亀山早苗 著
はじめに
最近、四〇代、五〇代で結婚する人たちが増えている。それまで機会がなくて独身だった人もいれば、再婚同士という人もいる。いずれも、このままひとりでいるのは寂しいから、毎日をもっと心豊かに過ごそうとしたいからという理由で、気が合うという原点に立ち戻って結婚していく。
中年と言われる年代で結婚した人たちは、みな、「穏やかな生活を本当に幸せだと思う」と顔をほころばせる。ひとりでいつづける「孤独感」は、年齢とともに苦痛になっていくものだからだろう。
一方で、結婚生活を続けてはいても、はたから見て、「この人たちはなぜ、夫婦でいつづけるのだろう」と感じさせる男女もいる。もちろん、夫婦のことは夫婦しか分からない。どんなありようも否定するつもりはないのだが、私の心の中では「謎」がどんどん膨らんでいった。
お互いに外に恋人が居て、それが薄々わかっているのに、しかも経済的にはどちらも独立しているのに、離婚の気配さえない夫婦もいる。もはや会話さえないのかというと、どうもそうではないらしい。ただ、男女関係はいっさいない。それなら別れて友だちでいた方がすっきりするのではないかと思うが、そうもいかないのが現実だという。
離婚するには「顔も見たくない」「同じ部屋の空気が吸えない」というほどの嫌悪感が必要なのかもしれない。そうでない限り、人は「離婚」という、いろいろな意味で事務的精神的手続きの煩雑なものには取り組もうとしないのではないだろうか。
○○セックス抜きの友だち夫婦
〇気遣いする男たち
〇夫たちの言い分
〇現代の男のプライド
〇愛想をつかしてはいるけれど
〇セックスなし、子どもなし
〇夫とのほどよい距離感
〇身も心も恋して
〇夫は夫、彼は彼
〇「恋」ではない関係‥‥
〇このままでいいのかと迷う日々
第6、三章 男性たちの「離婚しない理由
〇あきらめきれない恋心
〇「家庭」になじめない
第7 別居生活は長いけれど
〇冷えた関係ではあるけれど
○○ぎくしゃくしている夫婦関係
第8 四章それでも夫婦は続いていく!?
○○ヘンな夫婦かもしれないけれど
○○どうしてもセックスが好きになれない
○○恋を夫に相談してしまう妻
○○夫の不安と決断
○○それでも、ひとりよりふたり?
第9 夫に恋人が。そのとき妻は‥‥
○○苦しんで苦しんで得た覚悟
○○夫と恋人の破綻
○○第三の女の出現
おわり