女性では、閉経によりエストロゲンが低下することにより発生する。医師により「更年期障害」と診断される人は、更年期女性の2−3割とされ、心身の不調(ほてり・のぼせなどの血管運動神経症状)を呈する。
男性では、概ね40歳以降、加齢やストレスなどにより男性ホルモンであるテストステロンが低下することにより発生する。男性の更年期障害はLOH症候群と呼ばれる。
女性に対しても男性に対しても、ホルモン療法が有効とされる。また漢方薬やプラセンタを使って治療することもある。
閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を、飲み薬(経口剤)や貼り薬(貼付剤)として補充するホルモン補充療法(HRT)が行われる。欧米ではすでに30年以上の実績があり、日本でも十数年来行われてきた療法で、更年期障害を改善しクオリティ・オブ・ライフを高め日常生活を快適に過ごすために有効かつ適切な療法として評価・活用されているが、[1]男性向けのテストステロン補充療法は日本では保険適用外である。
HRTを継続して受けている間に、運動・食事・検診などにも注意するようになるという副次効果も推察されている[1]。月経の有無や症状の種類に応じ、エストロゲン単剤あるいはエストロゲン・黄体ホルモン配合剤などが使用される[2]。
日本ではこれまで経口剤、貼付剤が使用されてきたが、2007年に国内初の「肌にぬるプッシュ式ボトルのジェル剤型」エストラジオール外用剤「ル・エストロジェル」[3]が新たに承認、発売された[4]。塗布跡が残らず皮膚刺激も少なく毎日の使用が簡便で一定量が取り出せるのが特徴である。
HRTは骨粗鬆症改善効果や美肌効果、アンチエイジング効果も併せ持つが、投与方法によっては乳癌、子宮癌、卵巣癌といった婦人科系悪性腫瘍が若干増加することがあるほか、下肢血栓症など血液凝固系疾患が増えるという欠点がある。
日本では、女性の更年期障害の治療薬としてメルスモン製薬が作っているメルスモン注射薬が保険収載されている。1956年に厚生省より承認された。
ソース元wikipedia