六一歳の男性からの手紙を紹介されている。大手の企業を退職したというその男性は、こんな悩みを抱えているという。
「わたしは妻に、女性は閉経かも知れないが、男には閉経がないのだから、性欲は当分のあいだ。まだ続く。結婚はセックスを前提としており、セックスの拒否は重大な義務違反である。と主張しているのですが、取り合ってくれません。
本表紙 香山リカ著から引用 
ピンクバラ 今後、夫婦で少なくとも二十数年間いっしょに生活していくのに、このままではどうにもなりません。」
「セックスレス」夫婦であっても「浮気・不倫」は楽しいものだしロマンスがある憧れチャンスがあれば間違いなく男女の区別なく逃さない。浮気性の恋人や夫をどうあやせばいいのか、恋人の「浮気・不倫」疑惑が浮上したときはどうしたらいいか、恐るべき夫の言い訳の”ただのお友だち”をどう撃退するか?

第三章 セックスの男女差と歳の差

(1) 男性はなぜ精力にこだわるのか
 精神科で語られるのは、女性からのセックスレス

  これまで、ほとんど語られなかった「シニア女性の性」の問題。しかも、このテーマについて語られている数少ないエッセイや本が主張しているのは、「シニアの女性たちも、恥ずかしい、はしたない、と思わずに性を楽しもう」ということばかりのようだ。

 前章で紹介した高柳美知子氏の近著に、『セックス抜きに老後は語れない』(河出書房新社・二〇〇四年)がある。読者の主な対象は女性なのだが、取り上げられている夫婦のケースの多くは、「セックスを望む夫と、それを拒む妻」だ。

 たとえば本書の冒頭には、著者のもとに寄せられたという六一歳の男性からの手紙を紹介されている。大手の企業を退職したというその男性は、こんな悩みを抱えているという。
「わたしは妻に、女性は閉経かも知れないが、男には閉経がないのだから、性欲は当分のあいだ。まだ続く。結婚はセックスを前提としており、セックスの拒否は重大な義務違反である。と主張しているのですが、取り合ってくれません。

 今後、夫婦で少なくとも二十数年間いっしょに生活していくのに、このままではどうにもなりません。」

 この手紙をもとに、タイル通り、「セックス抜きでは老後は語れない」という確信を持っている著者は、「シニア女性たちを性から遠ざけているものは何か」と問いを立てて、からだ、心、文化などいくつかの側面から分析していく。
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「妻はおとなしく夫に従うもの」という価値観も、それにひと役買っている。「夫の前で自己主張してはいけない」と思い込んでいる妻たちにとっては、「夫とのセックスはこなさなければならない家事のひとつになっている」と著者は言う。「妻の半数はいやいや夫のセックスに応じている」という調査結果も紹介されている。

 そして著者は、最後でもう一度、結婚やセックスに関するカウンセリングを、終生続けた精神科医・奈良林祥氏の言葉を引用しながら、女性たちにこう呼びかけるのだ。
「何度もいうとおり、性生活が充実しなければ高齢期の生活の充実は存在しない。完全に信頼しあって、許しあって、愛しあっているパートナーがいる、これはもう、本当のステキな人生ですよ。」

 しかし、これまでの章でもいくつかのケースを取り上げて説明してきたように、少なくとも私自身は、診察室で女性から「夫とのセックスが苦痛」「求められても応じられない」という相談を受けたことは、一度もない。また、男性から「妻がセックスに応じてくれない」と相談されたこともない。セックスに関する相談の九割は、「長年、セックスレスで」「夫とは心もからだも触れ合いがなくて」という妻側からの相談だ。そして残りの一割は、
「三〇代(あるいは四〇代以上)なのに男性経験がない」というシングル女性からの相談である。いずれにしても彼女たちは、「(自分はしたいのに、あるいはしてもいいと思っているのに)セックスがない」ということで悩んでいる。

 そういえば一度だけ、「夫が週に何回も求めてきて困るんですよ」という話を、診察室で聞いたことがあった。ただ彼女の場合は、ちょっとした事情があった。夫は長年、妻に隠して浮気をしていて、それが知られてしまったのだ。妻は当初、「浮気を知ってから気持ちが不安定で」という悩みで病院にやって来たのだが、結局、夫は妻に平謝りに謝り、「週に何回も」という事態になったのだ。もしかすると夫は、謝罪のつもり、あるいは妻の怒りをうやむやにする意図で、”セックス攻撃”に出たのかもしれない。もちろん、それは意地悪な見方であり、夫はもっと単純に妻への愛情を再確認してそのような行動に出たのかもしれないが。

 高柳美知子氏の著作にあるような「(夫にはあるのに)性欲がない」「夫とのセックスが苦痛」という女性の相談はもしかすると産婦人科医のもとに寄せられているのかもしれないが、少なくとも私のような精神科医の前で語られるのは、「セックスレス」についての悩み、苦痛の告白ばかりなのである。

 では、男性の方はどうなのだろう。先述したように、「妻とセックスがしたいのに、応じてもらえなくて」という相談は、少なくとも精神科医のもとにはあまり寄せられていない、と考えてもよさそうだ。とはいえ、女性にとっての産婦人科のような男性専用の科はない。性に関係しているかといえば泌尿器科だが、一般向けに泌尿器科医が書いた本をパラパラみても、そこには「セックスがしたいのに妻が拒絶」といったケースはまず見当たらない。

 そのかわり、そういった一般向けの泌尿器科の本で多くのページを割かれているのは、男性の勃起障害、いわゆるインポテンツの問題だ。

 いまの女性たちにとってセックスレスが大きな問題であるように、男性にとっていちばん気になるのは「妻の拒絶」ではなく、この男性不能の問題のようだ。この場合、相手がだれであるかは問われない。

 男性更年期障害のチェックリスト

 男性不能との関係で特に最近、注目が集まっているテーマに、「男性更年期」がある。

 更年期障害といえば、閉経前後の女性。これまではそう考えられていた。医学的には、更年期障害とは、女性の卵巣機能の低下に伴って起きると考えられる心身の広範な不調を指す。その症状は、「不正出血、息切れ、動悸、不眠、怒り、イライラ・くよくよなどの精神症状、頭痛、めまい、吐き気、肩こり、腰痛、手足の痛み、ほてり、のぼせ、発汗、冷え、耳鳴り、しびれ、頻尿、疲労感、食欲不振」と実に多岐にわたっている。この更年期症状を経験する人の割合は、すべての女性のうち七〇%にも上る、という調査結果もある。ちなみに、更年期障害のうち約二〇%にうつ症状が見られるといわれる。

 そして、検査の結果、卵巣ホルモン(エストラジオール)の低下を中心にホルモンバランス補充療法を勧める。これは「足りなくなっているホルモンを補えば、症状は軽減されるはず」という非常にシンプルな考え方に基づいて行われる治療法で、同じようにホルモン療法であるピルの三〜六〇倍のホルモン量が含まれていると言われている。

 このHRT療法、内服ではなくて脇腹にペタッと貼り付けるパッチで行われる。シールの交換は月に一回。毎日、薬を飲むわずらわしさもなく、ひと月に一回、おなかにシールを貼るだけで快適に過ごせるなら、これを使わない手はないだろう。

 そして最近、実は男性にも女性にも同じような「更年期障害」がある、ということが明らかになりつつあるのだ。
 アメリカのセントルイス大学のモーレー教授が作った「男性更年期障害」のチェックリストをあげてみよう。
(1) 性欲(セックスをしたという気持ち)の低下がありますか?
(2) 元気がなくなってきましたか?
(3) 体力あるいは持続力の低下がありますか?
(4) 身長が低くなりましたか?
(5) 「日々の愉しみ」が少なくなったと感じていますか?
(6) 物悲しい気分/怒りっぽいですか?
(7) 勃起力は弱くなりましたか?
(8) 最近、運動をする能力が低下したと感じていますか?
(9) 夕食後うたた寝をすることがありますか?
(10)最近、仕事の能力が低下したと感じていますか?

一〇項目のうち、「『はい』が三つ以上ある場合」あるいは「(1)と(7)のどちらかが『はい』の場合」、男性更年期障害の疑いがある、とされている。
 このチェックリストで重要視されているのは、何といっても「性的な能力低下」、つまり精力減退や低下である。しかし、日本の泌尿器科医たちの手による質問表ではむしろ、「イライラする」「不安感」「憂うつな気分(落ち込み、悲しみ、涙もろい、意欲がわかない、気分のむら、無用感)」「絶頂期は過ぎたと感じる」「力尽きた、どん底に入ると感じる」と言った心理的側面にもかなりの重きが置かれている。

 おそらく日本のチェックリストで「更年期障害の疑いあり」に該当する人は、精神科を受診した場合は間違いなく「うつ病」などの診断を受けているのではないか、と思われる。
「男の更年期障害」なのか、「うつ病」なのか、どっちなんだ、という話ではない、むしろ、本当は深くかかわりがあるはずの「精力」と「心のコンデション」とがとくに男性の場合、切り離されて考えられがち、というのが問題なのだ。 

男性の更年期障害の原因は何か?

しかし、ここではあえて、更年期障害について考えてみよう。女性の場合は卵巣機能の低下による卵巣ホルモンの減少が原因となって起きる更年期障害は、男性では何が原因となっているのだろう。男性の場合は女性のように「閉経」といったはっきりした生理的な変化が起こるわけではないのに、それ以前には明らかに見られなかった症状につながるようなホルモンバランスの乱れなど本当に起きているのだろう。

 女性の更年期障害のチェック、治療を行うのは婦人科だが、男性の場合は「男性科」があるわけではない。「性差医療」の必要性を主張する人は、医療は男性の身体をモデルに行われており、女性は不当に扱われている。と言うが、この辺りに関してはむしろ男性の方が不利益をこうむっている。今のところ、男性の更年期障害は、「(一部の)泌尿器科」が扱うことになる。泌尿器科の専門医たちの見解をまとめると、次のようになる。

 男性の更年期障害の原因は、男性ホルモン(テストステロン)の減少である。しかし、閉経などがない男性では、女性ほど急激にホルモンは減少しないし、個人差も大きく「年齢ごとの正常値」もはっきりしない。男性更年期の場合、重要なのは「今の男性ホルモンの数値」ではなくて、「以前からどのくらい減少したか」なのだ。しかし、その”以前の値”が記録されているケースは多くないので、診断はさらに難しくなるのだという。

 結局、「ホルモン異常」と診断がつくほどのケースは少ない、ということだが、多くの泌尿器科医は、女性の更年期と同じようにこの男性更年期には、「ほてりや冷え、うつ症状や不眠、筋力の衰えや体のだるさ、性欲減退、勃起力の低下」など心身にわたり多岐に症状が現れるのだと説明している。

 ホルモンの低下が原因であれば、必然的に治療は女性更年期と同様、「足りないホルモンを補う」という男性ホルモン補充療法になる。しかし現段階では、男性ホルモンの補充は女性のようにパッチで簡単に、というわけにはいかないどころか、内服薬さえその安全性が確立されていない。少なくとも二〜三週間に一回は、通院して、筋肉注射を受け続ける必要がある。また、効果が出るまでの期間もまちまちで、中には二〜三ヶ月と長い時間がかかる人もいるそうだ。一方、一度効果が出始めた人の中には、治療開始後半年くらいで「もうホルモン補充療法をしなくても大丈夫」と治療の必要性がなくなる人もすくなくないのだそうだ。

 一度低下した男性ホルモン生産機能が、注射がきっかけで再び高まるとは考えられな。これは精神科医としての推測なのだが、男性ホルモンの補充療法には、心理的な暗示効果もあるのではないだろうか。「もうオレは人間としてダメなのだ」と思っていた彼らは、「それはあなた自身のせいではなくて、男性ホルモンの影響なのですよ」と言われたことで安心し、注射の効果でさらに「まだ大丈夫なんだ」と力づけられ、これまでにあった不快な身体症状も改善し、さらには精力さえ回復する例がある、ということだ。とくに男性の場合は、「うつ病」と診断されるより、男性ホルモンの投与で回復する更年期障害、と言われた方が、納得の度合はより高いのではないだろうか。このことからも、男性の自尊心が「精力」に依存していることがうかがえる。

 逆に、精神科医は男性に更年期障害と診断を下すことや、男性ホルモン投与を行うことに慎重にならざるをえないのだが、泌尿器科医たちの中にも、同様の慎重派は少なくない。この問題に積極的に取り組む筑波大学附属病院泌尿器科は、患者さん向けのホームページでこう注意している。

 最近分かってきたことですが、男性更年期外来を受診する患者様の半数以上にうつ病を認めました。男性更年期障害の症状は様々ですが、うつ病の症状もかなり重複することや、精神科や心療内科にかかるのは抵抗がある方がいらっしゃることが、その一因かと思われます。また、既に精神科で投薬を受けているにも関わらず良くならないと言って来る患者さんも多くおられます。初診時に質問票に答えていただき、男性ホルモンを測定することにより診断が可能ですので、一度相談しにいらっしゃって頂ければと思います。当科でも両方の科にかかり治療を継続されている方もいらっしゃいますし、精神科・泌尿器科が互いに連携し、患者さんを紹介しあい、患者さんにとって最も良い治療を行っていきたいというのが当科の考えです。

 このあたりも非常に微妙な問題であるが、「なんとなく調子が悪い。とくに精力の減退が‥‥」と気にする五〇代〜六〇代の男性の中にも、「うつ病」と言われて不調の原因がわかったと思える人、「男性更年期障害」という診断を与えられている納得する人、そして「ただの気の持ちようです。何でもありません」と言われて安心する人、いろいろなパターンがあるのではないか。

 私は現在、ある医療法人の診療所を開設した、スタッフも全員女性の「女性外来」で精神科を担当しているのだが、「女性外来」併設する病院は全国的に増えつつあり、更年期の年代の女性の治療に女性の婦人科医と精神科医が協力してあたる。というケースも珍しくなくなった。しかし、男性の場合は「男性外来」で男性の泌尿器科医と精神科医が‥‥などという話はまだ聞いたことがない。しかし、男性の中に自分のプライドや自信の拠り所として「精力」にこだわり続ける人がいる限り、その問題はいくらかでもその心境が理解できる男性医師による「男性専用外来」で扱った方がいいのではないか。少なくとも女性精神科医は、「週三回が二回に? それは悲しいですね」とは言わないはずだ。

 男性はどうして、性欲や勃起力の低下にこだわるのか? 

 それにして、男性更年期の場合はどうして「性欲や勃起力の低下」がこれほど問題になるのだろう。女性の更年期障害では「イライラ。不安感」などの心理的な症状や「動悸、発汗」などの身体的症状がメインであり、「性欲がなくなったんですよね」などと訴える人はあまりいない。もちろん、その背景には「五〇代以上の女性が自分の性欲について悩むことじたい、はしたない」といった価値観もあるのだろうが、”女性と性”がタブーではなくなってきた最近になっても、更年期の女性の口からそういう相談が語られる機会は増えていないのではないか。

 中年以上の男性向けの精力回復剤や勃起力維持のためのツールは今も昔も星の数ほどあり、「勃起力パワーアップ!」などうたったサプリメントの広告には次のようなフレーズや体験談が並んでいる。
「六五歳、余裕で三日連続のセックス!」
「七二歳でも週一バリバリ現役」
「毎朝、朝勃ちするようになり、悦びと感激です――六七歳」
 この人たちは、いったい何のためにここまで「勃起」や「持続」にこだわるのであろうか。六〇歳になっても七〇歳になっても「妻とセックスしたい」と願う男性が多いのか。

 それは違うはずだ。これまでの章でも触れたように、日本人のセックス回数は世界の国々の中でも飛びぬけて低く、世界平均の半分以下であることが知られている。その回数というのが、配偶者だけを指すのかそれても相手が誰かは問わないのかは定かではないが、いずれにしても「いくつになって勃起したい」と躍起になっている男性がそれだけ豊かな性生活を送っている、という事ではないはずだ。

 では何のために彼らはこうして「勃起力」にこだわり、それが低下したといってはなぜ、「男性更年期ではないか」「サプリメントを試そうか」と右往左往するのだろうか。
 ひとことで言えば、男性の場合は、「精力」が自分の人間としてのパワーや若さの指標になっているのだと思われる。繰り返しになるが、この「精力」とは必ずしも妻や恋人とのセックスを意味するわけではない。たとえ、妻とは長くセックスレスが続いていても、毎朝、勃起を確認するだけで、「よし、オレはまだまだ大丈夫だ」と自己満足し、自信を深める男性もいるのかもしれない。

 しかも、悲しいことに「精力」がその人の人間としてのパワーや能力を示す、と思っているのは当の中年男性たちだけなのではないか。たとえば女性たちが集まって、「私の夫は精力絶倫ですばらしい」「○○課長はもう持続力が低下しているからダメね」などと精力を基準に男性を評価することはほぼないだろう。
男性向けのポルノ小説には、男性器の大きさに「すごい」と息を呑む女性が登場するが、女性同士でパートナーの男性器の大きさが話題になることもない。診察室でも妻が「ウチはセックスレス」と語るケースは多い、という話はしたが、その理由がパートナーの性的能力がある、という場合はほとんどない。

 逆に既婚女性のカウンセリングを行い中で、「失礼ですが。ご主人との夫婦生活は?」と質問して、「そうですね‥‥。実は夫はEDなので、そういう関係はないと言えばないですね。でも、夫は仲良しでいっしょにお風呂に入ったりもするんで、別に不満はありません」といった答えが返ってきたことは、何回かある。つまり、夫に「勃起力」や「持続力」はなくても、いわゆる”心のふれあい”やちょっとしたスキンシップがあ
れば、妻の多くは満足するのではないだろうか。

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 「男性・女性のセックスにおける最大の恐怖」
 男性のオーガズムは射精すれば性欲を満たしオーガズムは得られるが、女性となるとそうはいかないのだ性欲を満たしオーガズムに達する条件は、二人の間の愛情と、信頼関係と、さらにプラス精神安定の三つの条件が揃っていることが必要不可欠であり「膣そのものは女性のからだの中でも桁外れに鈍感で快感」を感じられない性器であり、それを男性に提供するというマイナス条件下で行われる、愛情豊かな肌のふれあいを十二分におこない逡巡しつつ心からふたりが楽しむ環境へと埋没し膣挿入のち持続に富んだ性交でなければ女性の性欲が満たされ「イク」ということはまず望み薄である。

 しかし、中高年層は自らのペニス膣挿入してからの持続力には限界がある。当サイト商品「ノーブルウッシングC型」を用いて膣挿入しパートナーがオーガズムに達するのは最低二十分以上要し、さらに何回でもオーガズムへ誘うことができるが、それほどの体力を持ち合わせている人は多くはないはず。

 パートナーである男性が愛情豊かな肌のふれあいを十二分に逡巡しつつ心からふたりが楽しむ環境へと埋没し自らのペニスを膣挿入し持続性富んだ性交を試み努力したのだが(オーガズム「イク」)達しなければ女の価値観そのものを男に問われ、男性もまた自信を失ったり落ち込む恐れがある。

「肌のふれあいは皮膚を刺激する。この刺激は皮膚に散在している知覚神経を促し、脳が活性化する。パートナーの肌のぬくもりを感じる快い感覚は自律神経系に働いて、イライラや、不安の解消にも役立ち、心を安定させ、成人病やボケの予防にも役立つ」と言うのだが、もしそれが本当だとしたら、三〇代でセックスレスの夫婦はどんどん老化が進むということになるのだろうか。

若年セックスレス夫婦も、せめて手をつないだり肩を叩き合ったりするだけで何らかの老化防止に役立つ、ということになるのだろうか。
男にとってセックスは自分の立場、男としての有能感・価値観を賭けた戦いの場。
 それですべてがうまくいき、満足できればけっこうなことだが、“戦い”に敗れたときは悲惨である。失われた自信はそう簡単に回復できない。

 まして、女性から「あなたヘタね」とテクニックを批判されたり、「もうイッちゃったの?」と早漏を指摘されたり、「けっこう小さいのね」とペニスの小ささを笑われたりすると、セックスすることがすっかり怖くなってしまつたりする。

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 妻が求めているのは”心ふれあい”なのに

 そういえばかつて、一度だけ女性から「夫のED」について相談されたことがあった。その三〇代の女性は同世代の夫と結婚して一〇年あまりたつのだが、夫とのセックスは新婚時代に数度、経験しただけだという。「セックスレスというわけですね?」ときくと、感じのいいその妻は首をかしげながら言った。
「いえ、それとは少し違うと思うんです。いわゆるEDっていうんですか、そうしようとしてもうまく行かないみたいなんですね。」

 私は「じゃ、こちらに相談されるよりも、ご主人をEDを専門とする泌尿器科にお連れしたほうが」と言いかけると、彼女は「いえ、いいんですよ。セックスがなくても」と、こう話し続けたのだ。

「私もとくにセックスがした、とか思うわけじゃないし、それに夫とはテニスという共通の趣味があって、ペアを組んで毎週のようにいろいろな大会に出たり練習したり。わたしとしてはそれでももう、満足なんです。」

 だとすれば、なおさら彼女はなぜ、精神科を受診したのだろう。
「それが、私と夫はこれで満足なのですが、夫の親は息子がEDだとか私たちがセックスレスだとか、想像もしてないみたいなんです。だから、お盆やお正月で会うたびに“子どもはまだなの? 攻撃”がすごくて。
 さすがに『EDなんだよ』とは言えないかもしれないけど、せめて『僕たち、子どもを持つことは考えていないんだよ』くらい説明してくれてもいいのに、夫はそういう時はうつむいて黙っちゃうんですよ。
 だから姑たちは私の方に何か問題がある、と思い込んでいるみたいで、このあいだなんて”いい病院があるみたいだから、いってみたら?”と不妊治療を受けるように勧められました。こういう場合、姑たちを傷つけないように説明するには、何と言ったらいいのか、ちょっと相談したくて‥‥。」

 子どもができない原因は夫のEDであることは確かなのだが、彼女自身も「今さら夫とセックスしたいとも、これから母親になりたいとも思わない」と言い、テニスで結びついている夫との関係にも満足している。唯一の悩みは、「EDであることを親に言えない」ということなのだ。

 しかし、この夫は自分はEDで妻とのセックスができない、ということをどう考えているのかはわからない。もしかすると、妻のように「セックスレスであることじたいは、本当はどうでもいいんです」とは思っておらず、自分の男性あるいは人間としての能力やパワーに自信を喪失しがちになっているかもしれないのだ。

 妻が「セックスレスなんです」と悩むときには、その「セックス」は単なる性交ではなくて”心のふれあい”やスキンシップを意味する場合が多いが、夫の「EDなんです」という悩みには、セックスもふれあいやスキンシップも、妻や恋人など異性さえもかかわっておらず、単純な「勃起力」しか意味していないことがある。

 あくまで、相手との関係性の中でセックスをとらえる女性。自己完結する身体的な問題としていかセックスを捉えられない男性。この辺りにも、女性と男性との深刻な意識のギャップが表れている。

つづく(2)「女性患者を見たら、まず妊娠を疑え」の真実味