臨床像
? HSV-1は主に口唇ヘルペスを生じ、ヘルペス口内炎、ヘルペス角膜炎、単純ヘルペス脳炎の原因となりうるとともに三叉神経節に潜伏感染する。
、新生児ヘルペス、ヘルペス髄膜炎、ヘルペス脊髄炎の原因となりうるとともに仙髄の脊髄神経節に潜伏感染する。
? 一般的にHSV-1は性器ヘルペスを起こさないと思われているが、実際はHSV-2同様原因となりうる。性習慣の変遷とともに必ずしもHSV-1が口、HSV-2が性器といった完全な棲み分けは成り立たない。
? 初感染したHSVは局所にて病巣を生じたのち、または不顕性感染のまま上記の神経節に潜伏感染する。免疫低下時や免疫抑制剤などの投薬時に再活性化され局所に痛みを水疱、糜爛などの症状を伴って現れることがある。これらの水疱を採取してトリパンブルー溶液などで染色、顕微鏡下で観察するとballooning-cellと呼ばれる巨細胞をしばしば認める。
? 再発性が高く、同じ場所に病巣が再発することが多い。
? ヘルペス?疽(ひょうそ):手指などに単純疱疹が多発し、相当な痛みを伴う。看護師などの医療関係者、重傷のアトピー性皮膚炎の患者などに起こることがある。
? ヘルペス後神経痛:ウイルスの頻繁な再発等で感染した部位を中心に広範囲な神経痛(痛み、痺れ、疼痛)が後遺症として残ることがある。
? HSV-1は、頭頸部や中枢神経系のほかにも、肺や肝臓で感染症を引き起こすことがある。
疫学[編集]
単純ヘルペスはヘルペスウイルスによる感染症であり、一旦感染すると現代の医学では完全に根絶することができず、そのため一生涯、神経節に寄生し続け、体調の悪化や紫外線、寒冷刺激、ストレスなどによって体の免疫力が低下したとき、単純ヘルペスのウィルスが増殖。
神経節から神経繊維をとおって同じ場所で発症し、不愉快な症状を起こすことになる。調査によると日本人では60歳を超えると80%以上、推定では800万人以上が陽性、つまり寄生感染している状態といわれている。