人間は、生まれや育ち、もっといえば国や言語が違っても分かり合える同じ人間同士なんだから。そう思っていても、なかなか乗り越えられない壁にぶつかる時があります。

本表紙

プロローグ 女と男、違あるから引かれあう

本表紙 女と男、違うから深く愛し合える
柴門 ふみ 著

プロローグ 女と男、違あるから引かれあう 

 人間は、生まれや育ち、もっといえば国や言語が違っても分かり合える同じ人間同士なんだから。
そう思っていても、なかなか乗り越えられない壁にぶつかる時があります。
そして、それはとても身近な世界のこと。いくらボーダーレースな時代になったからといっても、それはけっして文化や世代の差ではないことが多い。
では、何かと言えば、女と男の考え方、感じ方の相違なのです。

 それこそ男女平等に育てられ(今は女の子だからランドセルも絶対赤なんて決めつけられことはなくなりましたし)、子供のころは女の子の方が優秀だったりします。
だから、つい、女や男という性別に関係なく、人間はみな同じように発想し、行動するとどこかで思い込んでいるところがあるのではないでしょうか。

 でも、それは勘違い。人間というくくりより、女と男というくくり方が強いと私は思っています。そうでなければ、この年になっても、まだ女と男ってこんなにも考え方が違うのかと、驚かされることが多いはずがありません。

それくらい女と男の違いというのは大きいものだと思います。
 でも、それは悪いことでなくて、お互いに違うからこそつき合って、分かり合っていくことが面白く楽しいんです。

もしまったく女と男の感性が同じものであったら、女と男だから引かれあうことはなくなってしまって、恋愛が成り立たなくなってしまうだけでなく、人間同士の係わり合いにおいて広がりがなくなってしまうのではないのか、とさえ思っています。

 そんな女と男の違い、人間関係の上手なつくり方を、作品を織り込みながら書いてみました。

 そうはいっても、私だって若かったころには、女と男の違いというような一般的なことはおろか、今つき合っているただひとりの彼の立場に立った考え方をすることすらできず、自分勝手に相手の気持ちはこうに違いないと決めつけて悩んでしまったり、怒ってしまったり、つき合う方だってたまらなかっただろうと思います。

【広告】 男と女というのは、実は結婚した時から飽きる方向にしか向かって行かない。いくら好きだからと言って、年中すき焼き食わされたら、誰だって飽きます。夫婦関係を永遠に繋ぎとめておくために、多種多様な戦術を利用する。そうした戦術の大きな基盤の一つとなるのは、配偶者がもともとどんな欲求を抱いていたかという点だろう。配偶者の欲求を満たす、そして例えば愛情とセックスによって繋ぎとめられるのが理想だが、大概の男女はオーガィズムの奥義をほとんど知っていないという実情がある。オーガィズム定義サイトから知ることができる。

 本当に思い込みと勘違いで、闇雲〔やみくも〕に突進して傷つけたり、傷つけられたり。
逆に、勘違いや早合点、よく言えば美しい誤解 ? がハッピーな結果を生んだり、それこそ泣き笑いの日々でした。

 今思い返せば「青春していたのね」と笑って言えますが、今その渦中にある人にとっては周りが見えない、自分を見失っているそんな心細さや、思いが挫折して堂々巡りをし、出口のない迷路に迷い込んでしまったような、つらい日々だと感じているんだと思います。

でも、安心してください。子供が二人いて、すっかりお母さんという年になっても、まだまだ男の人には驚かされているくらいですから、今の勘違いや、思い込みなんて大丈夫、些細なことです。

 それから逆に自分のまわりに散らばっている恋のシグナルを見落として、自分には魅力がないだとか、素敵な人との出会いがないからと思い込んでいる人。
気がついていないのは本人だけです。

 女と男がいる限り、恋のサインはあちこちに散らばっているもの。
本当にそれに気づいていないなら、それは女として怠け者だということかもしれません。

 素敵な恋をしたい、愛された、愛したいと思っている人たちの手助けになるようなことを伝えたいと思いました。女と男はやっぱり違う、その違いをちゃんと知り、理解することで、少しでもあなたが幸せのオーラを出して輝けるように、人生の少し先を歩いている私と一緒に考えて見ませんか。

モテる女は男女の違いを知っている

 近ごろ、若い女の子に会うとほとんどの人が決まって「彼氏ができないんです」「彼がいないんです」といったことを言うのです。
では、彼女たちのセンスが悪いとか、性格が悪いかというと、そんなことはまったくなく、むしろ平均以上におしゃれでもあり、話をしていても楽しい人たちなのです。

 どうしてかしら、と水を向けてもみんな同じように「わからないんです」と言うのです。なかには「もう年だし、しかたないかも・・・・」などと、私より十歳も若いくせに何をあきらめているのよ!と、背中をどんと叩きたくなるような人もいます。
 女は女であることをあきらめたら、もうおしまい。
いくつになっても「私、女を捨てないの」という気概を持ち、それをアピールすることが大切なんです。

 それでは「彼氏がいないこと」が彼女たちにとって重大な悩みかと思えば、どうもそうではないらしいのです。

くわしく話を聞いてみると、彼氏がいなくても「女同士で出かける方が気楽だし」「(デートしなくても)お稽古とごとで忙しい」「ひとりでも楽しく過ごせるし」といったような反応が返ってきます。

ではなぜ「彼氏がいない」ことをことさらに話題にするかといえば、「(雑誌の特集などを読むと)彼氏のいない子が少ないから」「いればもっと楽し いかも」「いた方がかっこいい」からといった答えがから、「誰かが紹介してくれたらいいな」などと思うところはいろいろです。
 むしろ女同士で「彼がいないです」ことを確認し合って安心しているところもあるようです。

 それは口癖のように「彼氏がいないです」という彼女たちが、積極的に彼を作るために何か努力をしているかといえば、「まわりにいないから」とか「出会いがないんです」と判で押したような答えばかりで、何もしていないのが現状のようです。
 この答え方をみると「(彼氏ができないのは、私のせいじゃなく)まわりの環境のせいです」「私は悪くないんです」と思っているような気がします。

 でも、彼氏ができないのをまわりのせいにしたり、いつか素敵な人が現れてつき合ってくださいと言ってくれることなどを夢見ているようでは、厳しい言い方ですが、一生かかっても彼氏など、ましてや自他ともに認める素敵な彼氏なんてできっこありません。いい男は自分で引き寄せるものです。

 モテる女の共通点とは

 ちょっと冷静になって自分のまわりを見わたしてください。
ほら、絶対一人りや二人、彼氏のいない時期がない人や、いつも何人かの男にチャホャされている人がいませんか? 決して美人でなかったりするのに、なぜかモテる女。

 女同士、なぜ美人でない彼女がこんなにモテるのかしらと、話し合っても理由がわからない。
彼女と私はどこが違うのかしらと考えても、これだと思い当たらない。

そうすると「男好きのする女なのよ」の一言で片付けてしまいがちですが、そう切り捨ててしまう前に、もう少しだけモテる女たちの言動をよく見てください。

 モテる女は、女の側の一方的な見方だけでなく、こんなとき男はこう感じるとか、こういうふうに理解するとか、幅広い視点で考えているんです。

 だから、男にしてみれば、自分の気持ちを分かってくれる=男が必要とする女、つまりモテる女になれるわけです。

 モテる女は、女と男の考え方の違いを知って、それをうまく利用しているともいえます。
だからモテればモテるほど、いろいろな相手の気持ちがより分かるようになり、またモテるようになっていくわけです。

 それでは初めからモテない人はどうするの、と思われるかもしれませんが、自分がモテた経験がなくても、モテる女を観察することや、男の気持ちを忖度(そんたく)することはできるはずです。

男を「観察」し、「分析」する

 私のマンガは青年マンガ誌に連載されていたにもかかわらず、女性の読者が多いのですが、彼女たちからよく聞かれるのは「どうしてあんなに男の人の気持ちが分かるんですか」ということです。

細かいことを言えば、それは本当の男の気持ちということでなくて、「女性がああこうだったのかと納得ができる男の気持ち」ということなのだ、とわたしは思っています。

それでも彼女たちは、自分が体験したいろいろな出来事から、似たようなマンガのシチュエーションに「ああ、あの時(私の思っていたのとは違って)彼はこう(私のマンガの中での主人公の気持ち)考えていのか」という発見があるからなのでしょう。

 私はマンガ家という職業柄もありますが、とてもよく人を「観察」し、なぜこの人がこう言って、こういう行動にでたかを「分析」します。それを繰り返すことで、この人がこう言ったら、それはこういう考え方で次の行動はこうなる、という「読み」ができるようになります。

 もちろん、読みが外れることも多いですけれど、漫然としてお付き合いしているより、その人とのかかわりが深くなったり、また、無用なぶつかり合いや誤解を避けることもできます。

 その結果が、私のマンガの中で主人公たちの言動になり、読者の共感を得ているのかもしれません。
 マンガ私の描く言動の裏にある男の考え方を追いかけたとき、初めて「ああ、こういう考え方のプロセスであのセリフが出てくるんだ」と、それこそ目からウロコが落ちるように、自分つまり女の考え方と違った男の物の見方、考え方があることに驚くと同時に、納得をするんだと思います。

 最初のスタートで、女も男も同じだ、つまり男も自分と同じようなことを考えるに違いない、と疑いなく思ってしまうところに、女の落とし穴があるのだろうと思います。

 最初から女と男は違う、私と彼とはまったく別の考え方をする生き物だと思っていれば、勘違いも何もありません。  そこにいるのは自分と違う考え方をする、でも一番理解したい、分かってもらいたい人であると思えば、「観察」と「分析」はあたりまえのことになります。

女には分からない、男に好まれる女のタイプ

 モテる女、と聞いてまずあなたは何を思いますか? たくさんの男にチャホャされる、女王様みたいな女でしょうか。
それとも彼氏が途切れない女でしょうか。

あるいはほしい男、つまり自分が気に入って自分のものにしたい男を必ず落とす女でしょうか。
 私は「狙った男ははずさない」、というのがモテ女だと思っています。自分が好きでもない男にいくらチャホャされたって、好きな男に振り向いてもらえないなら、何の意味もないと思います。

 私が言う「モテる女」になるというのは「狙った男を落とせる女」ということ。もっと平たく言えば「狙った男を彼氏にし、愛される女」ということです。

一般的にいうモテる女、というのは多くの男に好かれ、不特定多数の男が彼女にしたいと思う女の子とを指すと思います。
そういう意味でのモテる女はそれこそ世代によってまったく違います。

十代は目立つ女がモテる

 たとえば十代のころはどうしても美形とか、とにかく目立つ人がモテる女になります。
性格よりも何よりも、見かけの分かりやすさが一番という年頃なのでしょう。
思い出してみてください。

必ずクラスや学年に一人はマドンナ的な存在の女の子がいませんでしたか? けっこう性格が悪くて女の子には嫌われていたりするけれども、男の子が密かにやる人気投票で一位になってしまうような女の子です。

 男の子は、同い年なら女の子よりも少しだけ精神的に幼いから余計、分かりやすいものにあこがれてしまうのでしょう。
その点、女の子は少し複雑だから、自分に好意を持っている不細工な男の子に思わせぶりなこと言った次の瞬間、突然冷たいことを言ったりして、相手を振り回したりします。

性格美人がモテるニ十代、三十代

 ニ十代、三十代になるともう、だいたいの男は外見だけを重要視することは卒業。
一転していわゆる「いい子」がモテる女になります。顔立ちも普通だけれど、こぎれいにしていて、みんなで集まったときには気配りができて、当たりが柔らかい。控えめで一歩引いている感じなのに、それでもちゃんと流されないでやることはやる。

常識的で気取ってもいなく、下品でもなく自分の立場をわきまえている。それこそが周りの男が声をそろえて「あの子はいい子だよ」と言うタイプに変わってきます。

 もちろんエキセントリックな子が好きだとか、いくつになっても美人にこだわるという男もいますけれど、一般的に女から見ると「どうしてこの子が男に受けるの?」という地味目の子が一番人気になりがちです。

 意外に女から見て納得できるような女、たとえば藤原紀香が一番人気にならないのが男心の難しいところかもしれません。みんなに愛されるのと彼氏に愛されるのとは違う、という反論もあるかもしれませんけれど、大多数に愛されている女なら、統計的に考えて彼氏から愛される確率は高いと思います。

女が引かれる男、男が引かれる女 

 モテる女は年代によって変わってくると言いましたが、それでも、一般的に男が弱い、というか男心につけこめるタイプの女がいます。けれどもこれは誰もが演出してできることではないので、あくまでも私の長年の観察による分類

 とにかく男の本能のうち、最大のパワーを持つ(?)保護欲を刺激する女。
男に「僕がついていなけりゃ」「このひとを僕が守ってあげたい」とストレートに思わせる女です。

たとえば、三角関係になった時「君は強いからひとりで大丈夫だけれど、あの人は僕がいなければだめなんだ」と言わせることができる人、けっして見かけがひ弱で、折れちゃいそうに細いというわけではありません。

 外見よりも、男に「勝ち気ぶって強気なことを言うけれど、芯はもろい」と思わせる人。それから本当にもろくて、幼そうな、無垢(むく)な感じの人。無垢な感じは絶対にモテます。
無垢なものを守りたい、という気持ちは男も女も同じではないかと思います。
 私なんて十代の穢(けが)れない少年を見たら、もう守ってあげたいって、瞳にきらきら星がいっちゃいますもの。

男は女の見かけを信じこむ

 それから、勝ち気というわけではありませんが、世間とぶつかりそうな性格い子なのに、不器用で世慣れしていないからああなんだ。でも、あの子のいいところはを僕は知っている」と男に思い込ませるタイプ。

いわゆる世間でいう「何であの女にあんないい旦那?」と言われるカップルはおしなべてそうかもしれませんし・・・・。

野村監督も「かわいそうに沙知代はみんなに誤解されて」と思っているかもしれませんし・・・・。男がクラッとくるどのタイプにも共通して言えるのが、女本人の資質よりも男の思い込み度の深さにかかってくるということです。

 たとえば知人から聞いた話ですが、ある男がキャパクラの女に熱を上げ、何度か外で食事を一緒にしたそうです。

でもそれで何か見返りがあったかといえば、「いつもありがとう」の言葉だけ。周りの女からすれば「それってタカられているだけじゃない?」になるのですが、そう言われるたびにその人は「そんなことはない。
 水商売にないような清純な子なんだ。僕はちゃんと分かっている」と決まって反論するそうです。

 女から見ると水商売にいること自体、清純という言葉は相容れないと考えますが、男は見かけでも思い込むというか、信じ込んでしまいます。水商売にいる清純な女=不幸な境遇にある。

という判断です。男は女の不幸話、とくに不幸な境遇、たとえば幼いころに父をなくし、病気がちな母を助けて・・・、に弱いのです。必ずだまされる。そして自分こそが彼女を助けてあげられると思い込んでしまうのです。

女は男の夢に酔う

 男が女の見かけにコロッとだまされるのに、女は男の見かけにはなかなかだまされません。たとえばハンサムな男が自分に言い寄ってきても、モテてモテて困るという女以外の普通の女なら、最初の瞬間は「コイツなにか下心があるんじゃないかしら」と疑います。

 だからけっして、ただかっこういいという見せかけだけでは、女は落ちません。
 それに男はおしなべて美人が好きだけれど、女の趣味は千差万別。必ず一般的なハンサムが勝つという図式にはなっていません。

 それでは女は、何に弱いかと言えば「男の夢」。もっと正確にいえば「夢」を語る男に弱い。夢といっても、「政界に入って、登りつめる」とか、「(自分の会社)役員になってやる」のような、その時点で考えて、将来実現可能な野心でありません。

 女が弱いのは、現実を逃避した、気持ちのいい将来の夢を語っている男です。とくに世をすねて、反社会的なことを言って、壮大な未来の夢を語る男に弱い。「今ぼくは不遇だが、きっと世間を見返してやるよ」などと、女の目を見つめながら言ってしまう男。

 このタイプは若者もいれば、少し年をとったアウトサイダーの匂いのする男性もいますが、なぜかモテます。三人も女がいる。どうも女としては「夢を語る彼が好き。その夢の一部でいたい」になってしまうらしいのです。

 ロマンチストゆえに男は目に見えるものにだまされ、現実家ゆえに女は目に見えないものにだまされるのです。

男は自由を求め、女は決めたがる

 私は若い時、何につけても決まらないことにイライラして、決められることは全部決めていました。たとえば何人かで、(これは女同志でもいいのですが)、どこかに行こうとなります。でも、なかなか行き先が決まらない。女はみんな「んー」などと言って、誰かが決めてくれるまで、待つという姿勢に入ってくる。
 そういう時、私は、「どうする」「どうしよう」と言い合っていても時間の無駄だから、という感じで「じゃあ、こうしない」と自分から決めに行くタイプだったのです。

 さらに、頭にくることに私に仕切らせたというか、意見を言わせた女たちは「でも、あの時××ちゃん(私のことです)がそうしようって言ったのよね」って、自分たちで私に仕切るように仕掛けたくせに、しゃらっと私が先導したように言うんです。
 どう考えても理不尽だ、次はそう言われないようにしようと思いながら、何か決めなければならないことがあると、また自分からこうしましょうと、提案して決めてしまっていました。

 合コンの時もそうでした。なかなか予定が決まらないから「じゃ、私が決める!」。予定を決めて、会場を決めて、座る席まで決めて、みんなに気を使う。

 みんなけつこう盛り上がって、いい雰囲気になり、カップルも誕生して、合コンは成功。でも、幸せになるのは、いつも全部私以外の女たちばかり。
 一番苦労して、努力したのにどうしても私が報われないの? といつも割り切れない思いを抱いていました。

仕切る女は嫌われる

 年をとって、やっと分かりました。やはり、仕切る女は
モテない。テキパキしていると色気が感じられないのでしょう。効率だけ重視した、生硬〔せいこう〕な感じがしませんか? 
「あなた、こうしなさい」「あ、ここはこうして」って、先生やお母さんに指示されている感じではないでしょうか。
 そして、先生やお母さんというものは、はっきりいって色気からはもっとも遠い存在だと思います。見た目だけでも考えても、もつたりゆったりしている方が色気が感じられるような気がします。

 昔、「私、縁遠いんです」と、知り合いの女教師にポツリと言ったことがあります。
 美人だし、テキパキとしていて女か見るとかっこいい人です。でも、きっとテキパキしすぎなのでしょう。

 あまりテキパキしすぎると怖そうな感じがしませんか。自由を奪われそうというか、「あなたってこういう人ね」とか、「あなたはこうしたほうがいいわね」とか決め付けられて自由になれない何かを連想させるのではないでしょうか。とくに男性にはそう映るかもしれません。

 とはいえ、難しいのはテキパキの程度。男性はとにかく自由が好きだから、縛られるのは嫌い。

 だからといって「私って何も分からないから」みたい男性まかせっきりにする、一歩間違えば「バカ女」もまた男は嫌いです(そういうのが好きな男もいますが、そんな男はレベルが低いから相手にしなくても正解)。たとえば、お掃除をテキパキするとか、何か会合の受付をテキパキこなす、そういう女は好きですから。

 だから、女と男が何人かいて、何かを決めなければならない状況になったら、なかなか結論が出なくて、どんなに自分が時間の無駄! イライラすると思っても、ひたすら我慢(どうでもいい男ばっかりだったら、別ですけど)。

 けっして自分から、「じゃあ、こうしましょう」などと言ってはいけません。でも、それはずっと我慢していろいろということではありません。仕切るのではなく、さりげなく、男を立てつつ、提案してみなさいということです。

 たとえば二次会の場所が決まらないなら、「この近くでOOくんがいい店があるって、言ってなかったけ」などと水を向けてみる。それで決まれば、男性が決めたことになりあなたは仕切り女ては呼ばれない。

 男だって自分に決定権があると誤解する。
 うまく男を誘導できる。そうすれば時間の無駄だとイライラすることもないし、男の自由を奪う仕切り女というそしりからも逃げられることになります。

わがまま女は捨てられる

 仕切り以外にも、それと気づかずに男を束縛したり、疲れさせたりする勘違い女たちがいます。
 たとえば、小悪魔を気取ったわがままな女。急に会いたいと呼びつけてみたり、自分から言い出した約束なのにドタキャンしたり。

 自分の都合しか考えられずに男を振りまわす。自分の言うなりになる=自分を愛している証拠というように感じてしまう女のわがままを、最初は可愛いと思ってしまうことでしょう。

 手に負えないじゃじゃ馬を調教する喜び、のようにいくら可愛いと思っていても、わがままが続くと男だって精神的に疲れてきます。「東京ラブストリー」でいえば、男は手に負えない赤名(あかな)リカが好きなんです。

 でも、実際、つき合う女を選ぶときにはさとみを選ぶ。
 好きなことと選ぶことは、必ずしも一致しないから問題なんです。

バランスの良さを忘れずに

 結局、男はバランスのとれた女がいいのです。そういう意味では、なんでも物事を決めつけたがる女とか、どうせ私なんかと自分を卑下(ひげ)しすぎるとコンプレックスの強い女、それから逆に、私がと自己主張が過剰な女も全部男は苦手。男は本当に保守的なものです。

「過ぎたるは及ばざるが如し」と昔の人は言っていますが、何事も「・・・・し過ぎる」のはよくありません。
 とくに、「恋は盲目」というように、ふだんバランスのいい人も、ついバランスを崩しがち。だからこそ「バランスがいい」、この言葉を心のどこかにいつも留めておきましょう。
 つづく 「快楽」を愛する女、「刺激」を好む男

夜の夫婦生活での性の不一致・不満は話し合ってもなかなか解決することができずにセックスレス・セックスレス夫婦というふうに常態化する。愛しているかけがえのない家族・子どもがいても別れてしまう場合が多い。