性の問題、更年期よる性交痛・性機能不全・中  折れ・性戯下手によるセックスレスは当サイト製 品で解決できるが。パートナーの言動・行動から 発した忌々しいできごとからの嫌悪感からのセ  ックスレスは修復不可能である

炎情 熟年離婚と性 工藤美代子

HEADLIN

本表紙 工藤美代子 著

ピンバラ第一章女が悔いのない人生を求めるとき

・語られてこなかった熟年女性の反乱

・「五分早く、離婚という言葉を思い浮かべていたのよ」

・初夜の幸せを打ち砕いた、残酷な言葉が蘇って
・韓国の名医に聞いた「性器整形」の真実
・義侠心に背中を押され、整形大国に降り立つ
・連休前の美容外科はラッシュアワーの混雑
・「性器の整形」とはいったいどんな手術なのか

夫の非常識な言動が離婚の引き金になる

・女としての時間を燃焼させたい
・お似合いの夫婦が別れた「世間的な理由」
・六十二歳のキャリアウーマンが語るダブル不倫の日々

・淋しがり屋の恋人との逢瀬、そして突然の訃報
・離婚を決めたのは、次の一歩を踏み出すため

ピンバラ第二章 妻が浮気現場に踏み込むときl
・楚々とした女性が隠し持っていた、夜叉のごとき嫉妬心
・「すまないが別れてくれ。理由は聞かないでくれ」
・愛人の家を発見して、「乗り込むしかないと」と思った
・浮気現場での戦慄。セーラー服を着ていたのは‥‥
・夫の死を願うのにはワケがある
・「あの人は死ねばよかったのに」取材中に繰り返された呪詛(じゅそ)
・定年後の再就職で、生き甲斐を取り戻したはずが

・千五百万円の退職金を女につぎ込まれて
ごとき嫉妬心
 

ピンバラ第三章 南洋の島でアバンチュール

・夫のある身で出会った二十五歳年下の青年
・称賛の言葉に酔い、激しく燃えて
・新婚当初から「中折れ」でセックスレスの日々
・女性専門セックスカウンセリングの現場
・ふだん言えない本音を語れる「ささやきあいの会」
・未完成婚などの悩みにバイブレーターの使い方も指導
・マスターベーションより恋がしたい
・余命を知ったとたん毎晩のように求める夫

ピンバラ第四章 夫のメールを覗き見たことがありますか

・便利かつ恐ろしい、浮気発覚のツール
・「今夜はクマちゃんのお布団に一緒に入れないのね」
・コンビニおにぎり持参で事務所で逢い引き
・離婚届に判を押した夫と同居を続ける事情とは
・誰にも相談できない、セックスの不一致
・教授夫人の鑑として過ごした二十五年、貞淑な妻の告白
・四十八歳の誕生日に突きつけた離婚届
・毎度のフェラチオ要求に心も体も疲れ果てて
・朝から初老の夫が叫ぶ「セックス?」

ピンバラ第五章“円満離婚”と思いこんでいる夫の能天気

・「妻とは、お互いに責任を果たしたという感じでしたね」
・新しい恋人ができた夫は、きれいごとを並べたてた
・浮気に気付いたのは、ベッドでのちょっとした変化
・取り乱さないことがせめての意地だった
・セックスの道具が有効だったり、仇となったり
・「バイブレーターって、男のためにあるものだと思う?」
・自分自身の退職金を全部ほしいという妻の本心は
・引き出しのなかのモノの定位置がずれていた
・道具を使って、一度はセックスが再燃したが

ピンバラ第六章 普通の母親が陥ったギャンブル依存症 

・「この五年、どれだけ家族が苦しんできたかを聞いてほしい」
・父の看病もせず。駅前のパチンコ店消えた
・“ギャンブル離婚”した母と同居を始めたが‥‥
・家族をこわしてしまう依存症の恐ろしい
・別れは、自覚症状がないまま忍び寄ってくる
・「まさか自分が離婚するなんて、思ってもみなかった」
「あたしは思ったんですけど、結局、熟年離婚と癌はそっくりじゃないでしょうか」
・真面目な婿養子の夫に肩身の狭い思いはさせたくない
・したたかな不美人の尻に敷かれていた事実に嘆息
・弁護士からの書類にあった「夫婦の濡れ場」
・女将が語りだした、驚愕の裏切り体験
・毎晩のようにセックスした十年、義父母と同居がはじまって
・「妻にはソープランドでの経験があるのではないか」

・色情魔のレッテルを貼られ、争う気力も失せた

ピンバラ第七章「最後に勝った」と笑う妻の執念

・洒脱な雰囲気が失せ、くたびれた姿に
・愛人と同じ指輪に激怒し、夫の顔を「引っ掻いてやった」
・女癖の悪さと新興宗教入信に離婚を決意して
・愛人に見捨てられ、帰されてきた半身不随の夫

ピンバラ第八章「普通の朝食」に憧れ、すべてを失った男

・憎めない中年男が妻に復讐したかったこと・妻の反撃をかわし、喜び勇んで離婚届に判を押したが
・子連れ再婚夫とのセックスに心も冷めて
・キャリアウーマンが選んだのは実直な公務員
・夫の連れ子とは距離を保って平穏に
・ネグリジェを突き返されて、逆上した夫
・性交痛に耐えられず、ホルモン補充療法を試してみたが


敦子さんが閉経したのは四十六歳のときだという。その一年前から性交痛がひどくなっていた。とにかくペニスを挿入されると、膣が引っ掻かれるような痛さだった。しかも痛みは翌日まで残った。

 私の推測では夫の誠一さんは、あまり前戯をしないで、いきなり挿入したのではないだろうか。どうも二人が情熱的なセックスをしたとは思えない。
 そこで薬を処方され、性交痛は緩和されると聞かされた。ホルモン剤を服用し始めて一ヶ月後に誠一さんと性交渉を持った。

「ところが、あなた、全然治っていないんです。相変わらずすごく痛くて、ひりひりしました。主人にいったら物凄く落胆した顔をしていました、『お前嘘言ってんじゃないだろうな』とまで言われて、私だってムッとしましたよ」

ピンバラ第九章“熟女好き”の二十代男性とのセックスで潤う

・一通の手紙から始まった一人女性読者との交流・謎の熟女サークルに参加。飲み会の相手は可愛い年下の男

・悪妻から逃げるには「蒸発」するしかなかったあの頃
・自慢も娘をもった夫婦に、一片の陰りもなかったはずだった
・買い物に行くと言って、蒸発した父とその後
・継母から逃げた父は、地方で住み込みの職人になっていた
・「あの時代には、熟年離婚なんて言葉も、発想もなかった」

ピンバラ第十章 まさか三十年連れ添った夫がホモセクシャルだったとは.

・女性のように華奢(きゃしゃ)な彼に”一目惚れ”されて結婚

・夫婦生活がなくなった本当の理由に気づかず
・「相手が男だとは夢にも思いませんでした」
・どんな夫婦にも必ずブラックボックスがある
・別れたばかりの二人の言い分を同時に訊いてみれば

・元夫婦の言葉には真実味はあるが、かくも溝は深かった 

ピンバラ第十一章 女装癖の夫と別れたことは正しかったのか

・次々キャリアアップした妻のおだやかでない心境

・朝起きると、ベットの傍らにけばけばしい厚化粧の”女”が
・「主人が女装したいのは、私がブスだからなの?」
・離婚後に病死した夫に「ごめんなさい」と涙して
・異常なセックスしか知らなかった二十一年の悔恨
・「とても文字に書けないので一度会って話したい」
・クリトリスと乳首に固執する夫の異常な性癖
・爪楊枝に針――エスカレートする行為に絶望して
・性の不一致に傷つき、いま渇望するものは

ピンバラ第十二章女性の人気のアダルトグッズ事情に迫る 

・「いかなるものか」を知るために、「秋葉原へ向かった
・女社長が自ら開発した、大ヒット商品とは

・何回でも心いくまで
・イクことを知らない女性も「自分磨き」イクことを知らない女性も「自分磨き」
・性欲の処理は熟年世代の切実な問題

・携帯に写された若い女の痴態に涙が溢れて
・年下の夫を細腕で養ってきた
・資金を用立てたり、不甲斐なさに浮気をしてみたり
・お互い積もった不満が不幸なかたちで爆発することに
・「どうして携帯だったの? あたしに見つけてほしかったのかしら?」

ピンバラ第十三章誰かに甘えて現実逃避するのは、男のほう

・六十歳”現役”で、セックスを語れる女友達
・「久しぶりに会って欲情したよ」突然の告白に仰天
・ここ最近、疑問に感じていたことの答えは

・心の整理はつかないけれど、人生をあきらめない
・二度目の結婚が破綻するのを恐れていたあの頃
・執筆に逃げることができたが、夫への不満はくすぶっていた

・人間は死ぬときは一人で、潔く生きていこう
・熟年世代でも、遅すぎということはない
・あとがき

熟年離婚につきまとういちばんの問題は、実は感情の処理でもなければ、世間の偏見でも、家族の反発でもなかった。

 すべての体験者が口にしたことは、経済的な問題だったのである。特に専業主婦だった女性の場合は、離婚したいけど、経済的な裏付けがなければできないという現実だ。

 しかも、現在の日本の不況にあえぎ、けっして楽観できる経済情勢ではない。なんのキャリアもない熟年の女性が自立して生きていゆくのは、かなり厳しいのが事実だ。

 それにもかかわらず、離婚という選択を自らの手で下した女性たちは、私が驚くほど逞しく、新たな生活の再建を始めていた。その生命力の強さと、英知に、私は何度も感動した。

 彼女たちの胸の奥底にあるのは、「これで女としての人生を終わらせてたまるものか」という叫びだった。理性では、現状維持で安泰な生活が一番だと理解していても、身体がそれを拒否するのだと語った女性がいた。

 なるほど、心と身体が激しく亀裂するのが、熟年の世代なのかと、私は、その言葉に納得した。

 女性が閉経したら、もはや女性ではないといった観念は、まったく通用しないことを、私は取材の途中で何度も思い知らされた。もう孫がいる年齢になっても女性は女性であり、良いパートナーに恵まれれば。もう一度、豊かなセックスライフを送りたいと願っている。

 男性もまた、熟年離婚をした後に新しい妻と再出発したいと、ほとんどの人が語っていた。また、これは私の思い込みがあるかもしれないが、熟年離婚をした女性たちは何らかの形でセックスに関して傷ついた過去を背負っているように見えた。

 夫とのセックスライフが充実していたら、離婚はなかったと語った経験者もいた。それは、一瞬にして起きる突風ではなくて、長い年月をかけて、少しずつ吹き付けていた北風により、ある日、彼女たちの心も身体も完全に冷え切ってしまっていたという結末がある。

 それが、夫や妻の婚外恋愛や、介護問題などによって顕在化(けんざいか)すのである。そのときに、もう我慢するのを止めるのは、自分の生命を維持するための決断とさえいえるようなきがした。

 だから、熟年離婚と性の問題は私が予想していたよりも、はるかに強く影響しあっていた。ときには、いわゆる「大人の判断」を乗り越えて、生命の叫びを優先させた結果の先に熟年離婚という選択があったといって良いだろう。