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第一章 不倫の恋をする男たちの喜怒哀楽

本表紙 著書=亀山早苗=

ピンクバラ不倫の恋をする男たちの喜怒哀楽

「浮気は男の甲斐性」という言葉が以前あった。それが廃れたのは、戦後、女性がだんだん強くなると同時に男性側にも男女平等感が浸透していったからであろう。サラ―リマンが増えて、一夫一婦制を順当に守ることが社会的にも望ましいという風潮があったかもしれない。

 それでも、人の感情はとどめようがない。一夫一婦制を守ろうと結婚はしたものの、その後、異性を好きにならないという保証はない。結婚しているのに恋をする男を不埒(ふらち)だという考え方もあるだろう。一方で、結婚は結婚、外で女性と遊ぶのは勝手だとのたまう男が、今の時代にもいるかもしれない。

 ただ、この本の中では、「徹頭徹尾、遊びの恋をするプレイボーイ」「徹頭徹尾、セックスだけの関係と割り切っている男」は除外する。
 最初はどうあれ、いつしか本気になり、自分か相手のいずれか、または両方が結婚していることによって、悩み苦しんでいる(中には悩みから眼を背けている男もいるが)まじめな男性たちだけを取り上げたいと思う。

  つまり「浮気」をする男ではなく、「まじめに恋をしている男」の心理を探っていきたいと考えている。
 会った回数、関係を持つ回数によって「浮気」か「恋」かの区別をする気はない。
 たった一度の関係でも、その男性が長く心にとどめているのなら、それは恋かもしれない。

 逆にある程度、持続した関係であっても、その男性自身が「セックスフレンド。恋ではない」と認識しているなら、それはあくまでも恋とは呼ばない。
 相手の女性が恋だと思って苦しんでいたとしても。この本の中では、男性の意識を優先したいと思う。

 結婚は牢獄ではない。身は家庭にとらわれていても、心は自由。恋とはまさに落ちるものだから、落ちてしまつたらもがけばもがくほど深みにはまってしまう。家庭と恋人のはざまでもがく男性たち、そこに仕事や社会的立場などが加わり、自らの心の行き場を失ってしまう男性さえいる。
 彼らにとって、恋とはいったいどういうものなのか。まずは恋の時間軸に沿って、彼らの心理を追ってみたい。

ピンクバラ出会い

不倫の恋は出会いにもドラマがある 
「不倫」と呼ばれる関係にある男女は、いつどこで出会うのか。
 圧倒的に多いのはやはり職場、及び仕事関係。男女が顔を合わせる回数が多いほど、恋愛関係に陥りやすいという心理学の統計をそのまま如実に表しているかのようだ。上司と部下、あるいは仕事で関係のある他社の異性と。

 他には、習い事が一緒だった人、子どもの家庭教師、子どもの友だちの親、行きつけの店でともに常連として知り合った。などがあげられる。テレクラ、出会い系サイトなど、電話やパソコンなどのツールを使った現代ならではの出会いもある。

 出会いの状況について、いくつか声を拾ってみよう。出会いにもドラマがあることがよくわかる。
「映画館で、家庭がひたひたと崩壊していくようなアメリカ映画をひとりで見に行って、終わったとき、ため息をついてふっと横を見たら、同じようにため息をついている女性と目が合った。なんとなく一緒に映画館を出て、お茶のみに行った。当時、僕が四十三歳で、家庭的にもむずかしい問題を抱えていた時期だった。

 彼女も人妻で、夫との折り合いが悪くて悩んでいたとき。そこから一年間、泥沼の恋愛が待っていようとは思わなかったけど」(四十六歳)
「息子が小学生のころ、友だちと大ゲンカをした。親同士も会って話し合ったのだが、実はそのときのケンカ相手のお母さんと関係をもってしまった」(四十歳)
「妻がふたり目の子を産んだとき、妻の妹がしばらく手伝いに来てくれいた。寝食をともにしてみると、妻とはまったく性格の違う義妹にどんどん惹かれていった。

 いけないと思う気持ちがかえって仇(あだ)になって、一直線に義妹との関係にのめり込んだ」(三十九歳)
 「会社でコンピュータを扱わなくていけなくなり、自宅にもパソコンを買いこんで練習していた。
 そのうちメル友ができ、何度かメールのやり取りをしているうちに会おうということになって。
 お互いの性格をすでにメールでわかっていたので、会ってすぐに恋に落ちた」(三十八歳)
 
 それぞれの出会いを聞いてみると、偶然のようで必然なのかもしれないと思う。
 お互いに、少なくとも片方は必ず恋に落ちる状況要件が整っているからだ。配偶者との不仲、自分の人生への疑問、情熱を傾けるものの不在などなど。
 彼らが別の状況に置かれていたら、出会いはあっても恋には落ちなかったかもしれない。
 職場での恋愛で代表的なのは、上司と部下の関係。八歳年下の部下である独身女性と恋に落ちたことのある石井大輔さん(四十六歳・金融関係勤務)に話を聞いた。

「当時、僕は三十八歳。ある支店から転勤した職場に彼女がいたんです。最初から感じのいい女性だと思っていました。落ち着いて仕事もできる。それでいて明るい雰囲気をもっている。でも僕は自分が恋に落ちるなんておもってもいなかったんです。あるとき、珍しく彼女が仕事でちょっと大きなミスをしました。

 ふと気づくと、どうもそれ以前から元気がなかった。彼女には大きな期待もあったし責任のある仕事を任せていた。それで気になって食事に誘ったんです」

 上司としての親心だった。食事に行ってみると、彼女は重い口を開き、実は婚約を破棄されたと語った。
 三年間つきあっていた男性に、婚約直後、裏切られ、彼女は三十歳を目前に失意のどん底だった。淡々とそういう話をする口調に、彼は深い悲しみとつらさを感じたという。

「なんとか元通り、元気を出してほしい。僕ができることなら、と思って何度が食事をともにしているうち、彼女とふたりきりで会うことじたいが僕自身の生活の張りになっていることに気づいたんです」
 ふたりでごくたまに食事に行くようになって半年余り、石井さんの胸の奥に赤い火が灯るようになっていった。
 つづく 男が恋ごろを抱くきっかけ