごく自然に生まれた願望なのだから、無理に詮索したり抑え込もうとするのではなく、まず自分自身を認めてあげることが大切だ。
そして「死んでしまいたい」と思うことが異常だとか、悪いことだとか、自分は弱い人間だというような認識を捨ててほしい。
なぜなら「死んでしまいたい」という気持ちの半分は、必ず「死んで生まれ変わりたい」と言う気持ちが含まれている。
この上なくネガティブに感じられるこの思いが、実は非常にポジティブな側面を持っていることにも驚かせられるほどだ。あなたは今、最大のピンチである反面、最大のチャンスを手に入れているのである。「死んでしまいたい」と思えるあなただからこそ、必ず生まれ変わることができるのだ。
もちろん、これはあなたの解決になることはないかもしれない。けれど、あなたの状況を脱する第一歩であることを願っている。苦しみの底にいるあなたに、ここまでしか手を差し伸べられないことを許してほしい。